⏱ 30秒でわかる この単元の要点
- お金と金融・銀行:お金(貨幣)の3つの働きは交換の仲立ち・価値の尺度・価値の貯蔵。紙幣は日本銀行、硬貨は政府が発行する。金融は余っている所から足りない所へお金を回すこと。企業は株式や社債で直接金融、銀行から借りて間接金融でお金を集める。銀行の仕事は預金・貸し出し・為替で、1年の利子=元金×利子率、収入は貸し出しと預金の利子の差
- 景気と日本銀行:景気は好況と不況をくり返し(景気変動)、物価が上がり続けるとインフレーション、下がり続けるとデフレーション。日本銀行は発券銀行・銀行の銀行・政府の銀行。金融政策の公開市場操作で、不況のときは国債などを買って金利を下げ、好況のときは売って金利を上げる
- 円高と円安:為替相場は異なる通貨を交換する比率。1ドルに要る円が前より少なければ円高、多ければ円安(1ドル=80円は円高、125円は円安)。円高は輸入に有利で輸出に不利、円安は輸出に有利で輸入に不利。円高で工場を海外に移し国内の生産や雇用が減ることが産業の空洞化。2008年に世界金融危機
- 財政と税金:財政は政府が税金でお金を集めて使うこと(歳入・歳出・予算)。憲法第30条は納税の義務。税は国税と地方税、直接税と間接税に分かれ、所得が多い人ほど高い税率をかけるのが累進課税、消費税には逆進性がある。財政の3つの役割は資源配分の調整・所得の再分配・景気の安定化。不況のときは公共投資を増やし減税し、好況のときは減らして増税する財政政策。足りない分は国債
- 社会保障・環境・豊かさ:社会保障は生存権(第25条)にもとづき、社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の4つの柱。介護保険は40歳以上が加入し、国民皆保険・国民皆年金は1961年。少子高齢化で現役世代(15〜64歳)の負担が重くなる。四大公害病、公害対策基本法(1967年)・環境庁(1971年)、3R。GDPは新しく生み出された価値(付加価値)の合計で、豊かさはGDPだけで測れず、持続可能な社会をめざす
つまずき注意:1ドル=100円が80円になるのは円高(数が小さくなっても円の価値は上がる)。紙幣は日本銀行、硬貨は政府が発行する。株式は返さず配当を払い、社債は決まった時期に元金を返す。消費税はだれでも同じ税率で、所得が多いほど税率が高いのは所得税。GDPは売り上げの合計ではなく付加価値の合計。
中3社会(公民)の「金融・財政と国民の福祉」で、円高と円安の意味の違い(1ドルが何円かで見分ける)、日本銀行の金融政策、税金と財政政策、社会保障と少子高齢化、公害と環境、GDPまでを、表と例題で1つずつ確かめるページです。前半(金融と景気)はお金の流れ・景気・為替、後半(財政と国民の福祉)は政府の税金・社会保障・環境・豊かさを整理します。どの見出しも「答え → 表 → 理由 → 例題」の順に書いています。紙に書いて練習したい人は、下の無料プリントを使ってください。
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説明 1〜10ページ/確認問題 11〜13ページ/覚えることの一覧 14ページ/答えと解説 15・16ページ
説明 1〜14ページ/確認問題 15〜17ページ/覚えることの一覧 18ページ/答えと解説 19・20ページ。この記事の見出しごとに、対応するプリントとページを書いています。
- お金は、どう流れて、暮らしと景気を支えている?:前半の全体像
- お金にはどんな働きがある? 企業は、どうやってお金を集める?
- 銀行はどんな仕事をして、どうやって収入を得ている?
- 景気がよい・悪いとは、どういうこと?
- 日本銀行は、景気をどう安定させる?
- 円高と円安の意味の違いは? 1ドルが何円かで見分ける
- 円高・円安は、暮らしや企業にどう影響する?
- 前半のまとめ:お金は、どう流れて、暮らしと景気を支えている?
- 政府は、税金で暮らしをどう支え、どんな社会をめざす?:後半の全体像
- 財政とは何? なぜ税金を納める?
- 税金にはどんな種類がある? 公平に負担するには?
- 政府は、税金で何をしている?
- 政府は、景気をどう安定させる? 国の借金とは?
- 社会保障とは何? 社会保険は、どうやって支え合う?
- 少子高齢化は、社会保障にどんな影響がある?
- 負担と給付のバランスをどう考える?
- 公害は、なぜ起こり、どう取り組んできた?
- ごみや資源の問題に、どう取り組む?
- 国の経済の大きさは、どう測る?
- 本当の豊かさとは? 持続可能な社会のために何ができる?
- 後半のまとめ:政府は、税金で暮らしをどう支え、どんな社会をめざす?
- まとめ
お金は、どう流れて、暮らしと景気を支えている?:前半の全体像
📄 プリント①(金融と景気)1ページ
答え:家計・企業・政府の間をお金が回っています(経済の循環)。前半では、お金がどう貸し借りされるか、景気がよい・悪いとは何か、外国のお金とどう交換されるかを、お金と金融・銀行・景気と日本銀行・円高・円安の順に学びます。
| 学ぶこと | 問い |
|---|---|
| ① お金と金融 | お金には、どんな働きがある? 企業は、どうやってお金を集める? |
| ② 銀行 | 銀行は、どんな仕事をして、どうやって収入を得ている? 生活を、どう支えている? |
| ③ 景気と日本銀行 | 景気がよい・悪いとは、どういうこと? 日本銀行は、景気をどう安定させる? |
| ④ 円高・円安 | 外国のお金と、どんな比率で交換する? 暮らしや企業に、どう影響する? |
全体の図のとらえ方:家計は銀行に預金し、銀行は企業に貸し出します。家計が株式や社債を買って企業に直接お金を出す道もあります。日本銀行は、国債などの売り買いで世の中のお金の量を調整します。外国とは、円とドルなどを交換します。
まちがえやすい
✕ お金の貸し借りは、銀行だけで行われる → ◯ 株式や社債を買って企業に直接お金を出す道(直接金融)もある
基本前半で学ぶ4つのうち、「円高・円安」を学ぶのは、①〜④のどれですか。
問いの表で、「外国のお金と、どんな比率で交換する?」と書いてある行を探します。
答え:④ 円高・円安
お金にはどんな働きがある? 企業は、どうやってお金を集める?
📄 プリント①(金融と景気)2・3ページ
答え:お金(貨幣)には、交換の仲立ち・価値の尺度・価値の貯蔵の3つの働きがあります。金融は、お金が余っている人や企業から、足りない人や企業へお金を融通することです。企業がお金を集める方法には、直接金融と間接金融があります。
| 物々交換 | お金(貨幣)がある | |
|---|---|---|
| 相手 | 自分の欲しい物を持ち、しかもこちらの物を欲しがる相手を探すのがたいへん | だれとでも取り引きしやすい |
| 分けたいとき | 品物によっては分けられず、ちょうどよい量でとりかえにくい | 値段の分だけ、お金で払える |
| ためたいとき | くさる品物は、ためておけない | お金のままためておき、後で使える |
| 働き | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 交換の仲立ち | お金を払って、品物やサービスと交換する | パン屋でパンを買う |
| 価値の尺度 | 値段で、物の価値をくらべられる | 値札で、2つの品物の値段をくらべる |
| 価値の貯蔵 | お金のままためておき、後で使える | お年玉を貯金箱にためて、来月使う |
通貨:通貨には、紙幣(日本銀行券)と硬貨があります。紙幣は日本銀行が、硬貨は政府が発行します。このほかに、銀行の預金も、振り込みや引き落とし(口座振替)で支払いに使えます。
金融と金融機関:金融の仲立ちをする所を金融機関といい、銀行・信用金庫・証券会社・保険会社などがあります。お金は、経済の中を流れる「血液」にたとえられます。お金の流れが止まると、生産や消費が進まなくなるからです。
直接金融と間接金融:企業が株式や社債を発行して、家計などから直接お金を集めることが直接金融で、証券会社が売り買いの仲立ちをします。銀行などの金融機関が、家計などから預金として集めたお金を、企業などに貸し出すことが間接金融です。
| 直接金融 | 間接金融 | |
|---|---|---|
| 仲立ち | 証券会社が、売り買いの仲立ち | 銀行などの金融機関が、間に入る |
| 貸し先を選ぶのは | お金を出す人 | 銀行(預けた人は選ばない) |
| 例 | 株式や社債を買う | 銀行にお金を預ける |
見分け方は、お金を出す人が、どの企業に出すかを自分で選べば直接金融、銀行に預けて、銀行が貸し先を選べば間接金融です。
| 株式 | 社債 | |
|---|---|---|
| お金を返すか | 返さない | 決まった時期に、元金を返す |
| 出した人が受け取る物 | 配当(利潤から払う) | 利子 |
| 会社が倒産すると | 価値が無くなることがある | 返してもらえなくなることがある |
社債は、企業が借金をするときに発行する証書です。合言葉は「お金の働きは、交換・尺度・貯蔵」「直接は株式・社債、間接は銀行」です。
まちがえやすい
✕ 紙幣も硬貨も、日本銀行が発行する → ◯ 紙幣は日本銀行、硬貨は政府が発行する
✕ 株式も社債も、決まった時期にお金を返す → ◯ 返すのは社債。株式は返さず、配当を払う
基本次のア〜ウの場面は、貨幣の3つの働きのどれにあたりますか。ア 自動販売機でジュースを買う イ 「このマンガは500円、あのゲームは3000円」と値段をくらべる ウ 毎月のこづかいの一部を、欲しい物のために残しておく
3つの働きの表の「例」の列と見くらべます。
答え:ア=交換の仲立ち、イ=価値の尺度、ウ=価値の貯蔵
標準次の(1)(2)は、直接金融と間接金融のどちらにあたりますか。(1)Gさんが、自分で選んだ会社の社債を買った。(2)Hさんが銀行に預けたお金を、銀行がJ社に貸した。
お金を出す人が貸し先を自分で選ぶかどうかで見分けます。
答え:(1)直接金融 (2)間接金融
理由社債を買った人が、その会社が倒産すると損をするおそれがあるのは、なぜですか。「返して」の語を使って答えなさい。
株式と社債をくらべた表の、「会社が倒産すると」の行を見ます。
答え:(例)会社が倒産すると、決まった時期に元金を返してもらえなくなることがあるから。
銀行はどんな仕事をして、どうやって収入を得ている?
📄 プリント①(金融と景気)4・5ページ
答え:銀行の仕事は預金・貸し出し・為替の3つです。貸し出しの利子率を、預金の利子率より高くしていて、その差が銀行の主な収入になります。生活の中の銀行の仕事は、新しい金融(キャッシュレス決済・フィンテック・クラウドファンディング)にも広がっています。
| 仕事 | 何をする | 例 |
|---|---|---|
| 預金 | お金を預かる | お年玉を口座に入れておく |
| 貸し出し | お金を貸す | 新しい機械を買う企業に、お金を貸す |
| 為替(かわせ) | 振り込みなどで、現金を運ばずに離れた所へお金を送る | 家賃を、大家さんの口座へ振り込む |
利子と利子率(金利):利子(利息)は、お金を借りた人が、借りたお金(元金)に加えて支払うお金です。お金を預けた人は、銀行から利子を受け取ります。利子率(金利)は、元金に対する、1年あたりの利子の割合(例:年3%)です。
1年の利子 = 元金 × 利子率。例(架空):Aさんが、100万円を年3%で1年借りると、1年の利子は 100万円×0.03=3万円で、1年後に返す額は103万円です。
銀行の収入:例(架空):預金の利子率が年0.5%、貸し出しの利子率が年2%のとき、預かった1000万円を全部貸したとします。預金の利子(銀行が払う)は 1000万円×0.005=5万円、貸し出しの利子(銀行が受け取る)は 1000万円×0.02=20万円で、差の20万円−5万円=15万円が銀行の収入です。銀行は、貸したお金が返ってくるかを確かめてから貸します。
| 場面 | 銀行がすること | 3つの仕事 |
|---|---|---|
| 給料の受け取り(会社から口座へ振り込み) | 振り込みを受けつける | 為替 |
| 電気代や水道代の引き落とし(口座振替) | 口座から自動で支払う | 為替 |
| 家を買うとき、お金を借りて、毎月少しずつ返す(住宅ローン) | お金を貸し出す | 貸し出し |
| 進学のお金を借りる(教育ローンなど) | お金を貸し出す | 貸し出し |
| 使わないお金を口座に入れておく | お金を預かる | 預金 |
| 新しい金融 | 何か | 例 |
|---|---|---|
| キャッシュレス決済 | 現金を使わない支払い(クレジットカード・電子マネー・スマートフォンのコード決済など) | |
| フィンテック | 金融(ファイナンス)と技術(テクノロジー)を組み合わせた言葉。情報通信技術を使った新しい金融のサービス | スマートフォンでの送金や支払い・家計の管理 |
| クラウドファンディング | インターネットを通じて、多くの人から少しずつお金を集めるしくみ | 新しい商品をつくる・地域の行事を開く |
お金を借りるときの注意:借りる人は、利子をふくめて、返せる額かを考えます。クレジットカードで後払いにする人は、カード会社に立てかえてもらう=借りるのと同じなので、使いすぎると返せなくなります。合言葉は「預金・貸し出し・為替、収入は利子の差」「借りたら、利子をつけて返す」です。
まちがえやすい
✕ 為替とは、外国のお金と交換することだけ → ◯ 銀行の為替は、振り込みなどで離れた所へお金を送ること(外国のお金との交換は、あとの為替相場)
✕ クレジットカードで払えば、お金を借りたことにはならない → ◯ カード会社に立てかえてもらう後払いで、借りるのと同じ
基本次のア〜ウは、銀行の3つの仕事のどれにあたりますか。ア 電気代を、口座から自動で支払う イ 進学のために、教育ローンでお金を借りる ウ お年玉を、口座に入れておく
生活の中の銀行の表の、「銀行がすること」と見くらべます。
答え:ア=為替、イ=貸し出し、ウ=預金
標準ある銀行は、預金の利子率が年0.4%、貸し出しの利子率が年1.5%です。預かった2000万円を全部貸したとき、(1)銀行が払う預金の利子、(2)銀行が受け取る貸し出しの利子、(3)銀行の収入は、1年でそれぞれいくらですか。
1年の利子 = 元金 × 利子率 で求めます。(1)2000万円×0.004=8万円、(2)2000万円×0.015=30万円、(3)30万円−8万円=22万円です。
答え:(1)8万円 (2)30万円 (3)22万円
景気がよい・悪いとは、どういうこと?
📄 プリント①(金融と景気)6ページ
答え:景気は、経済全体の活動の調子(商品の売れ行き・生産・雇用など)です。景気は好況と不況をくり返し(景気変動)、物価が上がり続けることをインフレーション、下がり続けることをデフレーションといいます。
山が好況、谷が不況です。山から谷へ下る所が後退、谷から山へ上る所が回復です。景気が、好況→後退→不況→回復→好況…とくり返し変わることを、景気変動(景気循環)といいます。
| 好況(好景気) | 不況(不景気) | |
|---|---|---|
| 売れ行き | よく売れる | 売れない |
| 企業の生産 | 増える | 減る |
| 雇用・倒産 | 雇用や賃金が増える | 倒産や失業が増える |
| 物価 | 上がりやすい | 下がりやすい |
インフレとデフレ:物価は、いろいろな商品の値段をまとめて平均した物です。
| インフレ | デフレ | |
|---|---|---|
| 物価 | 上がり続ける | 下がり続ける |
| お金の価値 | 下がる(同じお金で買える物が減る) | 上がる(同じお金で買える物が増える) |
| 起こりやすい時 | 好況 | 不況 |
例(架空):1個100円のパンが200円になると、1,000円で買えるパンは10個から5個に減ります。デフレは、物が売れず企業のもうけが減り、賃金が下がって、さらに物が売れなくなる、という悪い流れになることがあります。合言葉は「好況でインフレ、不況でデフレになりやすい」です。
まちがえやすい
✕ インフレでお金の価値が上がる → ◯ 買える物が減る=お金の価値は下がる
標準1冊100円のノートが125円になりました。2000円で買えるノートは、何冊から何冊に変わりましたか。また、お金の価値は上がりましたか、下がりましたか。
2000÷100=20冊、2000÷125=16冊です。同じお金で買える物が減ったので、お金の価値は下がっています。
答え:20冊から16冊 お金の価値は下がった
理由デフレが続くと、景気がさらに悪くなる悪い流れになることがあるのは、なぜですか。「賃金」の語を使って答えなさい。
物が売れないと、企業と働く人にどんなことが起こるかを順に考えます。
答え:(例)物が売れず企業のもうけが減り、賃金が下がって、さらに物が売れなくなるから。
日本銀行は、景気をどう安定させる?
📄 プリント①(金融と景気)7ページ
答え:日本銀行は日本の中央銀行で、発券銀行・銀行の銀行・政府の銀行の3つの役割をもちます。景気や物価を安定させるために、国債などの売り買い(公開市場操作)で出回るお金の量を調整することを金融政策といいます。
日本銀行は、国の金融の中心となる銀行で、1882年に設立されました。個人や一般の企業とは取り引きしません。
| 役割 | 何をする | 相手 |
|---|---|---|
| 発券銀行 | 紙幣(日本銀行券)を発行する | 世の中 |
| 銀行の銀行 | 一般の銀行にお金を貸したり、銀行のお金を預かったりする | 一般の銀行 |
| 政府の銀行 | 政府のお金(税金など)を預かり、出し入れする | 政府 |
金融政策:国債は、国が借金をするときに発行する証書です。公開市場操作は、日本銀行が、一般の銀行との間で国債などを売り買いする、金融政策の主な方法です。
| 不況のとき | 好況のとき(景気が行きすぎ、物価が上がりすぎる時) |
|---|---|
| 日本銀行が、一般の銀行から国債などを買う | 日本銀行が、一般の銀行に国債などを売る |
| 一般の銀行のお金が増える | 一般の銀行のお金が減る |
| 銀行は、貸し出しの金利を下げる | 銀行は、貸し出しの金利を上げる |
| 企業や家計は、お金を借りやすくなる | お金を借りにくくなる |
| 生産や消費が活発になり、景気が回復に向かう | 生産や消費がおさえられ、景気の行きすぎや物価の上がりすぎをおさえる |
政府も、景気を安定させるための政策を行います(くわしくは後半)。合言葉は「不況は買って金利を下げ、好況は売って金利を上げる」です。
まちがえやすい
✕ 日本銀行には、だれでも預金の口座をつくれる → ◯ 日本銀行は、個人や一般の企業とは取り引きしない
基本次のア〜ウは、日本銀行の3つの役割のどれにあたりますか。ア 新しい紙幣を発行する イ 一般の銀行のお金を預かる ウ 税金として入ったお金を、政府のために出し入れする
3つの役割の表の、「何をする」の列と見くらべます。
答え:ア=発券銀行、イ=銀行の銀行、ウ=政府の銀行
標準景気が悪い不況のとき、日本銀行の金融政策で景気が回復に向かう流れを、次のア〜エを並べて表しなさい。ア 企業や家計が、お金を借りやすくなる イ 日本銀行が、一般の銀行から国債などを買う ウ 銀行が、貸し出しの金利を下げる エ 一般の銀行のお金が増える
日本銀行が買う → 銀行のお金が増える → 金利を下げる → 借りやすくなる、の順です。
答え:イ → エ → ウ → ア
円高と円安の意味の違いは? 1ドルが何円かで見分ける
📄 プリント①(金融と景気)8ページ
答え:為替相場(為替レート)は、異なる通貨を交換するときの比率です(例:1ドル=100円)。外国の通貨に対して円の価値が上がることが円高、下がることが円安です。1ドルに要る円が、前より少なければ円高、多ければ円安です。
アメリカへ旅行するには、日本の円を、アメリカのドルに交換しなければなりません。外国と貿易や旅行をするには、通貨を交換します。
| 為替相場 | 円の価値 | 2万円は何ドル? |
|---|---|---|
| 1ドル=80円(円高) | 上がる | 20,000÷80=250ドル |
| 1ドル=100円(もとの相場) | 20,000÷100=200ドル | |
| 1ドル=125円(円安) | 下がる | 20,000÷125=160ドル |
ドルから円にするときは、かけ算です。10ドルのおみやげは、1ドル=100円なら1,000円、1ドル=80円(円高)なら800円です。円高だと、外国の物が安く買えます。
為替相場は、なぜ動く?為替相場は、毎日動いています(ニュースで「1ドル=○円」と伝えられます)。通貨の需要と供給で動くので、企業と市場経済で学んだ需要量と供給量と同じ考え方です。
| 起こること | 値段の動き | 為替相場 |
|---|---|---|
| 円をドルに交換したい人や企業が増える(ドルを買いたい人が多い) | ドルの値段が上がる | 円安 |
| ドルを円に交換したい人や企業が増える(円を買いたい人が多い) | 円の値段が上がる | 円高 |
合言葉は「1ドルが少ない円で買えれば円高」です。
まちがえやすい
✕ 1ドル=100円が1ドル=80円になるのは、数が小さくなったので円安 → ◯ 少ない円で1ドルと交換できる=円の価値が上がった=円高
基本次の(1)(2)は、円高と円安のどちらですか。(1)1ドル=100円が、1ドル=110円になった。(2)1ドル=150円が、1ドル=130円になった。
1ドルに要る円が、前より少なければ円高、多ければ円安です。(1)100円→110円で増えた。(2)150円→130円で減った。
答え:(1)円安 (2)円高
標準(1)1ドル=80円のとき、24,000円は何ドルと交換できますか。(2)1ドル=120円のとき、24,000円は何ドルと交換できますか。(3)(1)と(2)のうち、円高なのはどちらですか。
円をドルにするときは、わり算です。(1)24,000÷80=300ドル、(2)24,000÷120=200ドルです。1ドルに要る円が少ない(1)の方が円高で、同じ円でより多くのドルと交換できます。
答え:(1)300ドル (2)200ドル (3)(1)
理由円をドルに交換したい人や企業が増えると、円安になるのは、なぜですか。「ドルの値段」の語を使って答えなさい。
為替相場が動くしくみを書いた表の、1行目を見ます。
答え:(例)ドルを買いたい人が多くなってドルの値段が上がり、1ドルと交換するのに要る円が増えるから。
円高・円安は、暮らしや企業にどう影響する?
📄 プリント①(金融と景気)9ページ
答え:円高は輸入に有利で輸出に不利、円安は輸出に有利で輸入に不利です。円高で企業が工場を海外に移し、国内の生産や雇用が減ることを産業の空洞化といいます。商品・お金・人・情報が国境をこえて行き来することをグローバル化といいます。
| 円高 | 円安 | |
|---|---|---|
| 輸出 | 外国での日本の商品の値段が上がり、売れにくくなる(輸出に不利) | 外国での日本の商品の値段が下がり、売れやすくなる(輸出に有利) |
| 輸入 | 外国の商品を安く買える(輸入に有利) | 外国の商品の値段が上がる(輸入に不利。原材料や食料の値上がり) |
| 旅行 | 日本人の海外旅行が安くなる | 外国から日本へ来る旅行者が増えやすい |
例(架空):日本で200万円の自動車を、アメリカで売るとします。1ドル=100円なら、アメリカでの値段は 200万÷100=2万ドルです。1ドル=80円(円高)なら、200万÷80=2万5千ドルになります。円高になると、アメリカでの値段が上がり、売れにくくなります。
産業の空洞化と、グローバル化:円高になると、外国での値段が上がって売れにくくなり、外国の工場の方が安くつくれるようになります。工場を外国に移す企業が増え、国内の生産と雇用が減ります。お金も世界を行き来し(金融のグローバル化)、ある国の金融の混乱が世界に広がることがあります。例:2008年、アメリカの大きな証券会社の倒産をきっかけに、世界中で景気が悪くなりました(世界金融危機)。合言葉は「円高は輸入に有利、円安は輸出に有利」です。
まちがえやすい
✕ 円高になると、日本の輸出企業はもうかりやすい → ◯ 外国での値段が上がり、売れにくくなる
標準次のア〜エのうち、円安になると有利になるものを2つ選びなさい。ア 日本に来る外国人旅行者 イ 外国から食料を買う日本の会社 ウ 外国へ日本の商品を売る日本の会社 エ 海外旅行に行く日本人
円高・円安の影響の表の、円安の列を見ます。
答え:ア・ウ
標準日本で240万円の自動車を、アメリカで売ります。(1)1ドル=120円のとき、アメリカでの値段は何ドルですか。(2)1ドル=100円になったとき、アメリカでの値段は何ドルですか。(3)輸出に有利なのは、(1)と(2)のどちらの相場ですか。
(1)240万÷120=2万ドル、(2)240万÷100=2万4千ドルです。値段が安い(1)の方が売れやすく、輸出に有利です。(1)は円安、(2)は円高の相場です。
答え:(1)2万ドル (2)2万4千ドル (3)(1)(円安)
前半のまとめ:お金は、どう流れて、暮らしと景気を支えている?
📄 プリント①(金融と景気)10ページ
答え:お金は、交換・尺度・貯蔵の働きをもち、金融によって、余っている所から足りない所へ流れます。企業は、株式や社債で直接、または銀行から借りて間接に、お金を集めます。銀行は、利子の差で収入を得ながら、私たちの生活を支えます。景気は好況と不況をくり返すので、日本銀行は、国債などの売り買いで出回るお金の量を調整し、景気と物価を安定させます。お金は、為替相場で外国の通貨と交換され、円高・円安は輸出や輸入に影響します。
ステップチャート:①お金には交換・尺度・貯蔵の働きがあり、金融は余っている所から足りない所へお金を回す → ②企業は、株式や社債で直接お金を集め(直接金融)、銀行からも借りる(間接金融) → ③銀行は預金・貸し出し・為替を行い、利子の差で収入を得る → ④銀行は生活を支え、キャッシュレス決済やフィンテックなど新しい金融も広がる → ⑤景気は好況と不況をくり返し、物価が上がり続けるとインフレ、下がり続けるとデフレ → ⑥日本銀行は発券銀行・銀行の銀行・政府の銀行で、金融政策で景気と物価を安定させる → ⑦円と外国の通貨を交換する比率が為替相場で、需要と供給で円高・円安になる → ⑧円高・円安は輸出・輸入・旅行に影響し、お金は世界を行き来する。
まちがえやすい
✕ 景気を安定させる金融政策は、政府が行う → ◯ 金融政策は日本銀行が行う(政府の景気の政策は、あとの財政政策)
標準次のア〜ウを、「前半のステップチャート」の順に並べなさい。ア 円と外国の通貨を交換する比率が為替相場で、需要と供給で円高・円安になる イ 銀行は預金・貸し出し・為替を行い、利子の差で収入を得る ウ 日本銀行は、金融政策で景気と物価を安定させる
銀行(③)→ 日本銀行(⑥)→ 為替相場(⑦)の順につなぎます。
答え:イ → ウ → ア
基本次のア〜ウは、ステップチャートの①〜⑧のどれにあたりますか。ア 国債などの売り買い(公開市場操作) イ 預金・貸し出し・為替 ウ 円高・円安は輸出・輸入・旅行に影響する
ステップチャートの言葉と見くらべます。
答え:ア=⑥、イ=③、ウ=⑧
政府は、税金で暮らしをどう支え、どんな社会をめざす?:後半の全体像
📄 プリント②(財政と国民の福祉)1ページ
答え:後半では、政府が税金をどう集めて何に使うか、少子高齢化の中で社会保障をどう続けるか、公害の経験をふまえて環境と豊かさをどう守るかを学びます。政府は、税金を集めて社会資本・公共サービス・社会保障で暮らしを支え、足りない分は国債(借金)で借ります。
| 学ぶこと | 問い |
|---|---|
| ① 税金と財政 | 税金は、どんな種類があり、何に使われている? 政府は、景気をどう安定させる? |
| ② 社会保障と少子高齢化 | 社会保障には、どんなしくみがある? 少子高齢化で、何が問題になる? |
| ③ 公害と環境 | 公害は、なぜ起こり、どう取り組んできた? ごみや資源の問題には、どう取り組む? |
| ④ 豊かさと持続可能な社会 | 国の経済の大きさは、どう測る? 本当の豊かさとは? |
全体の図のとらえ方:家計・企業が政府に税金を納め、政府は社会資本・公共サービスと社会保障で暮らしを支えます。政府は、足りない分を国債で借り、環境を守り、豊かさを考える役割ももちます。
まちがえやすい
✕ 政府は、家計や企業から税金を集めるだけ → ◯ 集めた税金で、社会資本・公共サービス・社会保障を提供して暮らしを支える
基本後半で学ぶ4つのうち、「公害」を学ぶのは、①〜④のどれですか。
問いの表で、「公害は、なぜ起こり、どう取り組んできた?」と書いてある行を探します。
答え:③ 公害と環境
財政とは何? なぜ税金を納める?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)2ページ
答え:財政は、政府(国や地方公共団体)が、税金などでお金を集め、それを使って国民のために仕事をする経済の活動です。集めるお金が歳入、使うお金が歳出で、その1年間の計画が予算です。日本国憲法第30条は、国民に税金を納める義務を定めています。
Aさんの家では、家の人の給料から所得税と住民税が引かれ、買い物では消費税を払い、家と土地には固定資産税がかかります。これらの税金は、何に使われているのでしょうか。
| 身近な例 | 税金で支えられている中身 |
|---|---|
| 学校 | 公立の小・中学校の授業料は無料。教科書も無料 |
| ごみの収集 | 家庭のごみを集めて処理する |
| 道路や信号 | 道路をつくり、信号を設置する |
| 警察・消防 | 事件や火事のときに対応する |
歳入と歳出、予算:歳入は、国や地方公共団体の1年間の収入、歳出は1年間の支出です。国の予算は内閣がつくり、国会が議決します。国の歳入の中心は税金(租税)で、足りない分は国債で借ります。国の歳出で最も多いのは社会保障関係費(年金・医療・介護などにあてるお金)です。ほかに、国債の返済と利子の支払い(国債費)、地方公共団体に配る地方交付税交付金など、公共事業・教育・防衛などがあります。
なぜ税金を納めるのか:道路・学校・警察・消防や、病気や高齢で困ったときの支えは、もうけにならず、企業の力では十分に用意されにくい物です。そこで、みんなで税金を出し合い、政府が用意します。税の種類や税率は、国会が法律で決めます。合言葉は「税金は、みんなで出し合う暮らしの会費」です。
まちがえやすい
✕ 税金は、国が使うお金なので、私たちの暮らしには関係がない → ◯ 学校・道路・警察・消防・社会保障など、暮らしを支える仕事に使われる
基本次のア〜ウは、国の歳入と歳出のどちらにあたりますか。ア 税金(租税) イ 社会保障関係費(年金・医療・介護などにあてるお金) ウ 国債の返済と利子の支払い(国債費)
歳入は収入、歳出は支出です。税金は国の歳入の中心です。
答え:歳入=ア、歳出=イ・ウ
理由道路・学校・警察・消防などを、企業ではなく、みんなで税金を出し合って政府が用意するのは、なぜですか。「もうけ」の語を使って答えなさい。
「なぜ税金を納めるのか」の説明を思い出します。
答え:(例)もうけにならず、企業の力では十分に用意されにくい物だから。
税金にはどんな種類がある? 公平に負担するには?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)3ページ
答え:税は、納め先で国税と地方税、納める人と負担する人が同じかで直接税と間接税に分けられます。所得が多い人ほど高い税率をかけるしくみが累進課税で、所得が少ない人ほど所得に占める税の負担の割合が高くなることが消費税の逆進性です。
| 直接税 | 間接税 | |
|---|---|---|
| 国税 | 所得税・法人税・相続税 | 消費税・酒税・関税・揮発油税 |
| 地方税 | 住民税・固定資産税・事業税 | 地方消費税・たばこ税 |
国税は国に納める税、地方税は都道府県や市(区)町村に納める税です。直接税は税を納める人と負担する人が同じ税、間接税は異なる税です。所得税は個人の所得にかかる税、法人税は会社などの所得(利潤)にかかる税です。消費税は、商品を買った人が負担し、店などがまとめて国などに納めるので、間接税です。
累進課税:所得が多い人ほど、高い税率をかけるしくみ(所得税・相続税)で、所得の差を小さくする働きがあります。例(架空の税率):所得のうち、400万円までの部分は10%、400万円をこえる部分は30%とします。
| 所得 | 税額 | 割合 |
|---|---|---|
| 250万円 | 250万円×10%=25万円 | 10% |
| 800万円 | 400万円×10%+(800万円-400万円)×30%=40万円+120万円=160万円 | 20% |
消費税の逆進性:消費税は、所得の多い少ないに関係なく、同じ物を買えば同じ額の税を払います。例(架空):どちらも、1年に20万円の消費税を払います。
| 所得 | 消費税 | 割合 | |
|---|---|---|---|
| Aさん | 250万円 | 20万円 | 8% |
| Bさん | 1,000万円 | 20万円 | 2% |
同じ額を払っても、所得が少ないAさんの方が、所得に占める割合は高くなります。税の公平には、所得の多い人が多く負担する考え方(累進課税)と、同じ物を買えば同じ額を負担する考え方(消費税)があり、日本は直接税と間接税を組み合わせています。合言葉は「所得税は累進、消費税は逆進性」です。
まちがえやすい
✕ 消費税は、所得の多い人ほど税率が高くなる → ◯ 消費税は、だれでも同じ税率。所得が多いほど税率が高くなるのは所得税(累進課税)
基本次のア〜エを、直接税と間接税に分けなさい。ア 法人税 イ 消費税 ウ 住民税 エ 酒税
税の種類の表を見ます。
答え:直接税=ア・ウ、間接税=イ・エ
標準架空の税率で、所得のうち300万円までの部分は5%、300万円をこえる部分は20%とします。所得800万円の人が納める税額は、いくらですか。式も書きなさい。
300万円までの部分と、こえる部分に分けて計算します。300万円×5%=15万円、(800万円−300万円)×20%=500万円×20%=100万円です。
答え:300万円×5%+(800万円−300万円)×20%=15万円+100万円=115万円
標準CさんとDさんは、どちらも1年に15万円の消費税を払います。Cさんの所得は300万円、Dさんの所得は1,500万円です。(1)所得に占める消費税の割合は、それぞれ何%ですか。(2)所得が少ない人ほど負担の割合が高くなることを、何といいますか。
(1)Cさんは 15÷300=0.05、Dさんは 15÷1500=0.01 です。(2)消費税の課題として学んだ言葉です。
答え:(1)Cさん5%、Dさん1% (2)逆進性
政府は、税金で何をしている?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)4ページ
答え:政府は、税金で社会資本や公共サービスを提供します。財政には、資源配分の調整・所得の再分配・景気の安定化の3つの役割があります。
多くの人がいっしょに使い、使う人から料金を取りにくい物や、もうけが少ない物は、企業の力では十分に提供されにくいため、政府が税金で提供します。社会資本(インフラ)は、道路・橋・港・上下水道・公園・学校・図書館など、生活や産業の土台になる施設です。公共サービスは、警察・消防・教育・ごみの収集など、政府が国民に提供するサービスです。
| 提供する所 | 公共サービスの例 |
|---|---|
| 国 | 外交・防衛 |
| 都道府県 | 警察・高等学校(多く) |
| 市(区)町村 | 消防・ごみの収集・小学校と中学校(多く)・上下水道 |
| 役割 | 何をする | 例 |
|---|---|---|
| 資源配分の調整 | 社会資本や公共サービスを、税金を使って提供する | 道路・公園をつくる |
| 所得の再分配 | 所得の多い人から累進課税で多く集め、社会保障で生活に困っている人などを支え、所得の差を小さくする | 累進課税・社会保障 |
| 景気の安定化 | 財政政策で、景気の行きすぎや落ちこみをおさえる | 公共投資の量を変える |
所得の再分配の流れ:所得の多い人ほど、多く税を納めます(累進課税)。政府が、税金を集めます。生活に困っている人・高齢の人・子育て中の家庭などへ、社会保障として支えます。すると、所得の差が小さくなります。合言葉は「配る・ならす・安定させる」です。
まちがえやすい
✕ 警察も消防も、市町村の仕事 → ◯ 警察はおもに都道府県、消防は市(区)町村
基本次のア〜ウの仕事は、国・都道府県・市(区)町村のどれが主に行いますか。ア 外交 イ 警察 ウ ごみの収集
公共サービスを提供する所の表を見ます。
答え:ア=国、イ=都道府県、ウ=市(区)町村
標準次のア〜ウの場面は、財政の3つの役割のどれにあたりますか。ア 好況で景気が行きすぎているので、国が公共投資を減らす イ 市が、税金で新しい公園をつくる ウ 税金で集めたお金で、収入が無く生活に困っている人を支える
3つの役割の表の、「何をする」の列と見くらべます。
答え:ア=景気の安定化、イ=資源配分の調整、ウ=所得の再分配
理由所得の再分配を行うと、所得の差が小さくなるのは、なぜですか。「累進課税」「社会保障」の語を使って答えなさい。
所得の再分配の流れ(集める → 支える)を順に思い出します。
答え:(例)所得の多い人から累進課税で多く集め、そのお金を社会保障として生活に困っている人などに支えるから。
政府は、景気をどう安定させる? 国の借金とは?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)5ページ
答え:政府は、税の量(増税・減税)や公共投資の量を変える財政政策で、景気を安定させようとします。税金で足りない分は国債(借金)で借りますが、返すのは将来の世代で、国債費が増えるとほかの仕事に使えるお金が減ります。
公共投資(公共事業)は、道路・橋・ダムなどの社会資本をつくるために、政府がお金を使うことです。
| 不況のとき | 好況のとき(景気が行きすぎた時) |
|---|---|
| 公共投資を増やす・減税する | 公共投資を減らす・増税する |
| 企業の仕事が増え、家計の使えるお金が増える | 企業の仕事が減り、家計の使えるお金が減る |
| 生産や消費が活発になる | 生産や消費がおさえられる |
| 景気の回復をうながす | 景気の行きすぎをおさえる |
例(架空・不況のとき):A市で国が橋をつくる工事を行うと、建設会社の仕事が増えます。働く人の給料が増え、店での買い物が増えます。
| だれが | 何を変える | |
|---|---|---|
| 金融政策(前半) | 日本銀行 | 国債などの売り買いで、世の中に出回るお金の量 |
| 財政政策 | 政府 | 公共投資と税の量 |
国債と財政の課題:国債は、国が借金をするときに発行する証書で、税金で足りない分を補います。国債の返済と利子の支払いを国債費といいます。国債の残高は増え続け、1,000兆円をこえています(2020年代)。返すのは将来の世代で、国債費が増えると、社会保障や教育など、ほかの仕事に使えるお金が減ります。合言葉は「不況は増やして減らす(公共投資を増やし、税を減らす)」です。
まちがえやすい
✕ 国債を発行すれば、税金を集めなくても、いくらでも仕事ができる → ◯ 国債は借金で、利子をつけて返す。返すのは将来の世代
標準景気が行きすぎている好況のとき、政府が景気の行きすぎをおさえるために行うことを、ア〜エから2つ選びなさい。ア 公共投資を増やす イ 減税する ウ 増税する エ 公共投資を減らす
財政政策の表の、好況のときの列を見ます。
答え:ウ・エ
標準不況のとき、国が道路をつくる工事を行うと、景気の回復をうながす流れになります。次のア〜エを、起こる順に並べなさい。ア 工事を引き受ける会社の仕事が増える イ 国が、道路をつくる工事を行う ウ 店や企業の売り上げが増え、景気の回復をうながす エ 働く人の給料が増え、買い物が増える
橋をつくる工事の例と同じ流れです。工事 → 会社の仕事 → 給料と買い物 → 景気の回復、の順です。
答え:イ → ア → エ → ウ
社会保障とは何? 社会保険は、どうやって支え合う?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)6・7ページ
答え:社会保障は、病気・けが・高齢・失業・障がいなどで生活が苦しくなったときに、国や地方公共団体が生活を支えるしくみで、生存権にもとづきます。社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の4つの柱があり、社会保険は、保険料を出し合って支え合うしくみです。
生存権(日本国憲法第25条)は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と定めています。国は、社会保障などを向上させるよう努めなければなりません。
| 柱 | 何をする | 例 |
|---|---|---|
| 社会保険 | 加入する人が保険料を納め、病気・高齢・失業などのときに給付を受ける | 医療保険・年金保険・介護保険 |
| 公的扶助 | 生活に困っている人に、生活保護法にもとづいて生活費や教育費などを支給する | 生活保護 |
| 社会福祉 | 高齢者・障がいのある人・子ども・ひとり親の家庭など、支えが必要な人に、施設やサービスを提供する | 保育所・老人ホーム |
| 公衆衛生 | 感染症の予防・予防接種・上下水道の整備・ごみの処理などで、人々の健康を守る | 予防接種・保健所 |
| 場面 | 4つの柱 |
|---|---|
| かぜで病院にかかる | 社会保険(医療保険) |
| 保育所や老人ホームを利用する | 社会福祉 |
| インフルエンザの予防接種を受ける。保健所が感染症を防ぐ | 公衆衛生 |
| 収入が無く、生活できない | 公的扶助 |
社会保険のしくみ:社会保険は、加入している人がふだんから保険料を出し合い、病気・高齢・失業などになった人に給付するしくみで、みんなで支え合います。国や事業主(会社)も、費用の一部を出します。
| 種類 | 何のとき | 何を受ける |
|---|---|---|
| 医療保険 | 病気やけがをしたとき | かかった医療費の一部を自分で払い、残りは保険から |
| 年金保険 | 高齢・障がいなど | 年金を受け取る |
| 介護保険 | 介護が必要になったとき | 介護のサービス。40歳以上の人が加入して保険料を納める(2000年から) |
| 雇用保険 | 失業したとき | 給付を受ける |
| 労災保険 | 仕事が原因でけがや病気をしたとき | 給付を受ける |
医療費の例(架空):医療費が1万円で自己負担が3割なら、窓口で払うのは3,000円で、残りの7,000円は医療保険から払われます。すべての国民が、医療保険と年金保険に加入するしくみを国民皆保険・国民皆年金といい、1961年に実現しました。国民年金には、20歳以上60歳未満の人はみな加入します。
| 意味 | 例 | |
|---|---|---|
| 自助 | 自分や家族で備える | 貯金など |
| 共助 | 互いに支え合う | 社会保険 |
| 公助 | 国や地方公共団体が税金で支える | 公的扶助・社会福祉 |
合言葉は「保険・扶助・福祉・衛生」「みんなで出して、困った人に」です。
まちがえやすい
✕ 社会保障は、生活に困っている人だけのしくみ → ◯ 医療保険や年金など、だれもが使うしくみも多い
✕ 介護保険は、介護を受ける高齢者だけが保険料を納める → ◯ 40歳以上の人が加入して、保険料を納める
基本次のア〜エは、社会保障の4つの柱のどれにあたりますか。ア 生活保護法にもとづいて、生活に困っている人に生活費を支給する イ 年金を受け取る ウ 保育所を利用する エ ごみの処理で、人々の健康を守る
4つの柱の表の、「何をする」の列と見くらべます。
答え:ア=公的扶助、イ=社会保険、ウ=社会福祉、エ=公衆衛生
標準医療費が25,000円かかり、自己負担が3割のとき、(1)窓口で払う金額、(2)医療保険から払われる金額は、それぞれいくらですか。
(1)25,000×0.3=7,500円、(2)残りは 25,000−7,500=17,500円です。
答え:(1)7,500円 (2)17,500円
標準次のア〜ウは、自助・共助・公助のどれにあたりますか。ア 貯金をして、病気やけがに備える イ 介護保険に加入して、保険料を納める ウ 保育所のサービスを、税金で提供する
自助・共助・公助の表の、「例」の列と見くらべます。
答え:ア=自助、イ=共助、ウ=公助
少子高齢化は、社会保障にどんな影響がある?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)8ページ
答え:少子高齢化は、生まれる子どもの数が減り、人口に占める65歳以上の割合が高くなることです。高齢者が増えて現役世代が減るので、保険料や税金を納める人は減るのに給付を受ける人は増え、現役世代1人あたりの負担が重くなります。
| 区分 | 年齢と特色 |
|---|---|
| 年少人口 | 0〜14歳 |
| 生産年齢人口 | 15〜64歳。主に働いて、税金や保険料を納める世代(現役世代) |
| 老年人口 | 65歳以上(高齢人口ともいう) |
社会保障給付費は、年金・医療・介護などで、国民に給付されるお金で、高齢者が増えて、増え続けています。最も多いのは年金です。
図の黒の人が高齢者、白の人が現役世代です。多くの現役世代で高齢者1人を支える形(胴上げ型)から、少ない人数で支える形(騎馬戦型)になり、1人で1人を支える形に近づいています(肩車型)。
現役世代の負担が重くなるわけ:高齢者の割合が増え、現役世代の割合が減ると、給付を受ける人は増えるのに、保険料や税金を納める人は減ります。そのため、現役世代1人あたりの負担が重くなり、社会保障の財源も足りなくなりやすくなります。少子化への取り組みの例は、保育所を増やす、育児休業を取りやすくする、子育ての費用を支える、などです。合言葉は「支える人が減り、支えられる人が増える」です。
まちがえやすい
✕ 高齢者が増えれば、保険料を納める人も増えるので、財源は足りる → ◯ 保険料や税を主に納める現役世代は減るので、足りなくなりやすい
標準ある町の人口は10,000人で、年少人口が1,500人、生産年齢人口が6,000人、老年人口が2,500人です。(1)老年人口は、人口の何%ですか。(2)老年人口1人を、生産年齢人口の何人で支えている計算になりますか。
(1)2,500÷10,000=0.25です。(2)6,000÷2,500=2.4人です。
答え:(1)25% (2)2.4人
理由少子高齢化が進むと、現役世代1人あたりの負担が重くなるのは、なぜですか。「保険料」「給付」の語を使って答えなさい。
高齢者と現役世代の割合が、それぞれどう変わるかを考えます。
答え:(例)高齢者が増えて給付を受ける人は増えるのに、保険料や税金を納める現役世代は減るから。
負担と給付のバランスをどう考える?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)9ページ
答え:社会保障の給付を手厚くするには、税金や保険料の負担を大きくすることが必要です。負担も給付も大きい考え方が大きな政府、負担をおさえて政府の仕事を少なくする考え方が小さな政府です。増税すると景気が悪くなることがあるので、社会保障の充実と経済成長の両立は難しいのです。
| 負担が大きい | 負担が小さい | |
|---|---|---|
| 給付 | 手厚い(高福祉高負担) | 少ない(低福祉低負担) |
| 近い国の例 | 北ヨーロッパの国(スウェーデンなど) | アメリカ |
大きな政府は、税などの負担は大きいが、政府が社会保障などの仕事を多く行う考え方です。小さな政府は、税などの負担を小さくし、政府の仕事を少なくして、個人や企業に任せる考え方です。
増税と経済成長:増税すると、家計の使えるお金が減り、消費が減り、企業の生産が減って、景気が悪くなることがあります。
社会保障の見直しと、案のくらべ方:見直しの例は、保険料や税金を引き上げる、医療費などの自己負担を引き上げる、年金を受け取り始める年齢を遅くする、働く高齢者を増やす、少子化への取り組みを進める、などです。案は、負担と給付の向きでくらべられます。例(架空):A案「税を上げて、保育所や介護のサービスを増やす」は負担が大きく給付が多い案、B案「税を上げず、サービスは今のまま」は負担と給付をおさえる案です。合言葉は「手厚くすれば、負担も大きく」です。
まちがえやすい
✕ 社会保障を手厚くしても、税金や保険料は増えない → ◯ 給付を手厚くするには、負担を大きくすることが必要になる
標準C案「税や保険料を下げて、サービスを減らす」とD案「税や保険料を上げて、サービスを手厚くする」があります。(1)C案とD案は、負担と給付がそれぞれどうなりますか。(2)大きな政府の考え方に近いのは、どちらですか。
案は、負担と給付の向きでくらべます。C案は負担も給付もおさえる案、D案は負担も給付も大きい案です。
答え:(1)C案=負担が小さく給付が少ない、D案=負担が大きく給付が多い (2)D案
公害は、なぜ起こり、どう取り組んできた?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)10ページ
答え:公害は、企業の生産活動や人々の生活によって、地域の人々の健康や生活環境がそこなわれることです。高度経済成長のころ、生産を優先して公害が深刻になり、被害が大きかった4つを四大公害病といいます。1967年に公害対策基本法、1971年に環境庁ができました。
公害には、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭の7つがあります。高度経済成長(1950年代後半〜1970年代初め)のころ、生産を優先して、各地で公害が深刻になりました。
| 病名 | 地域 | 原因 |
|---|---|---|
| 水俣病 | 熊本県・鹿児島県の八代海沿岸 | 工場の排水にふくまれた有機水銀 |
| 新潟水俣病 | 新潟県の阿賀野川流域 | 工場の排水にふくまれた有機水銀 |
| イタイイタイ病 | 富山県の神通川流域 | 鉱山から流れ出たカドミウム |
| 四日市ぜんそく | 三重県四日市市 | 石油化学コンビナートの工場から出たけむり(大気汚染) |
被害を受けた住民が、原因の企業を相手に裁判を起こし、1970年代の前半に4つとも患者側が勝訴しました(四大公害裁判)。
公害への取り組み:住民の運動と世論の高まりを受けて、1967年に公害対策基本法、1971年に環境庁(今の環境省)ができました。公害対策基本法は、公害を防ぐための法律で、国・地方公共団体・企業の責任を定めました。国より先に、条例で工場のけむりや排水の規制を強めた地方公共団体もありました。こうした取り組みで、工場など企業が原因の公害は減りました。合言葉は「水俣・新潟は有機水銀、イタイイタイはカドミウム、四日市はけむり」です。
まちがえやすい
✕ 四日市ぜんそくは、工場の排水が原因 → ◯ 石油化学コンビナートの工場から出たけむり(大気汚染)
基本次のア・イの地域で起きた公害病の名前と原因を答えなさい。ア 熊本県・鹿児島県の八代海沿岸 イ 新潟県の阿賀野川流域
四大公害病の表の、「地域」の列と見くらべます。
答え:ア=水俣病・有機水銀、イ=新潟水俣病・有機水銀
理由高度経済成長のころ、各地で公害が深刻になったのは、なぜですか。「生産」の語を使って答えなさい。
公害が深刻になった時期の説明を思い出します。
答え:(例)生産を優先したから。
ごみや資源の問題に、どう取り組む?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)11ページ
答え:企業が原因の公害が減る一方で、暮らしから生まれる環境問題が目立つようになり、1993年に環境基本法、2000年に循環型社会形成推進基本法ができました。資源をくり返し使いごみを減らす循環型社会をめざし、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に取り組みます。
自動車の排気ガス・生活の騒音・家庭のごみなど、私たちの暮らしから生まれる問題が目立つようになりました。地球温暖化などの地球環境問題も広がりました。
| 年 | 法律 | 中身 |
|---|---|---|
| 1967年 | 公害対策基本法 | 工場などの公害を防ぐ |
| 1993年 | 環境基本法 | 暮らしの環境問題や地球環境問題にも取り組む |
| 2000年 | 循環型社会形成推進基本法 | ごみを減らし資源を生かす社会へ |
大量生産・大量消費・大量廃棄の暮らしでは、ごみが増え、資源がむだになります。循環型社会は、資源をくり返し有効に使い、ごみ(廃棄物)をできるだけ減らして、環境への負担を小さくする社会です。
| 3R | 何をする | 例 |
|---|---|---|
| リデュース | ごみになる物を減らす | 買い物にマイバッグを持っていく・つめかえ用の商品を選ぶ |
| リユース | くり返し使う | 古着や古本を使う・びんを洗ってまた使う |
| リサイクル | 資源として再び利用する | ペットボトルを回収して服の繊維に・アルミ缶をとかして新しいアルミ缶に |
取り組む主体は、住民(分別・3R)、企業(リサイクルしやすい製品・工場の排水やけむりの処理)、国や地方公共団体(法律や条例・ごみの分別の決まり)です。水俣病を経験した熊本県水俣市は、ごみの細かい分別やリサイクルに市民と取り組み、2008年に国の「環境モデル都市」に選ばれました。合言葉は「減らす・くり返す・資源にする」です。
まちがえやすい
✕ リサイクルすれば、ごみをいくら出してもよい → ◯ まずごみを減らし(リデュース)、次にくり返し使い(リユース)、最後に資源にする(リサイクル)
基本次のア〜ウは、3Rのどれにあたりますか。ア 着なくなった服を、フリーマーケットで売る イ 使い捨てのスプーンを断り、自分の箸を使う ウ 飲み終わったペットボトルを回収して、服の繊維にする
3Rの表の、「何をする」の列と見くらべます。
答え:ア=リユース、イ=リデュース、ウ=リサイクル
標準次のア〜エを、法律ができた古い順に並べなさい。ア 循環型社会形成推進基本法 イ 環境基本法 ウ 公害対策基本法 エ 環境庁の設置
ウ=1967年、エ=1971年、イ=1993年、ア=2000年です。
答え:ウ → エ → イ → ア
国の経済の大きさは、どう測る?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)12ページ
答え:国内総生産(GDP)は、1年間に、国内で新しく生み出された財やサービスの価値(付加価値)の合計で、国の経済の大きさを表します。GDPが増えることが経済成長、GDPを人口で割った物が1人あたりGDPです。
付加価値は、売り上げから、原材料などほかから買った物の代金を引いた物です。例(架空):農家が小麦を2万円で製粉会社に売り、製粉会社が小麦粉を5万円でパン屋に売り、パン屋がパンを10万円で売ります。
| 新しく生まれた価値(付加価値) | わけ | |
|---|---|---|
| 農家 | 2万円 | 小麦を売った分 |
| 製粉会社 | 5万円-2万円=3万円 | 小麦の代金を引く |
| パン屋 | 10万円-5万円=5万円 | 小麦粉の代金を引く |
| 合計 | 2万円+3万円+5万円=10万円 | これがGDPに数えられる |
売り上げを全部足した17万円ではありません。小麦の分を何回も数えないためです。
| 例(架空) | |
|---|---|
| 経済成長率 | GDPが500兆円から510兆円になった → 510-500500×100=2(%) |
| 1人あたりGDP | GDPが100兆円で人口が2,000万人 → 100兆円÷2,000万人=500万円 |
経済成長率は、GDPが前の年から何%増えたかです。日本は、高度経済成長の時期に経済成長率が高かったが、その後は低い成長が続いています。合言葉は「GDPは、新しく生まれた価値の合計」です。
まちがえやすい
✕ GDPは、生産された物の売り上げを全部足した物 → ◯ 原材料などの分を引いた付加価値の合計(何回も数えない)
標準漁師が魚を2万円で加工場に売り、加工場が干物にして5万円で問屋に売り、問屋が8万円で小売店に売り、小売店が10万円で消費者に売ります。(1)問屋が新しく生み出した付加価値は、何万円ですか。(2)4者の付加価値の合計は、何万円ですか。(3)4者の売り上げを全部足すと、何万円ですか。
付加価値は、売り上げから仕入れの代金を引いた物です。(1)問屋は 8−5=3万円です。(2)漁師 2、加工場 5−2=3、問屋 3、小売店 10−8=2 なので、2+3+3+2=10万円です(最後の売り上げ10万円と一致します)。(3)2+5+8+10=25万円で、これはGDPには数えません。
答え:(1)3万円 (2)10万円 (3)25万円
標準(1)GDPが600兆円から624兆円になりました。経済成長率は何%ですか。(2)GDPが45兆円で、人口が1,000万人の国の1人あたりGDPは、何万円ですか。
(1)(624−600)÷600×100=24÷600×100=4(%)です。(2)1兆円÷1,000万人=10万円なので、45兆円÷1,000万人=10万円×45=450万円です。
答え:(1)4% (2)450万円
本当の豊かさとは? 持続可能な社会のために何ができる?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)13ページ
答え:GDPには、お金のやり取りが無い物や値段がつかない物は表れません。公害や事故の後片づけにかかった費用は、GDPを増やします。そこで、人間開発指数などのほかの物差しもあります。持続可能な社会は、将来の世代が必要とする物をそこなわずに、今の世代の必要を満たす社会です。
| GDPで表せない物 | なぜ表せないか |
|---|---|
| 家族の家事や子育て・ボランティア | お金のやり取りが無い |
| 自然環境のよさ | 値段がつかない |
| 健康や自由な時間 | お金に直せない |
| 所得の差(格差) | 合計や平均では見えない |
反対に、公害や事故の後片づけにかかった費用は、GDPを増やします。GDPが増えても、人々が豊かになったとは限りません。
| 物差し | 何で測るか |
|---|---|
| GDP | 国内で新しく生み出された価値の合計 |
| 1人あたりGDP | GDPを人口で割った物 |
| 人間開発指数 | 国連が、健康(平均寿命)・教育・所得で国の豊かさを測る |
| 国民総幸福量(GNH) | ブータンが、人々の幸福を重く見て測る |
持続可能な社会:経済の成長と、環境の保全・だれもが安心して暮らせる社会(社会保障)を両立させます。2015年に国連で、持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。私たちにできることの例は、3R・電気や水をむだにしない・環境に配慮した商品を選ぶ・税金や社会保障のしくみを知り、選挙で意見を示す、などです。合言葉は「豊かさはGDPだけで測れない」です。
まちがえやすい
✕ GDPが増えれば、だれもが豊かになったといえる → ◯ 公害の後片づけでもGDPは増え、家事や自然のよさは表せない
基本次のア・イは、人間開発指数と国民総幸福量(GNH)のどちらの説明ですか。ア ブータンが、人々の幸福を重く見て測る イ 国連が、健康(平均寿命)・教育・所得で国の豊かさを測る
豊かさの物差しの表の、「何で測るか」の列を見ます。
答え:ア=国民総幸福量(GNH)、イ=人間開発指数
理由家族の家事や子育てが、GDPで表せないのは、なぜですか。「お金」の語を使って答えなさい。
GDPで表せない物の表の、1行目の「なぜ表せないか」を見ます。
答え:(例)お金のやり取りが無いから。
後半のまとめ:政府は、税金で暮らしをどう支え、どんな社会をめざす?
📄 プリント②(財政と国民の福祉)14ページ
答え:政府は、税金や国債でお金を集め、社会資本や公共サービス・社会保障で暮らしを支え、累進課税と社会保障で所得の差を小さくし、財政政策で景気を安定させます。少子高齢化で現役世代の負担が重くなるので、負担と給付のバランスを考える必要があります。公害の経験から環境を守るしくみをつくり、循環型社会をめざしています。これからは、GDPだけでなく、環境や安心も大切にする持続可能な社会をめざします。
ステップチャート:①政府は税金などで歳入を集め、予算にもとづいて歳出として使う(財政) → ②税には直接税と間接税があり、累進課税と消費税を組み合わせる → ③財政は、社会資本や公共サービスを提供し、所得を再分配する → ④政府は財政政策で景気を安定させ、足りない分は国債で借りる → ⑤社会保障は生存権にもとづき、4つの柱で生活を支える → ⑥社会保険は、保険料を出し合って支え合う → ⑦少子高齢化で、現役世代の負担が重くなる → ⑧負担と給付のバランスを考え、社会保障と経済成長の両立をめざす → ⑨公害を防ぐ法律と取り組みが進んだ → ⑩ごみを減らし資源を生かす循環型社会をめざす → ⑪経済の大きさはGDPで測る → ⑫豊かさはGDPだけで測れず、持続可能な社会をめざす。
まちがえやすい
✕ 景気を安定させる政策は、財政政策だけ → ◯ 日本銀行の金融政策(出回るお金の量)と、政府の財政政策(公共投資と税の量)の2つがある
標準次のア〜ウを、「後半のステップチャート」の順に並べなさい。ア 少子高齢化で、現役世代の負担が重くなる イ 税には直接税と間接税があり、累進課税と消費税を組み合わせる ウ 経済の大きさはGDPで測る
税の種類(②)→ 少子高齢化(⑦)→ GDP(⑪)の順につなぎます。
答え:イ → ア → ウ
基本次のア〜ウは、後半で学ぶ4つ(①税金と財政/②社会保障と少子高齢化/③公害と環境/④豊かさと持続可能な社会)のどれにあたりますか。ア 四大公害病 イ 社会保障の4つの柱 ウ GDP
後半の全体像の表の、「問い」の列と見くらべます。
答え:ア=③、イ=②、ウ=④
✅ 一問一答で総チェック(20問)
問題を読んで、答えを頭の中で言ってからタップしましょう。答えが出ます。
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貨幣の3つの働きのうち、お金を払って品物やサービスと交換する働きを何といいますか。
答え:交換の仲立ち
-
お金が余っている人や企業から、足りない人や企業へお金を融通することを何といいますか。
答え:金融
-
企業が株式や社債を発行して、家計などから直接お金を集めることを何といいますか。
答え:直接金融
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企業が借金をするときに発行する証書を何といいますか。
答え:社債
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元金に対する、1年あたりの利子の割合を何といいますか。
答え:利子率
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景気が、好況→後退→不況→回復→好況…とくり返し変わることを何といいますか。
答え:景気変動
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物価が上がり続けることを何といいますか。
答え:インフレーション
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日本の中央銀行を何といいますか。
答え:日本銀行
-
日本銀行が、一般の銀行との間で国債などを売り買いする、金融政策の主な方法を何といいますか。
答え:公開市場操作
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異なる通貨を交換するときの比率を何といいますか。
答え:為替相場
-
外国の通貨に対して、円の価値が上がることを何といいますか。
答え:円高
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円高などで、企業が工場を海外に移し、国内の生産や雇用が減ることを何といいますか。
答え:産業の空洞化
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国や地方公共団体の、1年間の収入を何といいますか。
答え:歳入
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所得が多い人ほど、高い税率をかけるしくみを何といいますか。
答え:累進課税
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税を納める人と負担する人が異なる税を何といいますか。
答え:間接税
-
政府が、税の量や公共投資の量を変えて、景気を安定させようとすることを何といいますか。
答え:財政政策
-
社会保障の4つの柱のうち、加入する人が保険料を納め、病気や高齢のときに給付を受けるしくみを何といいますか。
答え:社会保険
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15〜64歳の、主に働いて税金や保険料を納める世代の人口を何といいますか。
答え:生産年齢人口
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資源をくり返し有効に使い、ごみをできるだけ減らして、環境への負担を小さくする社会を何といいますか。
答え:循環型社会
-
1年間に、国内で新しく生み出された財やサービスの価値の合計を何といいますか。
答え:国内総生産
まとめ
前半では、お金には交換の仲立ち・価値の尺度・価値の貯蔵の働きがあり、金融が余っている所から足りない所へお金を回すことを学びました。銀行は預金・貸し出し・為替を行い、利子の差で収入を得ます。景気は好況と不況をくり返し、日本銀行は金融政策で景気と物価を安定させます。円高は1ドルに要る円が前より少ない状態で輸入に有利、円安は多い状態で輸出に有利です。後半では、政府が税金を集めて社会資本・公共サービス・社会保障で暮らしを支え、累進課税と社会保障で所得の差を小さくし、財政政策で景気を安定させることを学びました。少子高齢化で現役世代の負担が重くなるので、負担と給付のバランスを考えます。公害の経験から循環型社会をめざし、豊かさはGDPだけで測れないので、持続可能な社会をめざします。
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説明 1〜10ページ/確認問題 11〜13ページ/覚えることの一覧 14ページ/答えと解説 15・16ページ
説明 1〜14ページ/確認問題 15〜17ページ/覚えることの一覧 18ページ/答えと解説 19・20ページ

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