【中3数学】多項式(展開と因数分解)の要点まとめ|乗法公式と因数分解のコツ

⏱ 30秒でわかる この単元の要点

  • 展開=かっこをはずして和の形にすること。前のかっこの各項を、後ろのかっこの全部の項にかける
  • 乗法公式①(x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+ab ②(x+a)²=x²+2ax+a² ③(x−a)²=x²−2ax+a² ④(x+a)(x−a)=x²−a²
  • 因数分解は展開の逆。まず共通因数をくくり出し、次に項の数と形で公式①′〜④′を選ぶ
  • 公式①′は、積が定数項・和が x の係数になる2数を見つける。定数項の符号で2数の符号が決まる
  • 数の性質や図形の性質は、文字で表して展開・因数分解し、□×(整数) の形などにして証明する

つまずき注意:(x−5)² を x²−25 としない。真ん中の項 −10x が必要で、正しくは x²−10x+25。

中3数学「多項式」を、図と例題で1つずつ確かめるページです。この単元は、かっこをはずして和の形にする「展開」と、積の形に表す「因数分解」が土台で、乗法公式4つを左右入れかえると因数分解の公式になります。どの見出しも「答え → 図 → 理由 → 解き方」の順に書いています。紙に書いて練習したい人は、下の無料プリントを使ってください。

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▶ 多項式 授業用プリント(全25ページ)

このプリントは「多項式」の単元全体(全25ページ)です。説明 1〜16ページ/確認問題 17〜21ページ/答えと解説 22〜25ページ。この記事の見出しごとに、対応するプリントのページを書いています。

📘 教科書では何章? → 7社とも「1章」です
教科書 章
新編 新しい数学3東京書籍 1章 文字式を使って説明しよう[多項式]教科書 p.11〜40
数学の世界3大日本図書 1章 多項式
中学校数学3学校図書 1章 式の計算
中学数学3教育出版 1章 式の計算
未来へひろがる数学3啓林館 1章 式の展開と因数分解
これからの数学3数研出版 1章 式の計算
中学数学3日本文教出版 1章 式の展開と因数分解

各出版社が公開している年間指導計画(2025年度から使われている教科書)をもとにまとめました。ページは、公開されている東京書籍だけ載せています。使っている教科書は、表紙の書名で確かめてください。

単項式×多項式・多項式÷単項式:全部の項にかける、わる

📄 プリント1・2ページ

答え:単項式×多項式は、中2の 3(2x+1)=6x+3 と同じ分配法則で、かっこの中の全部の項に符号ごとかけます。多項式÷単項式は、1本の分数線にして全部の項をわります。

アイABP2a2b
コースア(大きな半円)とコースイ(2つの半円)

きっかけ:直線 AB 上の点 P をはさんで、AP=2a m、PB=2b m とします。A から B まで、コースア(AB を直径とする半円)とコースイ(AP と PB を直径とする2つの半円)を同じ速さで進むと、長さは次のようになります。

12×2π(a+b) アの長さ(半径 a+b の円周の半分)
=π(a+b) 12×2=1
=πa+πb 分配法則
12×2πa+12×2πb イの長さ(半径 a の半円と半径 b の半円)
=πa+πb 12×2=1

どちらも πa+πb なので、P をどこに動かしても同時にゴールします。では、コースの間の面積はどうなるでしょうか。(a+b)² のような多項式どうしのかけ算は、中2までの計算ではかっこをはずせません(中2は数×多項式まで)。この記事を読み進めると、面積が πab になることが分かります(最後の見出し)。

単項式×多項式:a(b+c)=ab+ac。かっこの中の項がいくつでも、全部の項にかけます。

3x(2x−y) もとの式
=3x×2x+3x×(−y) 分配法則
=6x²−3xy 計算する

2つの積の差は、ひくほうの積をかっこにつけたまま展開してから、かっこをはずします。

2x(x−3)−x(4x−1) もとの式
=2x²−6x−(4x²−x) それぞれ展開する(ひくほうはかっこをつけたまま)
=2x²−6x−4x²+x かっこをはずす(符号が変わる)
=−2x²−5x 同類項をまとめる

多項式÷単項式:1本の分数線にして、全部の項をわります。

(8x²y−4xy)÷4x もとの式
=8x²y−4xy4x 分数の形にする
=8x²y4x−4xy4x 全部の項を 4x でわる
=2xy−y 約分する

わる式が分数のときは、×逆数にします。32a=3a2 なので、逆数は 23a です(a も分母に入ります)。

まちがえやすい

✕ 3x(2x−y) を 6x²−y とする(後ろの項にかけていない) → ◯ 6x²−3xy

✕ (6a²−9a)÷32a で、逆数を 23a とする → ◯ 23a

標準(4a²−6a)÷(−23a) を計算しなさい。
(4a²−6a)×(−32a) ÷分数は×逆数
=4a²×(−32a)−6a×(−32a) 分配法則
=−6a+9 約分する

多項式×多項式の展開:1つずつ、全部の組をかける

📄 プリント3ページ

答え:単項式や多項式の積の形の式を、かっこをはずして単項式の和の形に表すことを展開するといいます。(a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd のように、前のかっこの各項を、後ろのかっこの全部の項にかけます。

3b6ab2ab23a
(a+3)(b+2) の面積図

面積図で考える:縦 (a+3) m、横 (b+2) m の長方形の花だんの面積は、「縦×横」で (a+3)(b+2)、図の4つの部分の和で ab+2a+3b+6 です。同じ面積なので、(a+3)(b+2) を展開すると ab+2a+3b+6 になります。

(a+3)(b+2) もとの式(b+2 を M とおくと (a+3)M)
=a(b+2)+3(b+2) aM+3M の M を b+2 に戻す
=ab+2a+3b+6 分配法則

手順:① 前のかっこの1つ目の項を、後ろのかっこの全部の項にかける → ② 前のかっこの2つ目の項も同じようにかける(符号も項とセットで)→ ③ 同類項をまとめる。

(x+2)(x−5) もとの式
=x×x+x×(−5)+2×x+2×(−5) 1つずつかける
=x²−5x+2x−10 計算する
=x²−3x−10 −5x+2x

かっこの中が3つの項なら、2×3=6つの積になります。(x−3y)(2x+y−1)=2x²+xy−x−6xy−3y²+3y=2x²−5xy−3y²−x+3y です。

まちがえやすい

✕ (x+2)(x−5) で、2×(−5) を +10 とする(符号を項からはなした) → ◯ −10

標準(a+2)(3a−b+4) を展開しなさい。
(a+2)(3a−b+4) もとの式
=3a²−ab+4a+6a−2b+8 a と 2 を、3a、−b、4 にそれぞれかける(6つの積)
=3a²−ab+10a−2b+8 4a+6a=10a

乗法公式①:(x+a)(x+b)=たして x の係数、かけて定数項

📄 プリント4ページ

答え:乗法公式① (x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+ab。x の係数は a と b の和、定数項は積です。a と b に入れる数は、符号もいっしょに決めます。

x²axbxabxaxb
(x+a)(x+b) の面積図

公式を導く:面積の和が展開した式になります。

(x+a)(x+b) もとの式
=x²+bx+ax+ab 展開する(図の4つの部分の和)
=x²+(a+b)x+ab 同類項(ax+bx)をまとめる

公式①を使う:

(x+3)(x−7) もとの式
=x²+(3+(−7))x+3×(−7) 公式①(a=3、b=−7)
=x²−4x−21 計算する
(x−2)(x−9) もとの式
=x²+((−2)+(−9))x+(−2)×(−9) 公式①(a=−2、b=−9)
=x²−11x+18 両方負なら、積は正

x が a のような別の文字でも同じです。(a−6)(a+1)=a²+((−6)+1)a+(−6)×1=a²−5a−6 です。公式①が使えるのは、2つのかっこで x の係数が同じ (x+a)(x+b) の形のときです。(2a−3)(a+4) のように係数がちがうものは、「多項式×多項式の展開」の見出しの方法で展開します。

まちがえやすい

✕ (x+3)(x−7) で、x の係数を 3×(−7)、定数項を 3+(−7) とする(逆にした) → ◯ x の係数は和、定数項は積

基本(x−5)(x+9) を展開しなさい。
(x−5)(x+9) もとの式
=x²+((−5)+9)x+(−5)×9 公式①(a=−5、b=9)
=x²+4x−45 和は 4、積は −45

乗法公式②③:(x+a)²、(x−a)² は真ん中の項を忘れない

📄 プリント5ページ

答え:乗法公式② (x+a)²=x²+2ax+a²、乗法公式③ (x−a)²=x²−2ax+a²。真ん中の項は、a と x の積の2倍です。

x²axaxa²xaxa
(x+a)² の面積図

公式を導く:公式①で b を a にすると、(x+a)(x+a)=(x+a)² の展開になります。図では、1辺 x+a の正方形が x²・ax・ax・a² に分かれます。

(x+a)² 同じものを2回かける
=(x+a)(x+a) かけ算の形に書く
=x²+(a+a)x+a×a 公式①(b を a にする)
=x²+2ax+a² ax が2つで 2ax

③は、②の a を −a にした形です。(x−a)²=x²+2×(−a)×x+(−a)²=x²−2ax+a² となります。

(x+6)² もとの式
=x²+2×6×x+6² 公式②(a=6)
=x²+12x+36 計算する

a が分数のときも同じです。(a−12)²=a²−2×12×a+(12)²=a²−a+14 です(2×12=1、(12)²=14)。

まちがえやすい

✕ (x−5)² を x²−25 とする → ◯ x²−10x+25。x=10 のとき、(x−5)² は (10−5)²=25 ですが、x²−25 は 10²−25=75 で合いません(真ん中の項 −10x を忘れた)

標準(y−23)² を展開しなさい。
(y−23)² もとの式
=y²−2×23×y+(23)² 公式③(x が y、a が 23)
=y²−43y+49 2×23=43、(23)²=49

乗法公式④:和と差の積は、2乗の差

📄 プリント6ページ

答え:乗法公式④ (x+a)(x−a)=x²−a²。公式①で b を −a にすると、x の項が 0 になって消えます。2つのかっこで同じ項を見つけて、残りの項で使う公式を選びます。

(x+a)(x−a) もとの式
=x²+(a+(−a))x+a×(−a) 公式①(b を −a にする)
=x²+0×x−a² a+(−a)=0 で x の項が消える
=x²−a² 公式④

公式④を使う:(x+8)(x−8)=x²−8²=x²−64。かっこの順が逆でも同じで、(y−3)(y+3)=y²−3²=y²−9 です。数が前にあるときは、前の数が公式の x の場所に入ります。(6−a)(6+a)=6²−a²=36−a² です。

4つの公式を見分ける:2つのかっこで同じ項を見つけ、残りの項を見ます。

同じ項を見つけたあと、残りの項は? 使う公式 例
ちがう数(④の形をのぞく) ① (x+4)(x+6)、(x+3)(x−7)
同じかっこの2乗(同じ数が2つ) ②・③ (x+6)²、(x−5)²
符号だけちがう同じ数 ④ (x+8)(x−8)、(6−a)(6+a)
同じ項が見つからない 公式は使えない (2a−3)(a+4)(多項式×多項式の方法)

まちがえやすい

✕ (x+8)(x−8) を x²+64 や x²−16x−64 とする → ◯ x²−64(真ん中の項は 0 で消える)

標準次の式を、使う公式の番号(①〜④)を答えてから展開しなさい。(1) (x+9)(x−9) (2) (x+3)(x−8) (3) (x−4)²

(1) 符号だけちがう同じ数なので④:x²−81

(2) ちがう数なので①:x²+(3−8)x+3×(−8)=x²−5x−24

(3) 同じかっこの2乗なので③:x²−2×4×x+4²=x²−8x+16

いろいろな式の展開:かたまりを1つの文字と見る

📄 プリント7ページ

答え:3x のような「数と文字の積」や、同じかたまり a+b は、1つの文字と見て公式に入れます。ひく式はかっこをつけたまま展開し、かっこをはずすときに符号を変えます。

(3x+5)(3x−2) もとの式
=(3x)²+(5−2)×3x+5×(−2) 公式①(a=5、b=−2)
=9x²+9x−10 (3x)²=9x²
(2x−3y)² もとの式
=(2x)²−2×3y×2x+(3y)² 公式③(x が 2x、a が 3y)
=4x²−12xy+9y² 計算する

置きかえ:同じかたまり a+b を M とおくと、公式が使える形になります。(a+b+2)(a+b−2) は (M+2)(M−2) なので、M²−4 を公式④で出し、M を a+b に戻して (a+b)²−4 とします。公式②で (a+b)² を展開すると、a²+2ab+b²−4 です。

組み合わせ:

(x+3)²−(x+4)(x−4) もとの式
=x²+6x+9−(x²−16) 公式②と④(ひくほうはかっこをつけたまま)
=x²+6x+9−x²+16 かっこをはずす(−16 が+16)
=6x+25 同類項をまとめる

誤りを見つける:「(2x+3)² を 4x²+9 とした」のは、公式②で展開してくらべると分かります。(2x)²+2×3×2x+3²=4x²+12x+9 で、真ん中の項 12x があります。

まちがえやすい

✕ (3x+5)(3x−2) の最初の項を 3x² とする → ◯ (3x)²=9x²

✕ −(x+4)(x−4) を、かっこをつけずに −x²−16 とする → ◯ −(x²−16)=−x²+16

標準(x−2)²−(x+5)(x−5) を計算しなさい。
(x−2)²−(x+5)(x−5) もとの式
=x²−4x+4−(x²−25) 公式③と④(ひくほうはかっこをつけたまま)
=x²−4x+4−x²+25 かっこをはずす(−25 が+25)
=−4x+29 同類項をまとめる
発展(a−b+4)(a−b−4) を展開しなさい。

a−b を M とおくと (M+4)(M−4) です。

(a−b+4)(a−b−4) もとの式(a−b を M とおく)
=(a−b)²−4² M²−4² を公式④で出し、M を a−b に戻す
=a²−2ab+b²−16 公式③で (a−b)² を展開

因数分解とは:積の形に表す・共通因数をくくり出す

📄 プリント8・9ページ

答え:多項式をいくつかの式の積の形に表すことを因数分解するといい、積の1つ1つの式を因数といいます。因数分解は展開の逆で、まず全部の項に共通な因数をくくり出します。

x²xxxxx111111x3x2
x²+5x+6 のカードの長方形
x²xxxx111x3x1
x²+4x+3 のカードの長方形

カードで長方形をつくる:1辺 x の正方形のカード(面積 x²)が1枚、縦 x・横 1 の長方形のカード(面積 x)が5枚、1辺 1 の正方形のカード(面積 1)が6枚あります。すき間なく並べると、縦は x+2、横は x+3 の長方形になります。カードの面積の和と縦×横が等しいので、x²+5x+6=(x+2)(x+3) です。同じように x²+4x+3 は、縦 x+1、横 x+3 の長方形になり、x²+4x+3=(x+1)(x+3) です。

どの並べ方でも、x のカードは「縦にたした数+横にたした数」枚、1 のカードは「縦にたした数×横にたした数」枚になります(1+3=4 枚、1×3=3 枚)。左から右が因数分解、右から左が展開です。

共通因数でくくる:ma+mb=m(a+b)(m が共通因数)。数は最大公約数、文字は全部の項に共通な文字を全部くくり出します。

3x²y+6xy もとの式
=3xy×x+3xy×2 共通因数は 3xy(3 と 6 の最大公約数 3、x と y)
=3xy(x+2) 3xy でくくる

確かめは、展開してもとの式に戻るかを見ます。3xy(x+2)=3x²y+6xy です。全部の項が共通因数のときは、その項から1 が残ります。x²y+xy=xy×x+xy×1=xy(x+1) です。

まちがえやすい

✕ x²+5x+6 で、x のカード5枚を 1 枚と 4 枚に分ける(1 のカードが 1×4=4 枚になり、6枚にならない) → ◯ 2枚と3枚に分ける(2×3=6 枚)

✕ 3x²y+6xy を 3(x²y+2xy) で止める(xy も共通) → ◯ 3xy(x+2)

基本x² のカード1枚、x のカード6枚、1 のカード8枚をすき間なく並べて長方形をつくるとき、縦と横の長さを x を使った式で表しなさい。

x のカード6枚を、和が 6、積が 8 になるように 2枚と4枚に分けます(2+4=6、2×4=8)。

答え:縦 x+2、横 x+4

標準10x²y−15xy²+5xy を因数分解しなさい。
10x²y−15xy²+5xy もとの式
=5xy×2x−5xy×3y+5xy×1 共通因数は 5xy(10、15、5 の最大公約数 5、x と y)
=5xy(2x−3y+1) 5xy でくくる(最後の項から 1 が残る)

因数分解の公式①′:積が定数項、和が x の係数

📄 プリント10ページ

答え:因数分解の公式①′ x²+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)(乗法公式①の左右を入れかえた形)。積が定数項、和が x の係数になる2数 a、b を見つけます。

x²xxxxxxx111111111111x4x3
x²+7x+12 のカードの長方形

x²+7x+12 は、x のカード7枚を縦に a 枚、横に b 枚に分けると、1 のカードは a×b=12 枚です。和が 7、積が 12 の2数は 3 と 4 なので、x²+7x+12=(x+3)(x+4) です。

2数の見つけ方:① 積が定数項になる2数の組を、負の数もふくめて全部書き出す → ② その中から、和が x の係数になる組を選ぶ → ③ (x+a)(x+b) に入れる → ④ 展開して、もとの式に戻るか確かめる。

積が15の2数 1と15 3と5 −1と−15 −3と−5
和 16 8 −16 −8

x²+8x+15 は、和が 8 になるのが 3 と 5 なので、(x+3)(x+5) です。

符号の見つけ方:定数項の符号で、2数の符号が決まります。

定数項 2数の符号 例
正 同じ符号(x の係数と同じ符号) x²−9x+14=(x−2)(x−7)(積14・和−9 → −2、−7)
負 ちがう符号(絶対値の大きいほうが、x の係数と同じ符号) x²−2x−15=(x+3)(x−5)(積−15・和−2 → 3、−5)

まちがえやすい

✕ x²−2x−15 を (x−3)(x+5) とする(展開すると x²+2x−15。符号の組が逆) → ◯ (x+3)(x−5)

基本x²+13x+36 を因数分解しなさい。
x²+13x+36 積 36、和 13 の2数は 4 と 9
=(x+4)(x+9) 公式①′(a=4、b=9)
標準x²−x−20 を因数分解しなさい。

定数項が負なので、2数の符号はちがいます。積が −20 になる組のうち、和が −1 になるのは 4 と −5 です。

x²−x−20 積 −20、和 −1 の2数は 4 と −5
=(x+4)(x−5) 公式①′(a=4、b=−5)

公式②′③′④′:2乗の形・2乗の差の因数分解

📄 プリント11ページ

答え:②′ x²+2ax+a²=(x+a)²、③′ x²−2ax+a²=(x−a)²、④′ x²−a²=(x+a)(x−a)。項の数と形を見て、使う公式を選びます。

公式①′で考えても出せます。x²+6x+9 は、積 9、和 6 の2数が 3 と 3 なので (x+3)(x+3)=(x+3)² です。同じ因数の積は2乗で表します。

x²+10x+25 もとの式
=x²+2×5×x+5² 25=5²、10=2×5
=(x+5)² 公式②′
9x²−25y² もとの式
=(3x)²−(5y)² 9x²=(3x)²、25y²=(5y)²
=(3x+5y)(3x−5y) 公式④′(x が 3x、a が 5y)

x²−14x+49=x²−2×7×x+7²=(x−7)²(公式③′)、x²−36=x²−6²=(x+6)(x−6)(公式④′)も同じ手順です。

公式を見分ける:

式の形 使う公式 例
項が2つで、「2乗−2乗」 ④′ x²−36、9x²−25y²
項が3つで、定数項が □² で、x の係数が 2×□(か −2×□) ②′・③′ x²+10x+25、x²−14x+49
そのほかの3つの項 ①′ x²+8x+15、x²−2x−15

定数項が 4 のように2乗の数でも、x の係数が 2×2=4 でなければ②′ではなく①′です。x²+5x+4 は、積 4、和 5 の2数が 1 と 4 なので (x+1)(x+4) です。

まちがえやすい

✕ x²−36 を (x−6)² とする → ◯ (x+6)(x−6)

✕ x²+36 を因数分解できる式とする → ◯ 2乗の和は、この単元の公式では因数分解できない

標準次の式を因数分解しなさい。(1) x²+18x+81 (2) x²−12x+36 (3) 25x²−4y²

(1) 81=9²、18=2×9 なので②′:(x+9)²

(2) 36=6²、12=2×6 なので③′:(x−6)²

(3) 25x²=(5x)²、4y²=(2y)² なので④′:(5x+2y)(5x−2y)

いろいろな因数分解:まず共通因数、次に公式

📄 プリント12ページ

答え:手順は、① 共通因数があればくくり出す → ② 項の数と形で公式を選ぶ → ③ かっこの中がさらに因数分解できないか確かめるです。同じかたまりは M とおき、因数分解したあと元の式に戻します。

2x²−8 もとの式
=2(x²−4) ① 共通因数 2 をくくる
=2(x+2)(x−2) ② 公式④′
2x²y−2xy−24y もとの式
=2y(x²−x−12) ① 共通因数 2y をくくる
=2y(x+3)(x−4) ② 公式①′(積 −12、和 −1 の2数は 3 と −4)

置きかえ:(x+y)²−5(x+y)+6 は、x+y を M とおくと M²−5M+6 です。公式①′で (M−2)(M−3) とし、M を x+y に戻して(x+y−2)(x+y−3) となります。(x+1)²−16 は、M²−4² から (M+4)(M−4) とし、M を x+1 に戻して (x+1+4)(x+1−4)=(x+5)(x−3)(かっこの中の数を計算する)です。

展開して整理してから:このままでは公式の形になっていない式は、展開して同類項をまとめてから因数分解します。

(x−1)(x+5)−7 もとの式
=x²+4x−5−7 展開する(公式①)
=x²+4x−12 同類項(−5−7)をまとめる
=(x+6)(x−2) 公式①′(積 −12、和 4 の2数は 6 と −2)

まちがえやすい

✕ 2x²−8 を 2(x²−4) で止める(x²−4 はまだ公式④′で分解できる) → ◯ 2(x+2)(x−2)

✕ 2x²−8 を (2x+4)(x−2) とする(かっこの中に共通因数 2 が残る) → ◯ 2(x+2)(x−2)

✕ (M−2)(M−3) のまま答える(M を戻し忘れ) → ◯ (x+y−2)(x+y−3)

標準3x²−48 を因数分解しなさい。
3x²−48 もとの式
=3(x²−16) ① 共通因数 3 をくくる
=3(x+4)(x−4) ② 公式④′
標準(a+b)²−7(a+b)+12 を因数分解しなさい。
(a+b)²−7(a+b)+12 もとの式(a+b を M とおくと M²−7M+12)
=(M−3)(M−4) 公式①′(積 12、和 −7 の2数は −3 と −4)
=(a+b−3)(a+b−4) M を a+b に戻す
発展(x+3)(x−8)+30 を因数分解しなさい。
(x+3)(x−8)+30 もとの式
=x²−5x−24+30 展開する(公式①)
=x²−5x+6 同類項(−24+30)をまとめる
=(x−2)(x−3) 公式①′(積 6、和 −5 の2数は −2 と −3)

数の性質を証明する:例で予想し、文字で証明する

📄 プリント13ページ

答え:例をいくつか調べると性質を予想できますが、例を調べただけでは、いつでも成り立つとは言えません。数を文字で表し、展開・因数分解して目的の形にすると、証明できます。

2つの続いた奇数 1と3 3と5 5と7 7と9
積に1を加えた数 1×3+1=4 3×5+1=16 5×7+1=36 7×9+1=64

4=2²、16=4²、36=6²、64=8² なので、「2つの続いた奇数の積に1を加えた数は、その間の偶数の2乗になる」と予想できます。

証明の書き方:① 数を文字で表す → ② 式をつくって、展開・因数分解する → ③ 目的の形にして、結論を書く。n を整数とすると、2つの続いた奇数は 2n+1、2n+3 と表されます。

(2n+1)(2n+3)+1 積に1を加えた数
=4n²+8n+4 公式①で展開し、同類項をまとめる
=4(n²+2n+1) 共通因数 4 をくくる
=4(n+1)² 公式②′
=(2n+2)² 2(n+1)=2n+2 の2乗

2n+2 は、2n+1 と 2n+3 の間の偶数です。したがって、予想は正しいことが証明できました。中2の証明は和のような1次式でしたが、中3では積や2乗の式を展開・因数分解して目的の形にします。

もう1つの性質:連続する3つの整数で、真ん中の数の2乗から1をひいた数は、両はしの数の積に等しい。真ん中の数を n とすると、両はしの数は n−1、n+1 で、(n−1)(n+1)=n²−1 です(公式④)。

まちがえやすい

✕ 2つの続いた奇数を 2n+1、2m+1 とおく(別の文字では、続いた数にならない) → ◯ 2n+1、2n+3

✕ 例を4つ調べただけで「いつでも成り立つ」とする → ◯ 例は予想まで。いつでもは文字で証明する

標準連続する2つの整数で、大きいほうの2乗から小さいほうの2乗をひいた差は、2つの整数の和に等しいことを証明しなさい。

小さいほうの整数を n とすると、大きいほうは n+1 と表されます。

(n+1)²−n² 大きい数の2乗−小さい数の2乗
=n²+2n+1−n² 公式②で展開
=2n+1 同類項をまとめる

2つの整数の和は n+(n+1)=2n+1 で、差と同じ式です。したがって、差は2つの整数の和に等しいことが証明できました。

数の計算・式の値のくふう:公式の形にして計算する

📄 プリント14ページ

答え:100 や 50 のようなきりのよい数との和や差にして、乗法公式を使うと、暗算に近い計算ができます。式の値は、先に因数分解や展開をして整理してから代入します。

102×98 もとの式
=(100+2)×(100−2) 100 との和と差にする
=100²−2² 公式④
=9996 10000−4
51² もとの式
=(50+1)² 50 との和にする
=50²+2×1×50+1² 公式②
=2601 2500+100+1

73²−27² は、公式④′(④を右から左へ使う)で (73+27)(73−27)=100×46=4600 です。

式の値:x=97 のとき x²+6x+9 の値は、そのまま代入すると計算が大変なので、先に因数分解して (x+3)² にします。(97+3)²=100²=10000 です。式が長いときは先に展開して整理します。a=14、b=−3 のとき (a+2b)²−(a−2b)² は、a²+4ab+4b²−(a²−4ab+4b²)=8ab とまとめてから代入し、8×14×(−3)=−6 です。

まちがえやすい

✕ 98² を (100−2)² として、100²−2² とする(真ん中の項 −2×2×100=−400 を忘れた) → ◯ 9604

基本次の計算を、くふうしてしなさい。(1) 301×299 (2) 49² (3) 85²−15²
301×299 もとの式
=(300+1)×(300−1) 300 との和と差にする
=300²−1² 公式④
=89999 90000−1
49² もとの式
=(50−1)² 50 との差にする
=50²−2×1×50+1² 公式③
=2401 2500−100+1
85²−15² もとの式
=(85+15)×(85−15) 公式④′
=100×70 かっこの中を計算する
=7000

倍数・カレンダー・計算の手順の証明

📄 プリント15ページ

答え:倍数の証明は、式を整理して□×(整数) の形にし、「( ) が整数であること」を書きます。カレンダーや計算の手順は、数を文字で表して、展開して整理します。

倍数の証明:2つの続いた奇数で、大きい数の2乗から小さい数の2乗をひいた差は、3²−1²=8、5²−3²=16、7²−5²=24 で、「8の倍数」と予想できます。n を整数として、2つの続いた奇数を 2n+1、2n+3 とします。

(2n+3)²−(2n+1)² 大きい数の2乗−小さい数の2乗
=4n²+12n+9−(4n²+4n+1) 公式②(ひくほうはかっこをつけたまま)
=8n+8 かっこをはずして、同類項をまとめる
=8(n+1) 共通因数 8 をくくる

n+1 は整数だから、8×(整数) の形で、8の倍数です。「8×(整数) の形」と「( ) が整数であること」の2つを書きます。

カレンダー:2026年10月のカレンダーで、2×2 の正方形で囲んだ4つの数は、右上×左下−左上×右下が、いつでも 7 になります(例:14×20−13×21=280−273=7)。左上の数を n とすると、右上は n+1、左下は n+7、右下は n+8 です。

(n+1)(n+7)−n(n+8) 右上×左下−左上×右下
=n²+8n+7−(n²+8n) 展開する(ひくほうはかっこをつけたまま)
=7 かっこをはずすと、同類項が消える

真ん中の数がある形(3×3 の正方形や十字の形)では、真ん中の数を n にすると、上下は n−7・n+7、左右は n−1・n+1 と表され、和と差の積が使えます。ななめの位置は、横の1と縦の7を合わせて表します(右下 n+8 は n+1+7)。

計算の手順を式にする:「ある整数に 5 をたして2乗した数から、その整数から 5 をひいて2乗した数をひくと、20 の倍数になる」。整数を n とすると、5 をたして2乗した数は (n+5)²、5 をひいて2乗した数は (n−5)² です。「2乗してから 6 をひく」なら (n+5)²−6 のように、2乗した式のあとでひきます。

(n+5)²−(n−5)² 前の結果−あとの結果(あとの式全体にかっこ)
=n²+10n+25−(n²−10n+25) 公式②③
=20n かっこをはずして整理

20×n の形で、n は整数だから、20 の倍数です。

まちがえやすい

✕ 8n+8 で止めて「8の倍数」と書く(8×(整数) の形にしていない) → ◯ 8(n+1) まで

✕ 「n+1 は整数だから」を書かない → ◯ ( ) が整数であることを書く

標準2つの続いた偶数で、大きいほうの2乗から小さいほうの2乗をひいた差は、4の倍数になります。このことを証明しなさい。

n を整数として、2つの続いた偶数を 2n、2n+2 とします。

(2n+2)²−(2n)² 大きい数の2乗−小さい数の2乗
=4n²+8n+4−4n² 公式②で展開
=8n+4 同類項をまとめる
=4(2n+1) 共通因数 4 をくくる

2n+1 は整数だから、4×(整数) の形で、4の倍数です。

図形の性質の証明:長さを文字で表し、式を変形する

📄 プリント16ページ

答え:図形の長さを文字で表し、面積を式にして展開・整理します。1辺 p m の正方形の池のまわりの、幅 a m の道では、道の面積 S と、道の真ん中を通る線の長さ ℓ の間に S=aℓ が成り立ちます。

池ap
正方形の池のまわりの道(池の1辺 p、道の幅 a)

正方形の池:1辺 p m の正方形の池のまわりに、幅 a m の道があります。

(p+2a)²−p² S=(外の正方形)−(池)
=p²+4ap+4a²−p² 公式②で展開
=4ap+4a² 整理する

真ん中の線は1辺 p+a の正方形なので ℓ=4(p+a) です。a×4(p+a)=4ap+4a² となり、S と同じ式なので S=aℓ です。

円形の池:半径 r m の円形の池のまわりに幅 a m の道があるとき、真ん中の線は半径 r+a2 の円です。

π(r+a)²−πr² S=(外の円)−(池)
=πr²+2πar+πa²−πr² 公式②で展開
=2πar+πa² 整理する

aℓ=a×2π(r+a2)=2πar+πa² (2×a2=a)となり、S と同じです。S=aℓ を使うと、道の面積を ℓ から求められます。r=20、a=2 なら、ℓ=2π(20+1)=42π、S=2×42π=84π m² です。

最初のコースの間の面積:最初の見出しの、アの半円からイの2つの半円をのぞいた部分の面積を、文字で表して展開します。

12π(a+b)²−12πa²−12πb² アの半円−イの2つの半円
=12π(a²+2ab+b²)−12πa²−12πb² 公式②で展開
=12πa²+πab+12πb²−12πa²−12πb² 分配法則
=πab 同類項をまとめる

まちがえやすい

✕ 道の真ん中を通る線の1辺を p+2a とする → ◯ 真ん中は両側に a2 ずつなので p+a

標準半径 15 m の円形の池のまわりに、幅 2 m の道があります。S=aℓ を使って、道の面積を求めなさい。ただし、円周率は π とします。

道の真ん中を通る線は、半径 r+a2=15+1=16(m)の円なので、ℓ=2π×16=32π です。

2×32π S=aℓ に a=2、ℓ=32π を代入
=64π 単位は m²

✅ 一問一答で総チェック(20問)

問題を読んで、答えを頭の中で言ってからタップしましょう。答えが出ます。

  1. かっこをはずして、単項式の和の形に表すことを何という?

    答え:展開

  2. 多項式をいくつかの式の積の形に表すことを何という?

    答え:因数分解

  3. 多項式を積の形に表したときの、1つ1つの式を何という?

    答え:因数

  4. (x+a)(x+b) を展開したとき、x の係数は a と b の何になる?

    答え:和

  5. (x+a)(x+b) を展開したとき、定数項は a と b を何したものになる?

    答え:積

  6. (x+a)² を展開したとき、真ん中の項は a と x の積の何倍になる?

    答え:2倍

  7. (x+a)(x−a) を展開すると?

    答え:x²−a²

  8. (x+a)(x−a) を展開すると消える項は?

    答え:x の項

  9. 全部の項に共通な因数を何という?

    答え:共通因数

  10. 共通因数をくくり出すとき、数についてはどんな数をくくり出す?

    答え:最大公約数

  11. x²+(a+b)x+ab を因数分解すると?

    答え:(x+a)(x+b)

  12. x²+8x+15 を因数分解するとき、積が定数項になる2数の組から、和が何になる組を選ぶ?

    答え:x の係数

  13. x²−a² を因数分解すると?

    答え:(x+a)(x−a)

  14. x²+36 のような2乗の和は、この単元の公式で因数分解できる?

    答え:できない

  15. a+b を M とおくように、同じかたまりを1つの文字にして計算することを何という?

    答え:置きかえ

  16. 続いた奇数をいくつか調べて、成り立ちそうな性質を見つけることを何という?

    答え:予想

  17. 文字を使って、いつでも成り立つことを示すことを何という?

    答え:証明

  18. 8n+8 を変形して、8の倍数であることを示すとき、どんな形にする?

    答え:8×(整数)

  19. 98² や 102×98 のような計算を、きりのよい数との何にして、公式を使うとくふうできる?

    答え:和や差

  20. 池のまわりの道で、幅を a、真ん中を通る線の長さを ℓ とするとき、道の面積 S を表す式は?

    答え:S=aℓ

まとめ

展開は、かっこの中の全部の項にかけて和の形にすることで、乗法公式①〜④で速く確実にできます。因数分解は展開の逆で、まず共通因数をくくり、次に項の数と形で公式①′〜④′を選びます。数の性質や図形の性質は、文字で表して展開・因数分解し、目的の形にして証明します。プリントの確認問題で、公式の選び方と符号の計算を手を動かして練習してみてください。

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▶ 多項式 授業用プリント(全25ページ)

説明 1〜16ページ/確認問題 17〜21ページ/答えと解説 22〜25ページ

保護者の方へ:この単元は、中2までの文字式の計算(分配法則・同類項)と、2乗や負の数の計算が土台です。「(x−5)² を x²−25 としていないか」は、x に10などの数を入れて両方の値をくらべると、お子さん自身が見つけやすくなります。
数学
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