⏱ 30秒でわかる この単元の要点
- 速さ=移動距離÷時間。記録タイマーのテープは、0.1秒ごとの長さを0.1でわると速さ(cm/s)になる
- 力がはたらかないと等速直線運動(慣性の法則)。運動の向きに一定の力がはたらき続けると、速さは一定の割合で増える
- 作用・反作用は2つの物体に1つずつの力、つり合いは1つの物体にはたらく2力
- 仕事(J)=力(N)×力の向きに動いた距離(m)。道具を使っても仕事は同じ。仕事率(W)=仕事÷時間
- 摩擦などがなければ、位置エネルギー+運動エネルギー(力学的エネルギー)は一定。変換効率(%)=目的のエネルギー÷もとのエネルギー×100
つまずき注意:動滑車や斜面を使うと力は小さくなるが、動かす距離が長くなり、仕事は小さくならない。
中3理科「運動の規則性と仕事・エネルギー」を、図と例題で1つずつ確かめるページです。物体の運動(速さ・力と運動・慣性・作用反作用)、仕事と仕事率、位置エネルギーと運動エネルギー、エネルギーの移り変わりと発電・放射線までを、「答え → 図 → 理由 → 解き方」の順に書いています。紙に書いて練習したい人は、下の無料プリントを使ってください。
無料ダウンロード(登録不要)
説明 1〜12ページ/確認問題 13〜16ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 17・18ページ/答えと解説 19〜21ページ
説明 1〜10ページ/確認問題 11〜14ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 15・16ページ/答えと解説 17〜19ページ
▶ ③ エネルギーの移り変わりと資源 授業用プリント(全19ページ)
説明 1〜10ページ/確認問題 11〜14ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 15・16ページ/答えと解説 17〜19ページ。この記事の見出しごとに、対応するプリントとページを書いています。
- 運動は何で表す? 速さの求め方と、平均の速さ・瞬間の速さ
- 記録タイマーと紙テープ:時間は「間」を数え、テープの長さから速さを読む
- 運動の向きに力がはたらき続けると、速さはどう変わる?
- 力がはたらかないとき:等速直線運動と慣性の法則
- 斜面の上の台車には、どんな力がはたらいている?
- 斜面を下る台車の速さは、傾きでどう変わる? 自由落下と合力
- 作用・反作用の法則と、つり合いとのちがい
- 理科の「仕事」の式と、仕事が 0J になる場合
- 滑車や斜面を使うと、力と距離はどう変わる? 仕事の原理
- 仕事の速さ(仕事率)は、どう表す?
- 位置エネルギーと運動エネルギーは、何で大きさが決まる?
- 位置エネルギーと運動エネルギーの移り変わり:力学的エネルギーの保存
- エネルギーの種類と、別の種類への変換
- 移り変わるとき、エネルギーは減る? 変換効率とエネルギー保存の法則
- 熱はどのように伝わる? 熱伝導・対流・熱放射
- 電気はどうやってつくる? 発電のしくみと長所・短所
- 放射線の種類と性質、利用と付き合い方
- エネルギーを使い続けるには? 持続可能な社会とこれからの工夫
- まとめ
運動は何で表す? 速さの求め方と、平均の速さ・瞬間の速さ
📄 プリント① 2・3ページ
答え:物体の運動は「速さ」と「向き」で表します。速さは「移動距離 ÷ 移動にかかった時間」で求めます。区間全体を同じ速さで動き続けたと考えた速さが平均の速さ、ごく短い時間の移動から求めた速さが瞬間の速さです。
理由:同じ時間ごとの位置を点で記録すると、点の間が広いほど速く、せまいほど遅い運動だと分かります。Aは点の間がだんだん広がっているので、速さが変わっています。Bは点の間が同じなので速さは同じですが、進む向きが変わっています。
速さの単位は、m/s(メートル毎秒)、km/h(キロメートル毎時)、cm/s(センチメートル毎秒)などです。式を変えると、移動距離=速さ×時間、時間=移動距離÷速さも求められます。速さをくらべるときは、単位をそろえてから計算します。
単位の直し方(km/h → m/s):36km/h を m/s に直すと、次のようになります。
| 36km=36000m | 1km=1000m だから |
| 1時間=3600秒 | 60分×60秒だから |
| 36000÷3600=10 | m ÷ 秒 で m/s になる |
| 答え:10m/s |
逆に、m/s を km/h に直すときは、3600 をかけて 1000 でわります。
表から平均の速さを出す:「位置の差 ÷ 時刻の差」で求めます。たとえば、時刻が 0・2・4・6秒のとき位置が 0・6・16・30m なら、2〜6秒の平均の速さは (30−6)÷(6−2)=24÷4=6m/s です。
だんだん速くなるとき:2〜4秒の平均の速さが 5m/s なら、速さがだんだん増えているので、区間のはじめ(2秒)の瞬間の速さは 5m/s より小さく、終わり(4秒)は 5m/s より大きくなります。速さが一定の割合で増えるときは、区間のちょうど真ん中の時刻の瞬間の速さが、その区間の平均の速さと同じです。
まちがえやすい
✕ 速さが変わらなければ、運動のようすは変わらない → ◯ 速さが同じでも、向きが変われば運動のようすは変わる
✕ km/h → m/s は 3600 をかける → ◯ 1000 をかけて 3600 でわる
基本自転車が 480m を 80秒で進みました。速さは何m/sですか。
速さ=移動距離÷時間 に入れます。
480÷80=6(m/s)
答え:6m/s
標準時速 54km で走る車の速さは、秒速何mですか。
54km=54000m、1時間=3600秒 に直します。
54000÷3600=15(m/s)
答え:秒速15m
発展台車の位置を調べたところ、時刻が 0・2・4・6秒のとき、位置は 0・4・12・24m でした。2〜6秒の平均の速さと、一定の割合で速くなっているとして4秒の瞬間の速さを求めなさい。
2〜6秒の平均の速さ:(24−4)÷(6−2)=20÷4=5(m/s)
2秒ごとの平均の速さ:0〜2秒は 4÷2=2、2〜4秒は (12−4)÷2=4、4〜6秒は (24−12)÷2=6(m/s)。これは 1秒・3秒・5秒の瞬間の速さで、2秒で 2m/s ずつ増えるので、1秒では 1m/s ずつ増えます。
4秒の瞬間の速さ:3秒の 4m/s より 1m/s 大きく 5m/s(5秒の 6m/s より 1m/s 小さい、と考えても同じ)
答え:2〜6秒の平均の速さ 5m/s、4秒の瞬間の速さ 5m/s
記録タイマーと紙テープ:時間は「間」を数え、テープの長さから速さを読む
📄 プリント① 4・5ページ
答え:記録タイマーは、一定の時間ごとに紙テープに点(打点)を打つ装置です。時間は点の数ではなく、点と点の「間」の数で数えます。0.1秒ごとに切ったテープの長さを 0.1秒でわると、その0.1秒間の平均の速さ(cm/s)が求められます。
記録タイマーは、東日本では1秒間に50回、西日本では1秒間に60回打ちます(交流の周波数が 50Hz・60Hz のため)。
| 1秒間に打つ回数 | 1打点の間の時間 | 0.1秒になる、打点の間の数 |
|---|---|---|
| 50回 | 1÷50=0.02秒 | 5つ |
| 60回 | 1÷60秒 | 6つ |
理由:時間は「打つ間隔が何回分か」で決まります。点の数で数えると基準の点のぶんだけ1つ多くなるので、基準の点(0秒)を決めて、点と点の間を数えます。1秒間に50回のタイマーなら、間が5つ(点は6個)で0.1秒です。
テープから速さを求める:1本のテープの長さは、0.1秒の間に進んだ距離です。だから、テープの長さ(cm)÷ 0.1(s)=その0.1秒間の平均の速さ(cm/s)です。例:3.6cm のテープなら 3.6÷0.1=36cm/s です。
| テープの長さ | 運動のようす |
|---|---|
| どれも同じ | 速さが一定 |
| 一定の長さずつ長くなる | 速さが一定の割合で増える |
| だんだん短くなる | だんだん遅くなる |
速さの増え方:テープが 0.8cm ずつ長くなるときは、0.8÷0.1=8cm/s ずつ速さが増えます。図のテープが 2.0・2.8・3.6・4.4・5.2cm なら、速さは 20・28・36・44・52cm/s です。
まちがえやすい
✕ 5打点の間を数えるのに、点を5個数える → ◯ 間を5つ数える(点は6個)
✕ 0.1秒ごとのテープの長さ(cm)を、そのまま速さ(cm/s)にする → ◯ 0.1 でわる(10倍する)
基本1秒間に50回打つタイマーで、基準の点から 0.3秒後の点は、基準の点から数えて何番目ですか(基準の点は数えません)。また、1秒間に60回打つタイマーで、15個の間の時間は何秒ですか。
50回のタイマー:1秒間に50個の間があるので、0.3秒なら 50×0.3=15(個の間)。15番目の点です。
60回のタイマー:15÷60=0.25(秒)
答え:15番目の点、0.25秒
標準1秒間に50回打つタイマーのテープを、5打点の間(0.1秒)ごとに切ると、長さが 2.4・3.0・3.6・4.2cm でした。4本目の0.1秒間の平均の速さと、速さが何cm/sずつ増えているかを求めなさい。
4本目の速さ:4.2÷0.1=42(cm/s)
テープは 3.0−2.4=0.6cm ずつ長くなっているので、速さは 0.6÷0.1=6(cm/s)ずつ増えます(24・30・36・42cm/s)。
答え:4本目の速さ 42cm/s、6cm/sずつ増える
運動の向きに力がはたらき続けると、速さはどう変わる?
📄 プリント① 6ページ
答え:運動の向きに一定の力がはたらき続けると、速さは一定の割合で増えます。力が大きいほど、増え方は大きくなります。力がなくなると、そのときの速さで進み続けます。
実験:おもりが糸で台車を引き続け、台車についたテープに、1秒間に50回打つタイマーが記録します。0.1秒ごとに切ったテープが、下のグラフです。
おもりが軽いときは、テープが 1.2cm ずつ長くなるので、速さは 12cm/s ずつ増えています。おもりを重くすると(引く力が大きくなると)、テープは 2.0cm ずつ長くなり、速さは 20cm/s ずつ増えます。
おもりが床に着いたら?おもりが床に着くと、糸がたるんで、台車を引く力がなくなります。
理由:このグラフでは、4本目(4.7cm)は、3本目から 1.1cm しか長くなっていません(それまでは 1.2cm ずつ)。つまり、4本目の0.1秒の間に、おもりが床に着きました。5本目と6本目は、どちらも 5.0cm で同じ長さです。力がなくなったので、そのときの速さで進み続けています。なお、運動の向きと反対向きの力(摩擦力など)がはたらき続けると、速さはだんだん小さくなります。
まちがえやすい
✕ 一定の力で引き続けると、速さも一定になる → ◯ 速さは一定の割合で増え続ける
基本一定の力で台車を引き続け、1秒間に50回打つタイマーで記録しました。0.1秒ごとのテープの長さは 1.5・2.5・3.5・4.5cm でした。4本目の速さと、速さが何cm/sずつ増えているかを求めなさい。
4本目の速さ:4.5÷0.1=45(cm/s)
テープは 1.0cm ずつ長くなるので、1.0÷0.1=10(cm/s)ずつ増えます(15・25・35・45cm/s)。
答え:45cm/s、10cm/sずつ増える
標準おもりで台車を引いて記録したテープ(0.1秒ごと)の長さが、1.0・2.0・3.0・3.7・3.7・3.7cm でした。おもりが床に着いたのは何本目のテープの間ですか。また、床に着いたあとの台車の速さは何cm/sですか。
3本目まで 1.0cm ずつ長くなっていたのに、4本目は 3.7−3.0=0.7cm しか長くなっていません。引く力がなくなり始めたのは4本目の間です。
5・6本目は同じ長さで、3.7÷0.1=37(cm/s)。この速さで進み続けます。
答え:4本目の間、37cm/s
理由台車を引くおもりを重くすると、速さの増え方が大きくなるのはなぜですか。
「引く力が大きい」と「速さの増え方が大きい」の2つを入れて書きます。
答え:おもりが重いほど台車を引く力が大きくなり、運動の向きに大きな力がはたらき続けるので、速さの増え方が大きくなるから。
力がはたらかないとき:等速直線運動と慣性の法則
📄 プリント① 7・8ページ
答え:運動の向きに力がはたらかない(またははたらく力がつり合っている)物体は、静止し続けるか、等速直線運動を続けます(慣性の法則)。等速直線運動は、一直線上を一定の速さで進む運動で、移動距離は時間に比例します。
場面:机の上をすべり続けるドライアイスは、机との間の摩擦がとても小さいので、押したあと同じ速さですべり続けます。このとき、物体にはたらく力は重力と垂直抗力だけで、つり合っています。運動の向きの力ははたらいていません。記録したテープは、どれも同じ長さです(3.0cm なら 3.0÷0.1=30cm/s)。
グラフ2つ:30cm/s の等速直線運動で、4秒間の移動距離は 30×4=120cm です。
| 時間(s) | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 移動距離(cm) | 0 | 30 | 60 | 90 | 120 |
理由:時間が2倍、3倍になると、移動距離も2倍、3倍になる(比例する)ので、移動距離−時間のグラフは原点を通る直線になります。
慣性とは:物体が、それまでの運動の状態を続けようとする性質を慣性といい、すべての物体がもっています。慣性は、質量が大きい物体ほど大きくなります。質量の大きい物体は、動かしにくく、止めにくいのです。
| 場面 | 体や物がどうなるか | なぜ |
|---|---|---|
| 電車が急に止まる | 体は前に傾く | 体は進み続けようとする |
| だるま落とし | たたいた段だけが飛び出し、上の段は真下に落ちる | 上の段は止まり続けようとする |
| 摩擦がとても小さい氷の上 | なかなか止まらない | 反対向きの力がほとんど無い |
自転車をこぐのをやめると、なぜだんだん遅くなる?摩擦や空気の抵抗が、運動と反対向きにはたらくからです。こぎ続けて速さが一定になるのは、こぐ力と、摩擦・空気の抵抗がつり合っているからです。
まちがえやすい
✕ 等速直線運動の速さ−時間のグラフは右上がり → ◯ 横じくに平行(右上がりは移動距離−時間)
✕ 動き続けるには、運動の向きに力がはたらき続ける必要がある → ◯ 力がはたらかなくても動き続ける
✕ 電車が急に止まると、前向きの力で体が前に傾く → ◯ 体が進み続けようとする(慣性)
基本摩擦のない水平面を、25cm/s の等速直線運動で進む台車があります。6秒間に進む距離は何cmですか。また、0.1秒ごとに切ったテープ1本の長さは何cmですか。
移動距離=速さ×時間 なので、25×6=150(cm)
テープ1本は0.1秒の移動距離なので、25×0.1=2.5(cm)(速さ=長さ÷0.1 の式からも 2.5÷0.1=25 で確かめられます)
答え:150cm、2.5cm
理由電車が急に発進すると、乗っている人の体が後ろに傾くのはなぜですか。
「慣性」と「それまでの状態を続けようとする」を入れて書きます。
答え:体は、それまでの止まった状態を続けようとする(慣性がある)ので、電車だけが前へ動き出し、体が後ろに傾くから。
斜面の上の台車には、どんな力がはたらいている?
📄 プリント① 9ページ
答え:斜面の上の台車にはたらく重力は、斜面に平行な分力(台車を斜面に沿って下へ動かす力)と、斜面に垂直な分力(台車を斜面に押しつける力)に分けられます。垂直な分力は、斜面が台車を押す垂直抗力とつり合っています。同じ斜面なら、平行な分力の大きさはどこでも同じです。
中3の力の分解で、重力を2つに分けた物です。図は、傾き約37°で、重力を5目もりにしたときの分力です。平行な分力は3目もり、垂直な分力は4目もりです。垂直な分力は垂直抗力とつり合っているので、台車は斜面にめりこみません。
ばねばかりで確かめる:台車をばねばかりで斜面に平行に引いて止めます。台車の重さ(重力)が 1.0N なら、上の図の5目もりが 1.0N なので、1目もりは 0.2N、平行な分力(3目もり)は 0.6N です。ばねばかりの値は、どの位置でも 0.6N です。
理由:止めているとき、ばねばかりの引く力と斜面に平行な分力はつり合っているので、ばねばかりの値=斜面に平行な分力です。だから、同じ斜面なら分力の大きさはどこでも同じで、台車が動いていても変わりません。
分力の作図:
- 作用点から、重力の矢印をかく
- 作用点から、斜面に平行な線と垂直な線を引く
- 重力の矢印の先から、2本の線に平行な破線を引く(重力が、平行四辺形の対角線になるため)
- 作用点から、破線との交点まで、分力の矢印をかく
まちがえやすい
✕ 斜面に平行な分力は、台車が下へ進むほど大きくなる → ◯ 同じ斜面ならどこでも同じ
標準重力が 2.0N の台車を、傾き約37°の斜面に置きます(重力を5目もりとすると、平行な分力は3目もり、垂直な分力は4目もりです)。斜面に平行な分力と、斜面が台車を押す垂直抗力は、それぞれ何Nですか。
1目もり:2.0÷5=0.4(N)
平行な分力(3目もり):0.4×3=1.2(N)
垂直な分力(4目もり):0.4×4=1.6(N)。垂直抗力はこれとつり合っているので同じ大きさです。
答え:平行な分力 1.2N、垂直抗力 1.6N
基本斜面の上で、台車がゆっくり下へ動いているとき、斜面に平行な分力の大きさは、止まっているときと比べてどうなりますか。
同じ斜面なら、分力の大きさはどこでも同じで、台車が動いていても変わりません。
答え:変わらない(同じ)
斜面を下る台車の速さは、傾きでどう変わる? 自由落下と合力
📄 プリント① 10・11ページ
答え:斜面を下る台車には、斜面に平行な分力が一定の大きさではたらき続けるので、速さは一定の割合で増えます。斜面の傾きが大きいほど平行な分力が大きく、速さの増え方も大きくなります。傾き90°は、重力だけで真下に落ちる自由落下です。
実験:1秒間に50回打つタイマーで記録し、0.1秒ごとに切ったテープの長さは 0.8・2.4・4.0・5.6cm でした。1.6cm ずつ長くなるので、速さは 16cm/s ずつ増えています。
グラフ:速さ−時間のグラフは原点を通る右上がりの直線、移動距離−時間のグラフはだんだん急になる曲線です(数学の y=ax² の x≧0 の部分と同じ形)。
下りたあと・上るとき:斜面を下りきって、摩擦のない水平面に出た台車は、運動の向きに力がはたらかないので、そのときの速さで等速直線運動をします。斜面を上る台車は、斜面に平行な分力が運動と反対向きにはたらき続けるので、だんだん遅くなり、いったん止まってから下り始めます。
斜面の途中で台車を下向きに押し出したら、はじめから速さがあるので、速さ−時間のグラフは縦じくの 0 より上から始まる右上がりの直線になります。そのあとは、一定の割合で速くなります。
傾きを変えると:同じ重力5目もりで、傾きが約37°なら平行な分力は3目もり(速さの増え方は小さい)、約53°なら4目もり(大きい)、90°なら5目もり(重力と同じ。いちばん大きい)です。
自由落下は、静止していた物体が、重力だけを受けて真下に落ちる運動です。落ちるボールを一定の時間ごとに写すと、落ちた距離は 0・1・4・9… と増え、点の間は 1・3・5・7… と広がります。速さが一定の割合で増えているのです。摩擦や空気の抵抗を考えないとき、同じ斜面なら、台車を重くしても速さの増え方は変わりません(重力は大きくなるが、そのぶん動かしにくくなる)。空気の無い所では、重い物も軽い物も同時に落ちます。
斜面の台車を、糸で斜面の上のほうへ引くと?台車には、斜面に平行な分力(下向き)と、糸の力(上向き)がはたらきます。2つを合わせた合力で考えます(台車は止まっているか、斜面を上向きに動いているとします)。
| 糸の力と分力 | 合力 | 運動 |
|---|---|---|
| 糸の力 = 分力 | 0(つり合い) | 静止し続ける、または等速直線運動 |
| 糸の力 > 分力 | 上向きに一定 | 上向きに一定の割合で速くなる |
| 糸の力 < 分力 | 下向きに一定 | 上向きに動いていれば、だんだん遅くなる |
まちがえやすい
✕ 斜面を下りきって水平面に出ると、すぐに遅くなって止まる → ◯ 摩擦が無ければ、その速さで等速直線運動を続ける
✕ 台車を重くすると、斜面を下る速さの増え方が大きくなる → ◯ 変わらない
標準斜面を下る台車を、1秒間に50回打つタイマーで記録しました。0.1秒ごとのテープの長さは 0.6・1.8・3.0・4.2cm でした。速さが何cm/sずつ増えているかと、3本目の速さを求めなさい。
テープは 1.8−0.6=1.2cm ずつ長くなっています。1.2÷0.1=12(cm/s)ずつ増えます。
3本目の速さ:3.0÷0.1=30(cm/s)(6・18・30・42cm/s と12ずつ増えています)
答え:12cm/sずつ増える、3本目は 30cm/s
基本斜面を下りきった台車が、摩擦のない水平面を 40cm/s で進みます。3秒間に進む距離は何cmですか。
水平面では運動の向きに力がはたらかないので、等速直線運動です。
40×3=120(cm)
答え:120cm
発展斜面に平行な分力が 0.6N の台車を、斜面の上のほうへ向けて糸で 0.9N の力で引いています(台車は斜面を上向きに動いています)。合力の大きさと向き、台車の運動を答えなさい。
糸の力(上向き)0.9N と、分力(下向き)0.6N の差:0.9−0.6=0.3(N)。糸の力のほうが大きいので、合力は上向きです。
答え:上向きに 0.3N。上向きに一定の割合で速くなる
作用・反作用の法則と、つり合いとのちがい
📄 プリント① 12ページ
答え:物体Aが物体Bに力を加えると、同時にBもAに力を加えます。この2力は同じ大きさで、一直線上にあり、向きが反対です(作用・反作用の法則)。つり合いは「1つの物体にはたらく2力」、作用・反作用は「2つの物体に1つずつはたらく力」です。
ローラースケートをはいた2人の一方が、もう一方を押すと、2人とも反対向きに動きます。押した人も、押し返されるのです。図の2本の矢印は、見やすいように少しずらしてかいています(実際は一直線上)。一方を作用、もう一方を反作用といいます。
| 力がはたらく物体 | 大きさ | 向き | 一直線上 | |
|---|---|---|---|---|
| つり合い | 1つの物体に2力 | 同じ | 反対 | 同じ |
| 作用・反作用 | 2つの物体に1つずつ | 同じ | 反対 | 同じ |
机の上の本で見分ける:
- その力を「何が何を」押す・引く力か、言葉にする(力の主語と相手が分からないと、見分けられないため)
- 主語と相手が入れかわった組 → 作用・反作用
- 同じ1つの物体にはたらく2力 → つり合い
重力と、机が本を押す力(垂直抗力)は、どちらも本にはたらくのでつり合いです。本が机を押す力と、机が本を押す力は、主語と相手が入れかわるので作用・反作用です。
| 場面 | 作用 | 反作用 | 起こること |
|---|---|---|---|
| 壁を手で押す | 手が壁を押す力 | 壁が手を押し返す力 | 体が後ろへ動く |
| ロケット | ロケットがガスを後ろへ押す力 | ガスがロケットを前へ押す力 | ロケットが前へ進む |
まちがえやすい
✕ 本にはたらく重力と垂直抗力は、作用・反作用 → ◯ どちらも本にはたらくので、つり合い
✕ 押した方の力が、押し返される力より大きい → ◯ 同じ大きさ
基本ローラースケートをはいたAさんが、Bさんを 30N の力で押しました。BさんがAさんを押し返す力の大きさと向きを答えなさい。
作用・反作用は、大きさが同じで、向きが反対です。
答え:30N、AさんがBさんを押した向きと反対の向き
標準机の上に本が置いてあります。「本が机を押す力」と作用・反作用の関係にある力と、「本にはたらく重力」とつり合っている力を、それぞれ答えなさい。
「本が机を押す力」は、主語と相手を入れかえた「机が本を押す力(垂直抗力)」と作用・反作用です。
「本にはたらく重力」とは、同じ本にはたらく垂直抗力がつり合っています。
答え:作用・反作用の相手=机が本を押す力(垂直抗力)、重力とつり合う力=垂直抗力
理由作用・反作用の2力は、同じ大きさなのに、つり合いにならないのはなぜですか。
「別々の物体」にはたらくことを入れて書きます。
答え:2力は別々の2つの物体にはたらいていて、1つの物体にはたらく力ではないから。
理科の「仕事」の式と、仕事が 0J になる場合
📄 プリント② 2・3ページ
答え:理科の仕事は、仕事(J)=力の大きさ(N)×力の向きに動いた距離(m)で求めます。単位はジュール(J)で、1J は 1N の力で、力の向きに 1m 動かしたときの仕事です。力を加えても物体が動かないとき、力の向きと動いた向きが垂直なときは、仕事は 0J です。
理由:ふだん「仕事」というと、勉強や手伝いなど、何かをがんばることを指します。理科の仕事はちがいます。重い物ほど、遠くまで動かすほど、物を動かすのは大変です。この大変さを、力の大きさと動かした距離で数えたものが、理科の仕事です。
| 20N×1.5m | 机を 20N の力で押して、力の向きに 1.5m 動かした |
| =30J | 仕事=力×距離 |
| 答え:30J |
式を変えると、力の大きさ=仕事÷距離、距離=仕事÷力の大きさです。
| 場面 | 力の向き | 動いた向き | 仕事 |
|---|---|---|---|
| 箱を持ち上げる | 上 | 上 | 仕事をした |
| 壁を押す | 押す向き | 動かない | 0J |
| 箱を持って水平に歩く | 上 | 水平(力と垂直) | 0J |
持ち上げる仕事と、引きずる仕事:物体をゆっくり(一定の速さで)持ち上げているとき、物体にはたらく力はつり合っています。だから、手が引く力は、物体にはたらく重力と同じ大きさです。
- 重力に逆らってする仕事 = 物体の重さ(N) × 持ち上げた高さ(m)
- 摩擦力に逆らってする仕事 = 摩擦力(N) × 動いた距離(m)(床の上の物体を一定の速さで引くとき、引く力=ばねばかりの値は摩擦力と同じ)
g を N に直してから、かける:100g の物体にはたらく重力の大きさを 1N とします。500g の物体を 2m 持ち上げる仕事は、500÷100=5N、5N×2m=10J です。2kg の物体を 0.3m 持ち上げる仕事は、2kg=2000g → 20N なので、20N×0.3m=6J です。高さが cm のときは、m に直してからかけます(30cm=0.3m)。
まちがえやすい
✕ 重い荷物を持って立っているだけでも、仕事をしている → ◯ 動いていないので 0J
✕ 500g の物体を 2m 持ち上げる仕事は 500×2=1000J → ◯ 500g → 5N にして 5×2=10J
基本40N の力で台車を、力の向きに 2.5m 動かしました。仕事は何Jですか。また、18J の仕事で物体を 3m 動かしたとき、加えた力の大きさは何Nですか。
仕事=力×距離 なので、40×2.5=100(J)
力の大きさ=仕事÷距離 なので、18÷3=6(N)
答え:100J、6N
標準100g の物体にはたらく重力を 1N として、3kg の物体を 40cm の高さまでゆっくり持ち上げる仕事は何Jですか。また、摩擦力が 5N の床で、物体を 6m 引く仕事は何Jですか。
3kg=3000g → 3000÷100=30(N)。40cm=0.4m。
30×0.4=12(J)
摩擦力に逆らう仕事:5×6=30(J)
答え:12J、30J
基本次のうち、物体にした仕事が 0J であるものをすべて選びなさい。ア 重い荷物を持って、立ち止まっている イ 荷物を持って、水平な廊下を歩く ウ 荷物を 1m 持ち上げる
アは動かない、イは力の向き(上)と動いた向き(水平)が垂直なので、どちらも 0J です。ウは力の向きに動いているので仕事をしています。
答え:ア、イ
滑車や斜面を使うと、力と距離はどう変わる? 仕事の原理
📄 プリント② 4・5ページ
答え:道具を使っても使わなくても、仕事の大きさは変わりません(仕事の原理)。動滑車を使うと、ひもを引く力は半分になりますが、ひもを引く距離は2倍になります。斜面やてこも、力は小さくてすみますが、動かす距離は長くなります。
滑車やひもの重さ、摩擦は考えないとして、20N の物体を 0.5m 持ち上げる場合をくらべます。
| 滑車 | ようす | ひもを引く力 | ひもを引く距離 | 仕事 |
|---|---|---|---|---|
| 直接持ち上げる | ― | 20N | 0.5m | 10J |
| 定滑車 | 天井に固定。力の向きを変えるだけ | 20N(そのまま) | 0.5m(そのまま) | 10J |
| 動滑車 | 物体といっしょに動く。2本のひもで支える | 10N(半分) | 1m(2倍) | 10J |
理由:動滑車は2本のひもで物体を支えるので、1本が支える力は半分です。そのかわり、物体を 0.5m 上げるには、2本ぶんのひもを引くので、ひもを引く距離は 1m(2倍)になります。力が半分・距離が2倍なので、仕事(力×距離)は直接持ち上げるときと同じ 10J です。
動滑車で、一定の速さで持ち上げるとき:ひもを引く距離は、いつもおもりの上がった高さの2倍です。時間と高さ、時間とひもを引いた距離のグラフは、どちらも原点を通る直線で、ひもの直線は高さの2倍の傾きになります。
斜面で引き上げる力は、仕事の原理で求める:重さ 30N の物体を、長さ 2m・高さ 1m の斜面にそって引き上げます(摩擦は考えません)。
| 30×1=30(J) | 真上に持ち上げる仕事。仕事の原理で、斜面を使っても同じ |
| 30÷2=15(N) | 仕事=引く力×斜面の長さ だから、仕事を斜面の長さでわる |
| 答え:引く力は 15N |
同じ高さ 1m まで、斜面の長さを 3m にすると、30÷3=10N です。斜面が長いほど力は小さくてすみますが、仕事は同じです。
| 力の大きさ | 動かす距離 | 仕事 | |
|---|---|---|---|
| 定滑車 | そのまま | そのまま | 変わらない |
| 動滑車 | 半分 | 2倍 | 変わらない |
| 斜面・てこ | 小さくなる | 長くなる | 変わらない |
道具には、力が小さくてすむ、力の向きを変えられるという利点があります。
まちがえやすい
✕ 動滑車を使うと、仕事も半分になる → ◯ 力は半分・距離は2倍で、仕事は同じ
✕ 斜面を使うと、仕事が小さくなる → ◯ 力は小さいが、斜面の長さだけ動かすので仕事は同じ
標準滑車やひもの重さ、摩擦は考えないものとして、60N の物体を動滑車で 0.5m 持ち上げます。ひもを引く力、ひもを引く距離、ひもを引く仕事を求めなさい。また、動滑車を使わずに直接持ち上げる仕事とくらべなさい。
ひもを引く力は半分:60÷2=30(N)。ひもを引く距離は2倍:0.5×2=1(m)。
ひもを引く仕事:30×1=30(J)
直接持ち上げる仕事:60×0.5=30(J)。同じです。
答え:引く力 30N、引く距離 1m、仕事 30J(直接持ち上げる仕事と同じ)
標準摩擦は考えないものとして、重さ 40N の物体を、長さ 4m・高さ 1m の斜面にそって引き上げます。引く力は何Nですか。同じ高さのまま斜面の長さを 5m にすると、引く力は何Nになりますか。
真上に持ち上げる仕事:40×1=40(J)。斜面を使っても仕事は同じです。
斜面の長さ 4m:40÷4=10(N)。斜面の長さ 5m:40÷5=8(N)。
答え:10N、8N(斜面が長いほど小さな力ですむ。仕事はどちらも 40J)
発展動滑車で、おもりを 1秒間に 3cm ずつ一定の速さで持ち上げます。4秒間で、おもりの上がった高さと、ひもを引いた距離は何cmですか。
おもりの高さ:3×4=12(cm)
ひもを引いた距離は高さの2倍:12×2=24(cm)
答え:おもりの高さ 12cm、ひもを引いた距離 24cm
仕事の速さ(仕事率)は、どう表す?
📄 プリント② 6ページ
答え:仕事の速さは、1秒あたりの仕事で表し、仕事率といいます。仕事率(W)=仕事(J)÷仕事にかかった時間(s)で、単位はワット(W)です。1W は 1秒間に 1J の仕事をすることです(中2の電力の W と同じ単位)。
理由:同じ荷物を、階段で運ぶ人とエレベーターで運ぶ機械では、荷物を同じ高さまで持ち上げる仕事は同じです。でも、かかる時間がちがいます。だから、仕事をかかった時間でわって、くらべます。
例:60J の仕事を 20秒でしたとき、仕事率は 60÷20=3W です。式を変えると、仕事=仕事率×時間、時間=仕事÷仕事率です(8W なら、1秒間に 8J の仕事をします)。
仕事が大きい人が、仕事率も大きい?
| 力 | 動かした距離 | 仕事 | 時間 | 仕事率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| Aさん | 40N | 0.5m | 40×0.5=20J | 4秒 | 20÷4=5W |
| Bさん | 25N | 1.2m | 25×1.2=30J | 12秒 | 30÷12=2.5W |
仕事が大きいのはBさん(30J)ですが、仕事率が大きいのはAさん(5W)です。道具を使っても仕事は変わりませんが、仕事率は、かかった時間で決まります。
まちがえやすい
✕ 仕事が大きいほど、仕事率も大きい → ◯ かかった時間でわってくらべる
基本90J の仕事を 30秒でしました。仕事率は何Wですか。また、12W の仕事率で 5秒間仕事をすると、仕事は何Jですか。
仕事率=仕事÷時間 なので、90÷30=3(W)
仕事=仕事率×時間 なので、12×5=60(J)
答え:3W、60J
標準100g の物体にはたらく重力を 1N として、2kg の物体を 3m の高さまで一定の速さで持ち上げるのに、10秒かかりました。仕事率は何Wですか。
2kg=2000g → 20N。仕事:20×3=60(J)
仕事率:60÷10=6(W)
答え:6W
発展Aさんは 25N の力で物体を 2m 動かすのに 5秒、Bさんは 40N の力で物体を 2m 動かすのに 20秒かかりました。仕事が大きいのはどちらですか。仕事率が大きいのはどちらですか。
Aさん:仕事 25×2=50(J)、仕事率 50÷5=10(W)
Bさん:仕事 40×2=80(J)、仕事率 80÷20=4(W)
答え:仕事が大きいのはBさん(80J)、仕事率が大きいのはAさん(10W)
位置エネルギーと運動エネルギーは、何で大きさが決まる?
📄 プリント② 7・8ページ
答え:エネルギーは、ほかの物体に仕事をする能力で、単位は仕事と同じジュール(J)です。高い所にある物体がもつ位置エネルギーは、基準面からの高さと質量が大きいほど大きくなります。運動している物体がもつ運動エネルギーは、速さと質量が大きいほど大きくなります。
高い所から落ちた物は、仕事をする:ハンマーでくいを打つとき、高く持ち上げたハンマーを落とすと、くいを地面に打ちこめます。仕事をすることができる状態にある物体は、「エネルギーをもっている」といいます。
実験:パイプの中のおもりを、決めた高さから落としてくいに当て、くいの動いた距離をものさしで測ります。おもりの高さと質量を変えて、くり返します。くいの動いた距離が大きいほど、おもりがした仕事が大きい(エネルギーが大きい)と考えます。
| おもりの高さ(cm) | 10 | 20 | 30 |
|---|---|---|---|
| 100g のおもり(くいの動いた距離 cm) | 1.0 | 2.0 | 3.0 |
| 200g のおもり(くいの動いた距離 cm) | 2.0 | 4.0 | 6.0 |
理由(結果の読み方):同じ質量なら、高さが2倍・3倍になると、くいの動いた距離も2倍・3倍です(高さに比例)。同じ高さなら、質量が2倍になると、動いた距離も2倍です(質量に比例)。高さは、決めた基準面(高さ 0 とする面。地面にすることが多い)から測ります。基準面をどこにするかで、位置エネルギーの値は変わります。
運動エネルギー:斜面の決めた高さから小球を転がし、水平面の木片に当てて、木片の動いた距離を測ります。止まっている物体の運動エネルギーは 0 です。
| 小球をはなす高さ(cm) | 10 | 20 | 30 |
|---|---|---|---|
| 20g の小球(木片の動いた距離 cm) | 3 | 6 | 9 |
| 40g の小球(木片の動いた距離 cm) | 6 | 12 | 18 |
はなす高さが高いほど、当たる直前の速さが大きくなります。同じ質量なら速さが大きいほど、同じ速さなら質量が大きいほど、木片は遠くまで動きます。表では、木片の動いた距離は、はなす高さに比例し、小球の質量にも比例しています(教科書の実験は、木片のかわりにくいに当てますが、考え方は同じです)。
| 大きさに関係する量 | |
|---|---|
| 位置エネルギー | 基準面からの高さ・物体の質量 |
| 運動エネルギー | 物体の速さ・物体の質量 |
くいを深く打ちこむには、質量の大きいハンマーを、速く振り下ろします。
まちがえやすい
✕ 同じ高さなら、軽い物も重い物も位置エネルギーは同じ → ◯ 質量が大きいほど大きい
✕ 止まっている物体も運動エネルギーをもつ → ◯ 止まっていれば 0
標準おもりを落としてくいを打つ実験で、100g のおもりを 15cm の高さから落とすと、くいは 1.5cm 動きました。同じ 100g のおもりを 45cm の高さから落とすと、くいは何cm動きますか。また、300g のおもりを 15cm の高さから落とすと、何cm動きますか。
くいの動いた距離は高さに比例します。高さが 45÷15=3倍なので、1.5×3=4.5(cm)
くいの動いた距離は質量にも比例します。質量が 300÷100=3倍なので、1.5×3=4.5(cm)
答え:どちらも 4.5cm
標準20g の小球を 20cm の高さから転がすと、木片は 5cm 動きました。同じ小球を 60cm の高さから転がすと、木片は何cm動きますか。また、40g の小球を 20cm の高さから転がすと、何cm動きますか。
高さが 60÷20=3倍なので、5×3=15(cm)
質量が 40÷20=2倍なので、5×2=10(cm)
答え:15cm、10cm
基本運動エネルギーの大きさを決める量を、2つ答えなさい。
位置エネルギーは「高さと質量」、運動エネルギーは「速さと質量」です。
答え:物体の速さ、物体の質量
位置エネルギーと運動エネルギーの移り変わり:力学的エネルギーの保存
📄 プリント② 9・10ページ
答え:力学的エネルギー=位置エネルギー+運動エネルギーです。摩擦や空気の抵抗がないとき、位置エネルギーが減ったぶん運動エネルギーが増え、力学的エネルギーはいつも一定に保たれます(力学的エネルギーの保存)。摩擦や空気の抵抗があると、一部が熱や音に変わって、しだいに減ります。
| 小球の動き | 位置エネルギー | 運動エネルギー | 速さ |
|---|---|---|---|
| 斜面を転がり下りる | 減る | 増える | 大きくなる |
| 水平面を進む | 変わらない | 変わらない | 一定 |
| 斜面を上る | 増える | 減る | 小さくなる |
| A | D | B | C | |
|---|---|---|---|---|
| 位置エネルギー | 10 | 4 | 0 | 10 |
| 運動エネルギー | 0 | 6 | 10 | 0 |
| 合計 | 10 | 10 | 10 | 10 |
A・C は一瞬止まるので運動エネルギーは 0 です。位置エネルギーが減ったぶん運動エネルギーが増え、合計はいつも 10 です。
同じ高さまで上がる:摩擦や空気の抵抗がなければ、傾きのちがう斜面でも、振り子のひもの途中にくぎがあっても、はなした高さと同じ高さまで上がります。同じ高さからはなせば、斜面の傾きがちがっても、下の同じ高さの所での速さは同じです(位置エネルギーの減り方が同じだから)。
グラフ:摩擦や空気の抵抗がないとき、力学的エネルギーは時間がたっても変わりません。力学的エネルギーと時間のグラフは、横じくに平行な直線になります。質量が大きい小球を同じ高さからはなすと、位置エネルギー(力学的エネルギー)が大きいので、木片をより遠くまで動かします。
保存されない場合:摩擦や空気の抵抗があると、力学的エネルギーの一部が熱や音などに変わるので、力学的エネルギーはしだいに減ります。そのため、振り子はやがて止まり、はなした高さまで上がらなくなります。ジェットコースターのあとの山が、はじめの山より低く作られているのも、このためです。
まちがえやすい
✕ 振り子のいちばん高い所(A・C)では、エネルギーが 0 → ◯ 運動エネルギーは 0 だが、位置エネルギーは最大
✕ 振り子のひもの途中にくぎを打つと、おもりの上がる高さは低くなる → ◯ はなした高さと同じ
✕ 同じ高さからはなしても、急な斜面のほうが、下での速さが大きい → ◯ 同じ
標準摩擦のないレールの最高点で、小球の位置エネルギーは 12J、運動エネルギーは 0J でした。位置エネルギーが 5J の点での運動エネルギーと、いちばん低い点(位置エネルギー 0J)での運動エネルギーを求めなさい。
力学的エネルギーは、いつも 12J + 0J=12J で一定です。
位置エネルギー 5J の点:12−5=7(J)
いちばん低い点:12−0=12(J)
答え:7J、12J
基本摩擦のない、左右対称のレールの高さ 30cm の点から、小球を静かにはなしました。反対側では、何cmの高さまで上がりますか。
摩擦や空気の抵抗がなければ、はなした高さと同じ高さまで上がります。
答え:30cm
理由実際の振り子は、しだいに振れる高さが低くなり、やがて止まります。それはなぜですか。
「摩擦や空気の抵抗」と「熱や音に変わる」を入れて書きます。
答え:摩擦や空気の抵抗があり、力学的エネルギーの一部が熱や音などに変わって減っていくから。
エネルギーの種類と、別の種類への変換
📄 プリント③ 2・3ページ
答え:エネルギーには、力学的・電気・熱・光・音・化学・弾性・核の8つの種類があり、単位はどれもジュール(J)です。エネルギーが別の種類のエネルギーに移り変わることをエネルギーの変換といいます。
理由(エネルギーとは):エネルギーは、ほかの物体に仕事をしたり、温度を上げたり、光らせたりできる能力です。太陽の光だけで飛ぶ飛行機(ソーラープレーン)は、翼の上にならんだ光電池が光を電気に変え、その電気でモーターを回してプロペラを動かします。光 → 電気 → 運動と、エネルギーが移り変わって飛びます。
| 種類 | どんなエネルギーか | 身近な例 |
|---|---|---|
| 力学的エネルギー | 位置+運動エネルギー | 高い所の物・動く物 |
| 電気エネルギー | 電気がもつ | 電灯・モーター |
| 熱エネルギー | 温度を上げる・とかす | ストーブ |
| 光エネルギー | 光がもつ | 太陽の光・光電池 |
| 音エネルギー | 音(空気の振動)がもつ | 窓ガラスがふるえる |
| 化学エネルギー | 化学変化で取り出せる | ガソリン・電池・食べ物 |
| 弾性エネルギー | 変形がもとにもどろうとする | ばね・ゴム・弓 |
| 核エネルギー | 原子核がもつ | ウランなどの核燃料 |
音も、窓ガラスをふるわせる(仕事をする)ので、エネルギーをもちます。電池がもつのは、化学変化で電気を取り出すので化学エネルギーです。中2で学んだ電力量(電気エネルギーの量)の単位も J です。
手回し発電機でためす:手回し発電機のハンドルを回すと、中のモーターと同じつくりの発電機が回って電流が流れます(中2の電磁誘導)。2台を導線でつなぎ、片方を回すと、もう片方も回ります(運動 → 電気 → 運動)。ただし、回される側の回転は、回した側よりゆっくりです。一部が熱や音に変わるからです。手回し発電機に豆電球などをつなぐと、つないだ物によって、光・音・運動・熱が得られます。
| つないだ物 | 豆電球 | 電子オルゴール | モーター | 電熱線 |
|---|---|---|---|---|
| 得られたもの | 光 | 音 | 運動 | 熱 |
| 器具・場面 | もと | 変わった後 |
|---|---|---|
| 電灯・LED | 電気 | 光(と熱) |
| 電熱線・アイロン | 電気 | 熱 |
| モーター・扇風機 | 電気 | 運動 |
| スピーカー | 電気 | 音 |
| 充電 | 電気 | 化学 |
| 手回し発電機 | 運動 | 電気 |
| 光電池(太陽電池) | 光 | 電気 |
| 乾電池 | 化学 | 電気 |
| マイク | 音 | 電気 |
| ガスコンロ | 化学 | 熱・光 |
自動車のエンジンは、ガソリンの化学エネルギーが、燃えて熱エネルギーになり、車を走らせる運動エネルギーに変わります(化学 → 熱 → 運動。2回移り変わる)。風で回る風車は運動エネルギーをもつので、発電機をつなぐと運動 → 電気になります。
まちがえやすい
✕ 電池は電気エネルギーをためている → ◯ 化学エネルギーをもち、化学変化で電気エネルギーに変えて取り出す
✕ 音はエネルギーをもたない → ◯ 窓ガラスをふるわせる(仕事をする)ので、音もエネルギーをもつ
✕ 発電機は、何もない所から電気エネルギーをつくり出す → ◯ 運動エネルギーを電気エネルギーに変えているだけ
基本乾電池につないだ豆電球が光っています。エネルギーは、何から何へ移り変わっていますか。
乾電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変え、豆電球は電気エネルギーを光(と熱)に変えます。
答え:化学 → 電気 → 光(と熱)
標準ガソリンで走る自動車のエンジンで、エネルギーはどのように移り変わりますか。また、風車に発電機をつないだとき、エネルギーはどう移り変わりますか。
エンジン:ガソリンの化学エネルギーが、燃えて熱エネルギーになり、車を走らせる運動エネルギーに変わります。
風車:風で回る風車は運動エネルギーをもち、発電機をつなぐと電気エネルギーに変わります。
答え:化学 → 熱 → 運動、運動 → 電気
基本次のエネルギーの名前を答えなさい。(1) ばねや弓の、もとにもどろうとする力がもつエネルギー (2) ウランなどの核燃料がもつエネルギー
上の表で、変形がもとにもどろうとするものが弾性エネルギー、原子核がもつものが核エネルギーです。
答え:(1) 弾性エネルギー (2) 核エネルギー
移り変わるとき、エネルギーは減る? 変換効率とエネルギー保存の法則
📄 プリント③ 4ページ
答え:エネルギーが移り変わるとき、全部が目的のエネルギーになるわけではありません。もとのエネルギーのうち、目的のエネルギーに変わった割合を変換効率といい、変換効率(%)=目的のエネルギー(J)÷もとのエネルギー(J)×100で求めます。残りは目的以外のエネルギー(おもに熱)に変わっただけで、全部を合わせた総量は変わりません(エネルギー保存の法則)。
理由:モーターでおもりを持ち上げると、モーターが熱くなり、音も出ます。使った電気エネルギーの全部が、持ち上げる仕事になるわけではないからです。
| 3.0×0.40×5.0=6.0(J) | もとのエネルギー=電力量=電圧×電流×時間 |
| 300g→3N、3×0.50=1.5(J) | 目的のエネルギー=仕事=力×距離 |
| 1.5÷6.0×100=25(%) | 変換効率 |
| 答え:変換効率 25% |
100g の物体にはたらく重力の大きさを 1N とすると、300g は 3N です。電流が mA で示されたときは A に直します(250mA=0.25A)。割り切れないときは「小数第1位を四捨五入して整数で」答えます。もとのエネルギーや仕事を求めるときも、この式に分かっている数を入れて解きます。
まちがえやすい
✕ 変換効率が低い装置では、エネルギーの一部が消えてなくなる → ◯ 目的以外のエネルギー(おもに熱)に変わっただけで、総量は変わらない
標準モーターに 5.0V の電圧で 0.20A の電流を 10秒間流し、200g のおもりを 0.30m 持ち上げました(100g の物体にはたらく重力を 1N とします)。変換効率は何%ですか。
もとのエネルギー:5.0×0.20×10=10(J)
目的のエネルギー(仕事):200g=2N、2×0.30=0.6(J)
変換効率:0.6÷10×100=6(%)
答え:6%
発展モーターに 4.0V の電圧で 250mA の電流を 8.0秒間流したところ、おもりを持ち上げる仕事は 0.9J でした。変換効率は何%ですか。小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。
250mA=0.25A。もとのエネルギー:4.0×0.25×8.0=8.0(J)
変換効率:0.9÷8.0×100=11.25(%)。小数第1位(2)を四捨五入して 11%。
答え:11%
標準ある電球に 20J の電気エネルギーを入れたところ、光エネルギーは 4J でした。変換効率は何%ですか。また、残りの 16J はどうなりましたか。
変換効率:4÷20×100=20(%)
残りの 20−4=16(J)は、目的以外のエネルギー(おもに熱)に変わっただけで、消えたわけではありません。
答え:20%、熱などに変わった
熱はどのように伝わる? 熱伝導・対流・熱放射
📄 プリント③ 5ページ
答え:熱の伝わり方は3つあります。ふれ合った物の中や間を伝わる熱伝導(伝導)、液体や気体が動いて運ぶ対流、はなれた物体に光や赤外線で伝わる熱放射(放射)です。熱は、温度の高い所から低い所へ移ります。
| 名前 | 伝わり方 | 何が動く? | 身近な例 |
|---|---|---|---|
| 熱伝導(伝導) | ふれ合った物体の中や間を、高温の部分から低温の部分へ熱が伝わる。金属は伝えやすく、木・空気は伝えにくい | 物は動かない | 金属のスプーンを熱い湯に入れると持つ所が熱くなる・フライパン |
| 対流 | あたためられた液体や気体が上へ動き、冷たい物が下へ動いて、全体に熱が運ばれる | 液体・気体が動く | なべの湯・ふろの湯の上のほうが熱い |
| 熱放射(放射) | 高温の物体が光や赤外線を出し、はなれた物体に熱が伝わる | 光や赤外線(間に物が無くても伝わる) | たき火・ストーブの前 |
暮らしの中の3つ:
- なべの取っ手が木やプラスチックなのはなぜ? → 熱を伝えにくい物を使うと、熱伝導で取っ手が熱くなりにくいからです。
- エアコンの暖房の風は、下向きにするとよいのはなぜ? → あたたかい空気は上へ動くので、下から出すと対流で部屋全体があたたまります。
- 太陽の熱は、どうやって地球に届く? → 空気の無い宇宙を通って届きます。間に物が無くても伝わる熱放射です。
まちがえやすい
✕ 熱放射は、空気が無いと伝わらない → ◯ 間に物が無くても伝わる(太陽の熱)
基本次の3つの場面は、熱伝導・対流・熱放射のどれですか。(1) ストーブの前に立つと、顔があたたかい (2) ふろの湯は、上のほうが熱い (3) 熱い湯に入れた金属のスプーンの、持つ所が熱くなる
(1) はなれた物体に熱が伝わるので熱放射。(2) あたためられた湯が上へ動くので対流。(3) ふれ合った金属の中を熱が伝わるので熱伝導です。
答え:(1) 熱放射 (2) 対流 (3) 熱伝導
理由エアコンの暖房の風を下向きにすると、部屋全体があたたまりやすいのはなぜですか。
「あたたかい空気は上へ動く」と「対流」を入れて書きます。
答え:あたたかい空気は上へ動くので、下から出すと、対流で部屋全体に熱が運ばれるから。
電気はどうやってつくる? 発電のしくみと長所・短所
📄 プリント③ 6・7ページ
答え:発電所では、タービン(羽根車)を回して、同じ軸の発電機を回し、電磁誘導で電流をつくります。タービンを回さない発電は太陽光発電だけで、光電池で光を直接電気エネルギーに変えます。発電方法ごとに、エネルギーの流れと、長所・短所があります。
← 横にずらすと続きが見えます →
理由:毎日使うエネルギーの多くは、化石燃料などから得て、電気エネルギーに変えて使っています。発電所では、中2で学んだ電磁誘導(コイルの中で磁石を動かすと電流が流れる)を使います。発電機とモーターは同じつくりです。
| 発電方法 | エネルギーの流れ | タービン |
|---|---|---|
| 火力発電 | 化学 → 熱 → 運動 → 電気 | 回す |
| 水力発電 | 位置 → 運動 → 電気 | 回す |
| 原子力発電 | 核 → 熱 → 運動 → 電気 | 回す |
| 地熱発電 | 熱 → 運動 → 電気 | 回す |
| 風力発電 | 運動 → 電気 | 回す |
| 太陽光発電 | 光 → 電気 | 回さない |
| バイオマス発電 | 化学 → 熱 → 運動 → 電気 | 回す |
火力は石油・石炭・天然ガス、原子力はウランなどの核燃料(核分裂で熱が生じる)、地熱はマグマの熱、バイオマスは木くず・生ごみなどを使います。水力発電は、ダムにためた水が高い所にあるので位置エネルギーをもち、落ちると運動エネルギーになって水車を回します。発電のときに二酸化炭素を出しません。
| 発電方法 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|
| 火力 | 発電量(出力)を調整しやすく、安定して発電できる | 化石燃料に限りがある・二酸化炭素を出す量が多い・燃料の多くを輸入 |
| 水力 | 二酸化炭素を出さない・くり返し使える | ダムをつくれる場所が限られる・ダムで川や周りの自然が変わる |
| 原子力 | 発電のとき二酸化炭素を出さない・少量の燃料で大きなエネルギーを取り出せる | 放射性廃棄物の処理がむずかしい・事故のとき放射性物質が広がるおそれ |
| 地熱 | 天候や昼夜に関係なく発電できる・二酸化炭素をほとんど出さない | 火山の近くなど場所が限られる |
| 太陽光 | 燃料がいらない・二酸化炭素を出さない | 夜は発電できず、雨・くもりの日は発電量が減る・広い場所が要る |
| 風力 | 燃料がいらない・二酸化炭素を出さない | 風の強さで発電量が変わる・場所が限られる・騒音 |
化石燃料は石油・石炭・天然ガスで、大昔の生物の死がいが長い年月をかけて変化してできました。限りがあり、燃やすと二酸化炭素が出ます。再生可能エネルギーは、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなど、使ってもなくならず、くり返し利用できるエネルギーです。
| 化石燃料 | 再生可能 | |
|---|---|---|
| 資源 | 限りがある | くり返し使える |
| 二酸化炭素 | 燃やすと出る | 出さない物が多い |
| 天候 | 関係ない | 太陽光・風力は変わる |
エネルギー利用の課題には、資源がなくなること、地球温暖化、大気の汚れ、事故や放射性廃棄物(健康への影響)があります。天然ガスは化石燃料なので、再生可能エネルギーではありません。天候で変わる短所のおぎない方は、発電を組み合わせることと、余った電気を蓄電池にためておくことです。
まちがえやすい
✕ 原子力発電は、石油を燃やして発電する → ◯ ウランなどの核燃料の核エネルギーを使う
✕ 再生可能エネルギーなら、いつでも同じだけ発電できる → ◯ 太陽光・風力は天候で発電量が変わる
基本水力発電と火力発電で、エネルギーはそれぞれどのように移り変わりますか。
水力:ダムの水の位置エネルギーが、落ちて運動エネルギーになり、発電機で電気エネルギーになります。火力:燃料の化学エネルギーが、熱エネルギー、運動エネルギーを経て電気エネルギーになります。
答え:水力=位置 → 運動 → 電気、火力=化学 → 熱 → 運動 → 電気
標準次のうち、再生可能エネルギーを利用した発電をすべて選びなさい。ア 天然ガスを燃やす火力発電 イ 風力発電 ウ 石炭を燃やす火力発電 エ 地熱発電
天然ガスと石炭は化石燃料です。風力と地熱は、使ってもなくならず、くり返し利用できます。
答え:イ、エ
理由太陽光発電だけが、タービンを回さずに発電できるのはなぜですか。
「光電池」と「光を直接電気エネルギーに変える」を入れて書きます。
答え:光電池が、光エネルギーを直接電気エネルギーに変えるから。
放射線の種類と性質、利用と付き合い方
📄 プリント③ 8・9ページ
答え:放射線には、α線・β線・γ線・X線・中性子線などの種類があります。目に見えず、物質を通りぬける性質(透過力)と、原子から電子をはじき飛ばしてイオンにするはたらき(電離作用)があります。放射線を出す物質が放射性物質、放射線を出す能力が放射能です。受ける量は、はなれる・時間を短くする・さえぎるの3つで少なくします。
X線は、1895年にドイツのレントゲンが、真空放電の実験をしているときに発見しました。放射線は、原子力発電や医療などで使われています。
| 種類 | 止める物 |
|---|---|
| α線 | 紙1枚 |
| β線 | アルミニウムなどのうすい金属板 |
| γ線・X線 | 鉛や厚い鉄の板 |
| 中性子線 | 水やコンクリート |
理由:透過力が大きいほど、止めるのに厚い物が必要です。透過力はα線がいちばん小さく、X線はアルミニウムなどのうすい金属板を通りぬけます(鉛や厚い鉄の板で弱められる)。
放射性物質と放射能:懐中電灯が放射性物質、出てくる光が放射線、光を出す能力が放射能にあたります。
自然放射線と利用:私たちは、大地・宇宙・空気・食べ物からの放射線(自然放射線)を、ふだんから少しずつ受けています。放射線は、次のように役立てられています。
| 分野 | 利用の例 |
|---|---|
| 医療 | X線撮影(レントゲン写真)・がんの治療 |
| 農業 | ジャガイモの芽が出るのをおさえる・品種改良 |
| 工業 | 物をこわさずに中を調べる検査 |
X線は透過力が大きく、からだを通りぬけるので、骨などの形が写ります。放射線を大量に受けると、細胞や遺伝子が傷つきます。影響や強さは、次の単位で表します。
| シーベルト(Sv) | 人が受けた放射線の、からだへの影響の大きさを表す単位 |
|---|---|
| ベクレル(Bq) | 放射性物質が放射線を出す能力(放射能)の強さを表す単位 |
放射線は物質を通りぬけるので、放射線を出す物からはなれる・近くにいる時間を短くする・間にさえぎる物(鉛や厚い鉄の板など)を置く、の3つで、受ける量をできるだけ少なくします。
まちがえやすい
✕ 放射線と放射能は同じ意味 → ◯ 放射能は放射線を出す能力(放射線を出す物質は放射性物質)
✕ 放射線は、原子力発電所などの人工の物からしか出ない → ◯ 大地・宇宙・食べ物からの自然放射線もある
基本紙1枚で止められる放射線はどれですか。また、鉛や厚い鉄の板で弱められるのはどれですか。
上の表で、紙1枚で止まるのはα線、鉛や厚い鉄の板が必要なのはγ線とX線です。
答え:α線、γ線・X線
標準「放射線を出す能力」を何といいますか。また、放射線を出す物質を何といいますか。
放射線を出す能力が放射能、放射線を出す物質が放射性物質です。
答え:放射能、放射性物質
理由X線撮影で、骨の形が写るのはなぜですか。
「透過力が大きい」と「からだを通りぬける」を入れて書きます。
答え:X線は透過力が大きく、からだを通りぬけるから。
エネルギーを使い続けるには? 持続可能な社会とこれからの工夫
📄 プリント③ 10ページ
答え:将来の世代も、今と同じように資源やエネルギーを使えるように、資源を大切に使い、環境を守りながら発展する社会を持続可能な社会といいます。そのために、再生可能エネルギーをふやすことと、エネルギーをむだなく使うことが大切です。
理由:化石燃料には限りがあり、燃やすと二酸化炭素もふえます。だから、くり返し使えるものをふやし、使うエネルギーを減らす工夫が必要になります。
バイオマス:木くず・廃材・生ごみ・家畜のふん尿・下水の汚れなど、生物からできた資源をバイオマスといいます。バイオマス発電は燃やすと二酸化炭素が出ますが、もとの植物が育つときに大気中から吸収した分なので、大気中の二酸化炭素をふやさないと考えられています。バイオエタノールは、植物にふくまれるデンプンなどからつくる燃料で、自動車の燃料にすると、化学エネルギー → 運動エネルギーに変わります。
| コージェネレーションシステム | 発電のときに出る熱を、給湯や暖房にも使い、エネルギーをむだなく使う |
|---|---|
| 燃料電池 | 水素と酸素が反応して水ができるときに、化学エネルギーを電気エネルギーとして取り出す(化学 → 電気。出るのは水だけ) |
| 省エネルギー | LED照明・家の断熱など、使うエネルギーを減らす。LED電球は、同じ明るさで白熱電球より熱になる分が少なく、使う電気エネルギーが少ない(変換効率が高い) |
まちがえやすい
✕ バイオマス発電は、燃やすと二酸化炭素が出るので、大気中の二酸化炭素をふやす → ◯ もとの植物が育つときに吸収した分なので、ふやさないと考えられている
標準LED電球が、白熱電球より使う電気エネルギーが少なくてすむのはなぜですか。「熱」という語を使って書きなさい。
同じ明るさを出すとき、電気エネルギーのうち熱になる分をくらべます。
答え:同じ明るさで、熱になる分が白熱電球より少なく、変換効率が高いから。
基本発電のときに出る熱を、給湯や暖房にも使うしくみを何といいますか。また、水素と酸素が反応して水ができるときに電気エネルギーを取り出す装置を何といいますか。
熱も使ってエネルギーをむだなく使うのがコージェネレーションシステム、水素と酸素から電気を取り出すのが燃料電池です。
答え:コージェネレーションシステム、燃料電池
✅ 一問一答で総チェック(20問)
問題を読んで、答えを頭の中で言ってからタップしましょう。答えが出ます。
-
区間全体を同じ速さで動き続けたと考えた速さを何という?
答え:平均の速さ
-
ごく短い時間に移動した距離から求めた速さを何という?
答え:瞬間の速さ
-
記録タイマーが紙テープに打つ点を何という?
答え:打点
-
1秒間に50回打つ記録タイマーで、0.1秒になるのは打点の間がいくつ分?
答え:5つ
-
1秒間に50回打つタイマーの5打点の間ごとに切ったテープの長さ(cm)を、ある数でわると、その間の平均の速さ(cm/s)になる。わる数は?
答え:0.1
-
一直線上を一定の速さで進む運動を何という?
答え:等速直線運動
-
物体がそれまでの運動の状態を続けようとする性質を何という?
答え:慣性
-
斜面の上の台車を、斜面に沿って下へ動かす力を何という?
答え:斜面に平行な分力
-
静止していた物体が、重力だけを受けて真下に落ちる運動を何という?
答え:自由落下
-
物体Aが物体Bに力を加えると、同時にBもAに同じ大きさで反対向きの力を加える。この決まりを何という?
答え:作用・反作用の法則
-
力の大きさと、力の向きに動いた距離をかけて求める量を何という?
答え:仕事
-
道具を使っても使わなくても、仕事の大きさは変わらない。この決まりを何という?
答え:仕事の原理
-
仕事を、かかった時間でわって表す量を何という?
答え:仕事率
-
仕事率の単位は?
答え:ワット(W)
-
高い所にある物体がもっているエネルギーを何という?
答え:位置エネルギー
-
位置エネルギーと運動エネルギーの和を何という?
答え:力学的エネルギー
-
発電のとき、タービンを回さずに光を直接電気に変える発電方法は?
答え:太陽光発電
-
もとのエネルギーのうち、目的のエネルギーに変わった割合を何という?
答え:変換効率
-
熱の伝わり方のうち、あたためられた液体や気体が動いて熱を運ぶものを何という?
答え:対流
-
放射線を出す能力を何という?
答え:放射能
まとめ
運動は速さと向きで表し、速さは「移動距離÷時間」、記録タイマーでは0.1秒ごとのテープの長さを0.1でわって求めます。運動の向きに一定の力がはたらき続けると速さは一定の割合で増え、力がはたらかないと等速直線運動を続けます(慣性の法則)。作用・反作用は2つの物体の間の力、つり合いは1つの物体にはたらく力です。仕事は「力×力の向きに動いた距離」で、道具を使っても仕事は変わらず、仕事率は「仕事÷時間」で表します。位置エネルギーは高さと質量、運動エネルギーは速さと質量で決まり、摩擦などがなければ力学的エネルギーは保存されます。エネルギーは別の種類に移り変わり、そのとき総量は変わりません。発電・熱の伝わり方・放射線を知り、くり返し使えるエネルギーをふやしてむだなく使うことが、持続可能な社会につながります。プリントの確認問題で、計算と記述を手を動かして練習してみてください。
無料ダウンロード(登録不要)
説明 1〜12ページ/確認問題 13〜16ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 17・18ページ/答えと解説 19〜21ページ
説明 1〜10ページ/確認問題 11〜14ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 15・16ページ/答えと解説 17〜19ページ
▶ ③ エネルギーの移り変わりと資源 授業用プリント(全19ページ)
説明 1〜10ページ/確認問題 11〜14ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 15・16ページ/答えと解説 17〜19ページ

コメント