⏱ 30秒でわかる この単元の要点
- 全部を調べると売る物がなくなる・費用がかかりすぎる・調べられないときは、標本調査をする
- 母集団は知りたい集団全体、標本は取り出した一部。標本の大きさは取り出した個数
- 標本は無作為に抽出する。乱数表では、番号に無い数と前に出た番号をとばす
- 標本の平均値を母集団の平均値と考える。標本が大きいほど、平均値のばらつきは小さくなる傾向
- 母集団の数量=母集団の大きさ×標本での割合。印をつけた推定は比例式で求める
つまずき注意:標本の大きさを大きくしても、選び方のかたよりは消えない。標本調査の結果は「およその値」で、言いすぎない。
中3数学「標本調査」を、全数調査と標本調査のちがい、母集団と標本、標本の選び方、平均値と割合の推定の順に、例題で1つずつ確かめるページです。この単元は「一部を調べて、全体を推定する」が土台で、推定した値は母集団の本当の値ではなく「およそ」の値だと考えます。どの見出しも「答え → 例 → 理由 → 解き方」の順に書いています。紙に書いて練習したい人は、下の無料プリントを使ってください。
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説明 1〜10ページ/確認問題 11〜13ページ/答えと解説 14〜15ページ。この記事の見出しごとに、対応するプリントのページを書いています。
📘 教科書では何章? → 7社とも「8章」です
| 教科書 | 章 |
|---|---|
| 新編 新しい数学3東京書籍 | 8章 集団全体の傾向を推測しよう[標本調査]教科書 p.211〜223 |
| 数学の世界3大日本図書 | 8章 標本調査 |
| 中学校数学3学校図書 | 8章 標本調査 |
| 中学数学3教育出版 | 8章 標本調査 |
| 未来へひろがる数学3啓林館 | 8章 標本調査とデータの活用 |
| これからの数学3数研出版 | 8章 標本調査 |
| 中学数学3日本文教出版 | 8章 標本調査 |
各出版社が公開している年間指導計画(2025年度から使われている教科書)をもとにまとめました。ページは、公開されている東京書籍だけ載せています。使っている教科書は、表紙の書名で確かめてください。
全数調査と標本調査:全部を調べるか、一部を調べるか
📄 プリント1・2ページ
答え:集団のすべてを調べる調査を全数調査、集団の一部を調べて集団全体の傾向を推定する調査を標本調査といいます。全部を調べると時間や費用がかかりすぎる・売る物がなくなる・調べることができないときは、標本調査をします。
テレビの視聴率は、日本中の家庭の全部を調べているわけではありません。工場の缶詰の味の検査も、全部の缶を開けて食べているわけではありません。全部を調べると時間や費用がかかりすぎたり、売る物がなくなったりするので、一部だけを調べて、全体のようすを推し量ります。
| 中1・中2のデータの活用 | この単元 | |
|---|---|---|
| 調べるデータ | 手元にある全部のデータ | 全部は手に入らない。一部のデータ |
| すること | 平均値や箱ひげ図で、特徴を読む | 一部のデータから、全体の平均値や割合を推定する |
| 全数調査の例 | 標本調査の例 |
|---|---|
| 国勢調査(国に住むすべての人と世帯)、学校の健康診断(1人1人の結果が必要) | テレビの視聴率調査、新聞社などの世論調査、缶詰の品質検査 |
標本調査が行われるわけ:
| わけ | どんなとき | 例 |
|---|---|---|
| ア | 全部を調べると、時間や費用がかかりすぎる | 世論調査・視聴率調査 |
| イ | 全部を調べると、売る物がなくなる | 開けたり、こわれるまで使ったりする品質検査 |
| ウ | 全部を調べることが、できない | 海や川の魚の数 |
全数調査をするのは、1人1人(1つ1つ)の結果が必要なときなどです。例:電球工場での電球の寿命の検査は、こわれるまで使うので全部調べると売る電球がなくなり、標本調査(イ)です。あるクラスの出欠の確認は、1人1人が来ているかどうかが必要なので全数調査です。ある県の中学生の1日の睡眠時間は、人数が多く、全員に聞くと時間や費用がかかりすぎるので、標本調査(ア)です。
まちがえやすい
✕ 全数調査のほうが正確だから、どんな調査も全数調査にすればよい → ◯ 全部を調べると売る物がなくなる・時間や費用がかかりすぎる・調べられないときは、標本調査をする
基本次の調査は、全数調査と標本調査のどちらが適切ですか。標本調査なら、わけをア〜ウで答えなさい。(1) ボールペンが何m書けるかの検査 (2) 全校生徒の視力検査
(1) 書ききるまで使うと、売るボールペンがなくなるので、標本調査(イ)です。(2) 1人1人の結果が必要なので、全数調査です。
答え:(1) 標本調査(イ) (2) 全数調査
母集団と標本:調べたい集団と、取り出した一部
📄 プリント3ページ
答え:傾向を知りたい集団全体を母集団、母集団から取り出した一部分を標本といい、標本を取り出すことを抽出するといいます。標本にふくまれる個数(人数)が標本の大きさです。母集団は、調べた人数ではなく知りたい集団で決まります。
ある中学校の全校生徒480人(母集団)から40人(標本)を抽出して、1日の読書時間を調べるときの図です。標本で調べた結果から、母集団のようすを推定します。この場合の標本の大きさは40です。
| 場面 | 母集団 | 標本 | 標本の大きさ |
|---|---|---|---|
| ある工場で1日につくった電池8000個から50個を取り出して調べる | 1日につくった電池8000個 | 取り出した50個 | 50 |
| ある町の住民12000人から300人に、世論調査で質問する | ある町の住民12000人 | 質問した300人 | 300 |
知りたい集団で、母集団が決まる:同じように40人を選んで読書時間を調べても、知りたい集団がちがえば、母集団もちがいます。「この中学校の全校生徒480人の読書時間」を知りたいなら母集団は全校生徒480人、「この市の中学生4000人の読書時間」を知りたいなら母集団は市の中学生4000人で、標本はその中から選んだ40人です。
「推定する」とは:標本で調べた平均値や割合から、母集団の平均値や割合を「およそ」で考えることです。推定した値は、母集団の本当の値とぴったり同じとは限りません。標本を取り出し直すと、少し変わります。
まちがえやすい
✕ 標本の大きさを、母集団の人数(480)とする → ◯ 取り出した人数(40)
基本ある県の中学生8000人から200人を無作為に選び、1日のスマホを使う時間を調べました。母集団、標本、標本の大きさを答えなさい。
答え:母集団は県の中学生8000人、標本は選んだ200人、標本の大きさは200
無作為に抽出する:かたよりなく標本を選ぶ
📄 プリント4ページ
答え:母集団の中から、かたよりなく標本を取り出すことを無作為に抽出するといいます。母集団のどれもが、同じ確からしさで選ばれるようにします。かたよりの理由には、だれが選ばれやすいかと結果がどちらにずれるかの両方を書きます。
全校生徒480人の1日の家庭学習の時間を、40人の標本で調べるとき、選び方で結果は変わります。
| 選び方 | どうなるか | |
|---|---|---|
| ア | 放課後に図書室にいた40人 | 勉強や読書が好きな人が多く選ばれ、学習時間が長いほうにずれそう |
| イ | 3年生の1クラス40人 | 1年生・2年生が選ばれず、受験をひかえた3年生のようすだけになる |
| ウ | 運動部の部員から40人 | 運動部の人だけが選ばれ、ほかの人が選ばれない。練習で帰りがおそい人が多く、学習時間が短いほうにずれそう |
| エ | 全校生徒の名簿の番号から、くじで40人 | だれもが同じ確からしさで選ばれ、かたよらない |
かたよりの理由を説明する例:市の人の1日の通勤・通学時間を調べるのに、平日の朝8時に駅前を通った人に聞くと、なぜかたよるでしょうか。(例)電車やバスで遠くへ通う人が多く選ばれ、家の近くで働く人や家にいる人が選ばれにくい。そのため、結果が時間の長いほうにかたよる。
まちがえやすい
✕ 標本の大きさを大きくすれば、選び方にかたよりがあってもよい → ◯ 図書室にいた人を100人集めても、本をよく読む人にかたよる。大きくしても、かたよりは消えない
標準全校生徒の通学時間を調べるのに、朝のバス停に並んでいた40人に聞くことにしました。この選び方がよくない理由を説明しなさい。
答え:(例)バスで通う、家が遠い人が多く選ばれ、歩いて通う人は選ばれにくい。そのため、結果が通学時間の長いほうにかたよる。
乱数さい・乱数表で無作為に選ぶ
📄 プリント5ページ
答え:乱数は、0から9までの数字が、どれも同じ確からしさで、規則なく出てくるように並んだ数です。乱数さい・乱数表・コンピューターで乱数を出し、番号に無い数と、前に出た番号はとばして標本を選びます。
乱数さいは正二十面体の各面に0〜9が2回ずつ書いてあるさいころ、乱数表は乱数を表にしたもの、コンピューターは表計算ソフトなどで、たとえば1から480までの整数をでたらめに出すものです。
乱数表で選ぶ手順:① 母集団に通し番号をつける(480人なら 001〜480)→ ② 乱数表で、始める場所と読む向きを決め、番号のけた数ずつ区切って読む → ③ 番号に無い数と、前に出た番号はとばす → ④ 決めた人数になるまで続ける。
例:01〜50 の番号の生徒から、5人を選びます。下の乱数表の1行目の左はしから右へ、2けたずつ読みます(00・51以上・同じ番号はとばす)。
| 1行目 | 67 | 45 | 74 | 03 | 29 | 03 | 49 | 46 | 08 | 54 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2行目 | 39 | 43 | 12 | 74 | 65 | 19 | 12 | 35 | 44 | 78 |
67・74 は 51以上、2つ目の 03 は前に出た番号なので、とばします。5人そろった時点で終わりです。選んだ番号は、選んだ順に 45、03、29、49、46 です。
乱数さいで選ぶ:乱数さいを2回投げ、1回目の数を十の位、2回目の数を一の位として、01〜40 の番号から選びます。00 と 41以上が出たら、投げ直します。
| 1回目・2回目 | 2、8 | 4、6 | 0、0 | 1、7 |
|---|---|---|---|---|
| 番号 | 28 | 46 | 00 | 17 |
| 結果 | 選ぶ | 41以上 → 投げ直し | 00 → 投げ直し | 選ぶ |
まちがえやすい
✕ 乱数表で、番号に無い数(51以上)や、前に出た番号もそのまま選ぶ → ◯ 番号に無い数と、前に出た番号は、とばす
標準01〜30 の番号の生徒から、4人を選びます。乱数表の1行目 52, 17, 08, 63, 17, 24, 31, 09 を左から読み、00・31以上・同じ番号はとばすとき、選ばれる番号を、選んだ順に答えなさい。
52 は 31以上なのでとばします。17 を選び、08 を選びます。63 は 31以上なのでとばし、2つ目の 17 は前に出た番号なのでとばします。24 を選び、31 は 31以上なのでとばします。09 を選んで4人そろいます。
答え:17、08、24、09
母集団の平均値を推定する:標本の平均値を使う
📄 プリント6ページ
答え:標本の平均値を、母集団の平均値と考えて推定します(標本の平均値=標本の合計÷標本の大きさ)。母集団全体の合計は、母集団の大きさ×平均値で推定します。
ミニトマトの甘さ:ある農園でとれたミニトマトの糖度(甘さの度合い)の平均値を知りたいとします。糖度を測るにはトマトをつぶすので、全部は測れません。そこで、無作為に10個を抽出して測ります。抽出した10個の糖度(度)は 8.4, 8.2, 8.6, 7.4, 8.7, 7.7, 8.4, 8.5, 7.3, 8.8 です。
| (8.4+8.2+8.6+7.4+8.7+7.7+8.4+8.5+7.3+8.8)÷10 | 合計÷標本の大きさ |
| =82.0÷10 | |
| =8.2 | 標本の平均値(度) |
標本の平均値を、母集団の平均値と考えます。この農園のミニトマトの糖度の平均値は、およそ8.2度と推定される、と答えます。
平均値から、全体の合計を推定する:1600ページの国語辞典の見出し語の数を調べます。無作為に選んだ10ページの、1ページの見出し語の数は 38, 42, 35, 47, 40, 44, 36, 41, 39, 43 です。
| (38+42+35+47+40+44+36+41+39+43)÷10 | 合計÷標本の大きさ |
| =405÷10 | |
| =40.5 | 1ページの平均値。母集団でも同じと考える |
| 1600×40.5 | 母集団の大きさ(1600ページ)×平均値 |
| =64800 | 見出し語の数 |
この辞典の見出し語は、およそ64800語と推定される、と答えます。同じミニトマトから10個を取り出し直すと、標本の平均値は少しちがう値になります(たとえば7.9度)。どちらも推定した値です。
まちがえやすい
✕ 辞典の例で、平均値に標本の大きさ(10ページ)をかけて、405 を全体の語数とする → ◯ 平均値に、母集団の大きさ(1600ページ)をかける
標準みかん園でとれたみかん2000個から、無作為に10個を選んで重さ(g)を測ると、92, 85, 98, 90, 88, 95, 91, 87, 94, 90 でした。みかん1個の重さの平均値と、2000個の重さの合計を推定しなさい。
| (92+85+98+90+88+95+91+87+94+90)÷10 | 合計÷標本の大きさ |
| =910÷10 | |
| =91 | 標本の平均値(g) |
| 2000×91 | 母集団の大きさ×平均値 |
| =182000 | 2000個の重さの合計(g) |
答え:1個はおよそ91g、2000個の合計はおよそ182000g(182kg)
標本の大きさとばらつき:箱ひげ図で読む
📄 プリント7ページ
答え:標本の大きさが大きいほど、標本の平均値のばらつきは小さくなり、母集団の平均値に近い値になりやすい傾向があります。ばらつきは、箱ひげ図の四分位範囲(第3四分位数−第1四分位数)で読みます。
中2のふり返り:箱ひげ図は、最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値の5つの値で表します。四分位範囲は、データの散らばりの大きさを表します。四分位数の求め方と箱ひげ図のかき方は、中2数学「データの比較」で解説しています。
6ページのミニトマトから、大きさ5・10・20の標本をそれぞれ15回取り出し、15個の標本の平均値を箱ひげ図に表しました。縦の破線は、母集団の平均値(約8.08度)です。
| 標本の大きさ | 最小値 | 第1四分位数 | 中央値 | 第3四分位数 | 最大値 | 四分位範囲 | 範囲 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大きさ5 | 7.48 | 7.74 | 8.22 | 8.46 | 8.86 | 0.72 | 1.38 |
| 大きさ10 | 7.56 | 7.88 | 8.18 | 8.31 | 8.56 | 0.43 | 1.00 |
| 大きさ20 | 7.74 | 7.97 | 8.07 | 8.20 | 8.41 | 0.23 | 0.67 |
| 8.46−7.74 | 大きさ5の四分位範囲 |
| =0.72 |
| 8.31−7.88 | 大きさ10の四分位範囲 |
| =0.43 |
| 8.20−7.97 | 大きさ20の四分位範囲 |
| =0.23 | 標本が大きいほど小さい |
言葉でまとめる:標本の大きさが大きいほど、標本の平均値のばらつきは小さくなり、母集団の平均値に近い値になりやすい傾向があります。標本での割合も同じで、標本が大きいほど、母集団での割合に近い値になりやすくなります。ばらつきが小さいほど、推定はぶれにくくなります。ただし、大きい標本を調べるには、手間・時間・費用が大きくなるので、目的に合わせて標本の大きさを決めます。
まちがえやすい
✕ 標本を大きくすれば、標本の平均値は母集団の平均値と等しくなる → ◯ 近い値になりやすいが、等しくなるとは限らない
標準ある母集団から標本を15回ずつ取り出し、標本の平均値を箱ひげ図にしました。標本の大きさ9では第1四分位数が48.0、第3四分位数が54.5、標本の大きさ36では第1四分位数が50.5、第3四分位数が53.0でした。それぞれの四分位範囲を求め、標本の平均値のばらつきが小さいのはどちらか答えなさい。
| 54.5−48.0 | 大きさ9の四分位範囲 |
| =6.5 |
| 53.0−50.5 | 大きさ36の四分位範囲 |
| =2.5 |
答え:大きさ9は6.5、大きさ36は2.5。ばらつきが小さいのは大きさ36
母集団の数量を推定する:標本の割合をあてはめる
📄 プリント8ページ
答え:標本での割合は、母集団での割合とほぼ同じと考えます。母集団の数量 ≒ 母集団の大きさ×標本での割合 で、およその数を求め、「およそ○個」と答えます。比例式でも求められます。
不良品の数:ある工場でつくった製品3000個から、無作為に150個を取り出して調べると、不良品が4個ありました。3000個の中の不良品は、およそ何個でしょうか。
| 3000×4150 | 母集団の大きさ×標本での不良品の割合 |
| =12000150 | |
| =80 | およそ80個 |
比例式 x:3000=4:150 でも同じ答えです。
「〜と答えた人」の人数:生徒540人の中から60人を無作為に選んで聞くと、「毎朝朝食を食べる」と答えた人が51人でした。540人の中では、およそ何人でしょうか。
| 540×5160 | 母集団の大きさ×標本での割合 |
| =2754060 | |
| =459 | およそ459人 |
比で求める:袋の中に白い碁石がたくさんあり、黒い碁石は240個と分かっています。50個取り出すと、黒が15個、白が35個でした。取り出した碁石の個数の比は 白:黒=35:15=7:3 で、袋の中でも同じ比と考えます。白い碁石の数を x 個とします。
| x:240=7:3 | 袋の中の 白:黒 も 7:3 と考える |
| 3x=1680 | 外側の積=内側の積 |
| x=560 | 両辺を3でわる。およそ560個 |
まちがえやすい
✕ 標本の中の数(不良品4個)をそのまま答える → ◯ 標本での割合 4150 を、母集団の大きさ 3000 にかける
✕ 割合を逆にして 3000×1504 とする → ◯ 標本での割合 4150 を使う
標準工場でつくった製品6000個から、無作為に200個を取り出して調べると、不良品が5個ありました。6000個の中の不良品は、およそ何個と推定されますか。
| 6000×5200 | 母集団の大きさ×標本での不良品の割合 |
| =30000200 | |
| =150 | およそ150個 |
答え:およそ150個
印をつけて推定する:池の魚の数と混ぜた碁石の数
📄 プリント9ページ
答え:全体の数が分からないときは、印をつけたものの割合で推定します。2回目にとった中の印の割合 ≒ 全体の中の印の割合 と考えて、比例式をつくります。
何匹かに印(標識)をつけて戻し、もう一度とって、その中の印の割合から全体の数を推定する方法を、標識再捕法といいます。名前より、下の比例式のつくり方が大切です。
池の魚の数:池の魚は全部を数えられません。そこで、何匹かに印をつけて池に戻し、数日後にもう一度とって、その中の印の割合を調べます。池の魚60匹に印をつけて戻し、数日後に75匹をとると、印のついた魚は5匹でした。池には、およそ何匹の魚がいるでしょうか。
| 全体の数 | 印のある魚 | |
|---|---|---|
| 池全体 | x匹 | 60匹 |
| 2回目にとった魚 | 75匹 | 5匹 |
| x:60=75:5 | 池全体 : 印の数 = 2回目の全体 : 2回目の印 |
| 5x=4500 | 外側の積=内側の積 |
| x=900 | 両辺を5でわる。およそ900匹 |
碁石を混ぜる:白い碁石だけがたくさん入った箱に、黒い碁石を100個入れて、よくかき混ぜました。60個取り出すと、黒い碁石が4個ありました。箱の中の白い碁石は、およそ何個でしょうか。
| x:100=60:4 | 全体 : 黒 = 取り出した全体 : 取り出した黒 |
| 4x=6000 | 外側の積=内側の積 |
| x=1500 | 両辺を4でわる。これは白と黒をあわせた全体の数 |
| 1500−100 | 全体から入れた黒を引く |
| =1400 | 白い碁石はおよそ1400個 |
数日おく・よく混ぜるのはなぜ?印をつけた魚を戻してから数日おいたり、碁石をよくかき混ぜたりするのは、印をつけた魚や入れた黒い碁石が全体に散らばり、2回目に取り出すものが無作為な標本になるようにするためです。
まちがえやすい
✕ 全体の 1500 を白い碁石の数とする(入れた黒100個を引き忘れる) → ◯ 1500−100=1400
標準池のメダカ50匹に印をつけて戻し、数日後に80匹をとると、印のついたメダカは4匹でした。池には、およそ何匹のメダカがいると推定されますか。
池全体を x 匹とします。池全体と印の数の比は、2回目にとった全体と印の数の比に等しいと考えます。
| x:50=80:4 | 池全体 : 印の数 = 2回目の全体 : 2回目の印 |
| 4x=4000 | 外側の積=内側の積 |
| x=1000 | 両辺を4でわる |
答え:およそ1000匹
調査の方法と結論を見直す:かたより・標本の大きさ・言いすぎ
📄 プリント10ページ
答え:調査の方法や結論は、次の3つの観点で見直します。ア 標本の選び方にかたよりはないか イ 標本の大きさは小さすぎないか ウ 結論は言いすぎていないか。標本調査の結果は、母集団の正確な値ではなく、推定した「およその値」です。
| 調査 | 言える? | 理由 |
|---|---|---|
| 雑誌の読者のはがきのアンケートに答えた500人のうち80%が「この雑誌が好き」。「全国の中学生の80%がこの雑誌を好き」 | 言えない | 雑誌の読者で、自分からはがきを送った人にかたよっている。母集団の全国の中学生から選んでいない(ア) |
| クラスの友達5人に聞くと、4人が「A店のパンが好き」。「町の人の80%がA店のパンを好き」 | 言えない | 標本が5人と小さすぎる。選び方も友達にかたよっている(イ・ア) |
| ある工場のねじから無作為に100本を調べると、不良品は0本。「この工場のねじには、不良品が1本もない」 | 言えない | 標本に無くても、母集団に無いとは限らない。「不良品はとても少ないと考えられる」なら言える(ウ) |
| 夜の駅前で出会った20人のうち15人が「夜ふかしをする」。「町の人の75%が夜ふかしをする」 | 言えない | 夜の駅前にいる人は、夜ふかしの人にかたよる(ア)。標本も20人と小さい(イ) |
観点が2つ以上当てはまることもあります。理由には「だれを、何人調べたか」を書きます。
まちがえやすい
✕ 標本調査の結果は、母集団の正確な値である → ◯ 推定した、およその値
標準サッカー部員50人にアンケートをとると、45人が「サッカーが好き」と答えました。そこで「全校生徒の90%がサッカーを好き」と言えますか。言えないなら、その理由を説明しなさい。
答え:言えない。(例)サッカー部員は、サッカーが好きな人にかたよっている。母集団の全校生徒から無作為に選んでいない。
✅ 一問一答で総チェック(20問)
問題を読んで、答えを頭の中で言ってからタップしましょう。答えが出ます。
-
集団のすべてを調べる調査を何という?
答え:全数調査
-
集団の一部を調べて、全体の傾向を推定する調査を何という?
答え:標本調査
-
缶詰の品質検査のように、全部を調べると売る物がなくなる調査は、何調査で行う?
答え:標本調査
-
傾向を知りたい集団全体を何という?
答え:母集団
-
母集団から取り出した一部分を何という?
答え:標本
-
標本を取り出すことを何という?
答え:抽出する
-
標本にふくまれる個数を何という?
答え:標本の大きさ
-
標本の大きさは、母集団の人数と標本の人数のどちらで答える?
答え:取り出した人数
-
母集団のどれもが同じ確からしさで選ばれるように、かたよりなく取り出すことを何という?
答え:無作為に抽出する
-
かたよりの理由には、結果がどちらにずれるかと、あと何を書く?
答え:だれが選ばれやすいか
-
0から9までの数字が、規則なく出てくるように並んだ数を何という?
答え:乱数
-
乱数表で選ぶとき、番号に無い数と前に出た番号はどうする?
答え:とばす
-
標本の平均値は、何の平均値と考えて推定する?
答え:母集団の平均値
-
標本の平均値から母集団全体の合計を推定するとき、平均値に何をかける?
答え:母集団の大きさ
-
標本が大きいほど、標本の平均値のばらつきはどうなる傾向がある?
答え:小さくなる
-
標本の平均値のばらつきは、箱ひげ図の何で読む?
答え:四分位範囲
-
不良品の数を推定するとき、母集団の大きさに何をかける?
答え:標本での割合
-
池の魚の数を推定するとき、2回目にとった中の印の割合は、何の割合とほぼ同じと考える?
答え:全体の中の印の割合
-
白い碁石だけの箱に黒い碁石を入れて混ぜる問題で、求めた全体の数から何を引く?
答え:入れた黒い碁石の数
-
標本調査の結果は、母集団の正確な値と、どちらの値?
答え:推定した、およその値
まとめ
標本調査は、集団の一部を調べて全体を推定する調査で、全部を調べると売る物がなくなる・時間や費用がかかりすぎる・調べられないときに行います。傾向を知りたい集団が母集団、取り出した一部が標本で、標本は乱数さいや乱数表を使ってかたよりなく選びます。標本の平均値から母集団の平均値と合計を、標本での割合から母集団の数量を推定し、全体の数が分からないときは印をつけたものの割合を使います。標本が大きいほどばらつきは小さくなる傾向があり、結果はかたより・標本の大きさ・言いすぎの3つの観点で見直します。プリントの確認問題で、比例式の計算を手を動かして練習してみてください。

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