【中2理科】酸化と還元の要点まとめ|同時に起こる反応と質量保存の法則

⏱ 30秒でわかる この単元の要点

  • 酸化=物質が酸素と結びつく変化(できた物質=酸化物)。還元=酸化物から酸素がとり除かれる変化
  • 還元が起こるときは、酸化も同時に起こる(酸化銅+炭素→銅+二酸化炭素)
  • 燃焼=熱や光を出して激しく酸化されること。スチールウールは酸素の分だけ重くなり、木炭は二酸化炭素が出て軽くなる
  • 発熱反応=熱を出して温度が上がる(化学かいろ)。吸熱反応=熱をうばって温度が下がる
  • 質量保存の法則=原子の種類と数は変わらないので、化学変化の前後で関係する物質全体の質量は変わらない

つまずき注意:加熱をやめるときは、先にガラス管を石灰水から出してから火を消す(石灰水の逆流を防ぐ)。

中2理科「酸化と還元」を、図と例題で1つずつ確かめるページです。この単元は、「酸素と結びつけば酸化、酸素をうばわれれば還元」の1つの言葉から考えられます。燃える・さびる・金属を取り出す・温度が変わる・質量が変わる、という身近なことを、酸素の動きでつなげて整理します。どの見出しも「答え → 図 → 理由 → 解き方」の順に書いています。紙に書いて練習したい人は、下の無料プリントを使ってください。

無料ダウンロード(登録不要)

▶ 酸化と還元・化学変化と質量の規則性 授業用プリント(全25ページ)

このプリントは「酸化と還元・化学変化と質量の規則性」の単元全体(全25ページ)です。この記事の内容は、説明 1〜10ページ・確認問題 15〜18ページ。残りの説明 11〜14ページ・確認問題 19・20ページは「化学変化と化学反応式」の記事で解説しています。この記事の見出しごとに、対応するページを書いています。

酸化とは? 木炭や銅を加熱すると何と結びつく?

📄 プリント1・2ページ

答え:物質が酸素と結びつく化学変化を酸化、酸化によってできた物質を酸化物といいます。木炭(炭素)は酸素と結びついて二酸化炭素に、銅は酸素と結びついて黒色の酸化銅になります。

木炭が燃えるとき:木炭(主な成分は炭素)を燃やすと、あとに少しの灰しか残らず、燃やす前より軽くなります。出てくる気体を集めて石灰水を入れてふると白くにごるので、炭素が酸素と結びついて二酸化炭素ができたと分かります。二酸化炭素は気体で空気中に出ていくので、残った物は軽くなります。

物質名の式:炭素 + 酸素 → 二酸化炭素 / 化学反応式:C + O₂ → CO₂

銅を加熱するとき:銅の粉末をステンレス皿にうすく広げてガスバーナーで加熱すると、銅色から黒色に変わります。できた黒色の物質は銅とはちがう物質で、銅と酸素が結びついた酸化銅です。銅は、炎を上げて燃えず、おだやかに結びつきます。

三脚ステンレス皿銅の粉末ガスバーナー加熱前(銅色)加熱後(黒色)
銅を加熱すると、銅色から黒色に変わる

物質名の式:銅 + 酸素 → 酸化銅

CC++OOO₂→OOCCO₂CuCu2Cu++OOO₂→CuOCuO2CuOC:左1・右1O:左2・右2Cu:左2・右2O:左2・右2
C + O₂ → CO₂ と 2Cu + O₂ → 2CuO(左右で原子の種類と数が同じ)

2Cu + O₂ → 2CuO は、Cu + O₂ → CuO(O:左2・右1)→ Cu + O₂ → 2CuO(Cu:左1・右2)→ 2Cu + O₂ → 2CuO の順に係数を決めて書きます。C + O₂ → CO₂ も 2Cu + O₂ → 2CuO も、左右で原子の種類と数が同じです。

もとの物質 酸素と結びついてできた物 状態
炭素 二酸化炭素 気体
銅 酸化銅 黒色の固体

まちがえやすい

✕ 木炭が燃えて軽くなるのは、木炭が消えてなくなったから → ◯ 炭素が酸素と結びついて二酸化炭素(気体)になり、空気中に出ていったから

基本次のア〜エのうち、酸化といえる変化をすべて選びなさい。ア 銅を加熱して黒くなる イ 氷が水になる ウ 木炭が燃えて二酸化炭素になる エ 食塩が水にとける

酸化は「物質が酸素と結びつく化学変化」です。アは銅が酸素と結びついて酸化銅になる変化、ウは炭素が酸素と結びついて二酸化炭素になる変化です。イは状態変化、エはとけるだけで、酸素と結びついていません。

答え:ア・ウ

標準2Cu + O₂ → 2CuO の左側と右側で、Cu の原子と O の原子はそれぞれ何個ありますか。

左側は、2Cu で Cu が2個、O₂ で O が2個です。右側は、2CuO で Cu が2個、O が2個です。

答え:Cu は左右とも2個、O は左右とも2個(左右で原子の種類と数が同じ)

スチールウールを燃やすと、重くなる? 軽くなる?

📄 プリント3ページ

答え:重くなります。スチールウール(鉄)は酸素と結びついて酸化鉄になり、固体のままその場に残るので、結びついた酸素の分だけ重くなります。

理由:木炭は燃えると二酸化炭素という気体になって出ていくので軽くなりました。鉄は燃えても、できた酸化鉄が固体のまま残ります。酸素が結びついた分だけ質量が増えるのです。

燃やす前スタンド糸棒スチールウールガスバーナー燃やした後燃やした方が下がるスタンド
同じ質量のスチールウールの片方だけを燃やすと、燃やした方が下がる

実験のやり方:

  • 棒のてんびんの左右に、同じ質量のスチールウールをつるして、つり合わせる(燃やした物と燃やさない物の質量をくらべるため)。
  • 片方だけに、ガスバーナーで火をつける。
  • 火が消えてから、棒の傾きを見る。燃やした方が下がり、結びついた酸素の分重くなったと分かる。
燃やす前 燃やした後
色 灰色っぽい銀色で光沢がある 黒っぽい
手ざわり 弾力がある もろく、ぼろぼろくずれる
電流 流れる 流れにくい
うすい塩酸に入れる 気体(水素)が発生する 気体がほとんど発生しない

燃やした後の物質は、鉄と酸素が結びついた酸化鉄で、鉄とはちがう物質です。鉄くぎがさびるのも、鉄が空気中の酸素とゆっくり結びつく変化です。

できた物 状態 質量
木炭(炭素) 二酸化炭素 気体(空気中に出ていく) 軽くなる
スチールウール(鉄) 酸化鉄 固体(その場に残る) 重くなる

まちがえやすい

✕ スチールウールを燃やすと、燃えて軽くなる → ◯ 酸素が結びついた分だけ重くなる

標準スチールウール 4.0 g を燃やすと、燃やした後の物質は 5.2 g になりました。増えた 1.2 g は何の質量ですか。

増えた質量:5.2 − 4.0 = 1.2(g)

鉄に結びついた物は酸素なので、増えた分は結びついた酸素の質量です。

答え:鉄に結びついた酸素の質量

基本鉄くぎがさびたとき、鉄くぎは何と結びついていますか。

鉄くぎがさびるのは、鉄が空気中の酸素とゆっくり結びつく変化です。

答え:空気中の酸素

燃焼とは? マグネシウムやエタノールが燃えるとき

📄 プリント4ページ

答え:燃焼は、物質が熱や光を出しながら激しく酸化されることです。マグネシウムは強い光と熱を出して燃え、白色の酸化マグネシウムになります。

スチールウールは火花を出して燃えましたが、銅は燃えずに黒くなりました。どちらも酸化です。激しく燃える酸化を、マグネシウムで見てみましょう。

強い光を直接見続けない火をつけるピンセットマグネシウムリボンガスバーナー蒸発皿の上で燃やす強い光と熱を出して燃える蒸発皿白い物質
マグネシウムリボンは強い光と熱を出して燃え、白い物質ができる

ピンセットではさんだマグネシウムリボン(銀色の金属)の先に、ガスバーナーの炎で火をつけ、蒸発皿の上で燃やします。強い光と熱を出して激しく燃え、白色の酸化マグネシウムができます。

物質名の式:マグネシウム + 酸素 → 酸化マグネシウム

化学反応式は、Mg + O₂ → MgO(O:左2・右1)→ Mg + O₂ → 2MgO(Mg:左1・右2)→ 2Mg + O₂ → 2MgO の順に書きます。

MgMg2Mg++OOO₂→MgOMgO2MgOMg:左2・右2O:左2・右2
2Mg + O₂ → 2MgO(左右で Mg が2個、O が2個)
酸化(物質が酸素と結びつく)燃焼(熱や光を出して激しく)木炭・マグネシウムスチールウール銅の加熱鉄のさび
燃焼は、酸化の一部

木炭・マグネシウム・スチールウールの燃え方は燃焼です。銅の加熱と鉄のさびは、熱や光を出す激しい変化ではないので、燃焼ではない酸化です。

有機物が燃えるとき:中1で学んだ有機物(エタノールなど。炭素をふくみ、多くは水素もふくむ)を燃やすと、炭素が酸素と結びついて二酸化炭素、水素が酸素と結びついて水ができます。集気びんの内側のくもりに青色の塩化コバルト紙をつけると赤色(桃色)になり、石灰水を入れてふると白くにごります。

まちがえやすい

✕ 燃焼と酸化は別の変化 → ◯ 燃焼は、熱や光を出しながら激しく進む酸化(酸化の一部)

✕ マグネシウムが燃える化学反応式は Mg + O → MgO → ◯ 酸素は分子 O₂ なので 2Mg + O₂ → 2MgO

基本次のア〜エのうち、燃焼といえる変化をすべて選びなさい。ア 銅を加熱して黒くなる イ 鉄くぎがさびる ウ マグネシウムリボンが強い光を出して燃える エ 木炭が燃える

燃焼は、熱や光を出しながら激しく酸化される変化です。ウとエは熱や光を出して激しく燃えます。アとイも酸化ですが、熱や光を出す激しい変化ではないので燃焼ではありません。

答え:ウ・エ

標準エタノールを燃やした集気びんの内側のくもりに、青色の塩化コバルト紙をつけると、赤色(桃色)に変わりました。くもりの正体は何ですか。また、同じ集気びんに石灰水を入れてふると白くにごりました。このことから、何ができたと分かりますか。

青色の塩化コバルト紙が赤色(桃色)になるのは、水がついたときです。石灰水が白くにごるのは、二酸化炭素があるときです。エタノールの水素は水に、炭素は二酸化炭素になります。

答え:くもりの正体は水。石灰水が白くにごったので、二酸化炭素ができた

酸化銅から、銅を取り出すには? 実験の手順とわけ

📄 プリント5ページ

答え:酸化銅と炭素の粉末を混ぜて加熱すると、酸化銅から酸素がうばわれて銅ができ、炭素は酸素と結びついて二酸化炭素になります。

物質名の式:酸化銅 + 炭素 → 銅 + 二酸化炭素

金属の多くは、自然の中では酸素などと結びついた物として産出されます。金属を取り出すには、酸化物から酸素をとり除けばよいのです。みがいた銅板を炎の外側に入れると黒くなり(酸化銅)、その黒い銅板を炎の内側(炎の中心の、まだ燃えていないガスがある所)に入れると、もとの銅の色にもどります。炎の中の物質が酸素をうばうからです。

炎の外側に入れる炎の外側炎の内側(中心)黒くなるるつぼばさみ黒い銅板を炎の内側に入れるもとの銅の色にもどる
黒くなった銅板を炎の内側に入れると、もとの銅の色にもどる

実験:黒色の酸化銅の粉末と炭素の粉末をよく混ぜて試験管に入れ、ゴム栓・ガラス管・ゴム管(ピンチコックつき)をつなぎ、ガラス管の先を石灰水に入れます。

スタンド試験管口を少し下げるゴム栓ゴム管ピンチコックガラス管石灰水ビーカー酸化銅と炭素の混合物ガスバーナー
酸化銅と炭素の混合物を加熱する装置
  • 試験管の口を少し下げて、混合物を加熱する。 わけ:できた液体や水滴が加熱部分に流れて、試験管が割れるのを防ぐため。
  • 気体が出なくなったら、ガラス管を石灰水から出してから、ガスバーナーの火を消す。 わけ:先に火を消すと、石灰水が逆流して試験管が割れるおそれがあるため。
  • 火を消したら、すぐにピンチコックでゴム管を閉じる。 わけ:空気が入ると、熱い銅がまた酸素と結びついて、酸化銅にもどるため。
  • 試験管が冷めてから、中の物質をとり出す。 わけ:熱いうちに空気にふれると、銅がまた酸化されるため。
調べたこと 結果 分かること
石灰水 白くにごる 二酸化炭素が出た
試験管に残った赤色の物質 薬さじでこすると光る 銅ができた
試験管の中の物質の質量 加熱前より減る 二酸化炭素が出ていった

まちがえやすい

✕ 加熱をやめるときは、先にガスバーナーの火を消す → ◯ 先にガラス管を石灰水から出してから火を消す(石灰水の逆流を防ぐ)

基本みがいた銅板を炎の外側に入れると黒くなりました。この黒い銅板を炎の内側に入れると、どうなりますか。また、そうなるのはなぜですか。

炎の外側では、銅が空気中の酸素と結びついて黒い酸化銅になります。炎の内側には、酸素をうばう物質があります。

答え:もとの銅の色にもどる。炎の中の物質が、酸化銅から酸素をうばうから

標準酸化銅と炭素の混合物を加熱するとき、試験管の口を少し下げるのはなぜですか。

「できた液体や水滴」「加熱部分に流れる」「割れる」の3つを入れて書きます。

答え:できた液体や水滴が加熱部分に流れて、試験管が割れるのを防ぐため

還元とは? 酸素はどう動いた?

📄 プリント6ページ

答え:酸化物から酸素がとり除かれる化学変化を還元といいます。還元が起こるときは、酸素と結びつく酸化も同時に起こります。

酸化銅と炭素の反応を、酸素の動きで見ます。化学反応式は 2CuO + C → 2Cu + CO₂ です。左右とも Cu2・O2・C1 で、原子の種類と数は同じです。

CuOCuO2CuO++CC→CuCu2Cu++OOCCO₂Cu:左2・右2O:左2・右2C:左1・右1還元された(酸素をうばわれた)酸化された(酸素と結びついた)
2CuO + C → 2Cu + CO₂:酸化銅は還元され、炭素は酸化される

理由:酸化銅は酸素をうばわれて還元され、同時に炭素は酸素と結びついて酸化されます。1つの物質が酸素を失えば、別の物質がその酸素と結びつくので、還元が起こるときは、酸化もいつも同時に起こります。

ほかの物質でも、酸素をうばえる:酸化銅を加熱しながら水素を通すと、銅と水ができます。火のついたマグネシウムリボンを二酸化炭素を満たした集気びんに入れると、燃え続け、白い物質(酸化マグネシウム)と黒い物質(炭素)ができます。炭素・水素・マグネシウムのように、酸化物の中の物質より酸素と結びつきやすい物質を使うと、酸化物から酸素をうばえます(マグネシウムは炭素より酸素と結びつきやすい物質です)。

CuOCuO++HHH₂→CuCu++HHOH₂OMgMg2Mg++OOCCO₂→MgOMgO2MgO++CC還元された:CuO酸化された:H₂還元された:CO₂酸化された:Mg
水素や、マグネシウムでも、酸素をうばえる

鉄の取り出し方:鉄鉱石(酸化鉄をふくむ石)から鉄を取り出すときは、溶鉱炉(高炉)で鉄鉱石をコークス(石炭からつくる、ほとんどが炭素の燃料)といっしょに高い温度にして、酸化鉄から酸素をとり除きます。

まちがえやすい

✕ 酸化銅と炭素の反応では、還元だけが起こる → ◯ 酸化銅が還元されると同時に、炭素は酸化される

標準酸化銅を加熱しながら水素を通すと、銅と水ができました(CuO + H₂ → Cu + H₂O)。酸化された物質と、還元された物質をそれぞれ答えなさい。

酸化銅は酸素をうばわれて銅になったので、還元された物質です。水素は酸素と結びついて水になったので、酸化された物質です。

答え:酸化された物質=水素、還元された物質=酸化銅

基本火のついたマグネシウムリボンを二酸化炭素の中に入れると、燃え続けて、白い物質と黒い物質ができました。このとき、酸素をうばわれた物質は何ですか。

白い物質は酸化マグネシウム、黒い物質は炭素です。マグネシウムが二酸化炭素の酸素と結びつき、二酸化炭素は炭素になりました。

答え:二酸化炭素(還元された)

燃やさなくても温度が上がる化学変化は? 発熱反応

📄 プリント7ページ

答え:化学変化が起こるときに熱を出し、まわりの温度が上がる反応を発熱反応といいます。炎が出なくても、使い捨てかいろのように温かくなる発熱反応があります。

燃焼は、熱や光を出して激しく進む酸化で、まわりの温度が上がります。冬に使う使い捨てかいろは、炎も出ないのに温かくなります。何が起きているのでしょうか。

スポイト食塩水ガラス棒温度計ビーカー鉄粉と活性炭温度が上がる
化学かいろをつくる実験:温度が上がる

実験:

  • ビーカーに鉄粉と活性炭を入れて混ぜる。
  • 温度計で温度をはかる。
  • 食塩水を加えてガラス棒でかき混ぜ、温度の変わり方を見る(食塩水は、鉄が酸素と結びつく変化を速めるため)。

結果:温度がしだいに上がります。鉄が空気中の酸素と結びつく(酸化)ときに、熱が出るからです。活性炭は空気(酸素)をとりこみやすくします。市販の使い捨てかいろにも鉄粉・活性炭・食塩水などが入っていて、袋から出して空気にふれると、炎を出さずにゆっくり酸化が進んで温かくなります。

発熱反応の例 熱が出るわけ・ようす
燃焼 熱や光を出して激しく酸化される
化学かいろ 鉄がゆっくり酸化される(炎は出ない)
鉄と硫黄の混合物の加熱 鉄と硫黄が結びついて熱が出て、加熱をやめても進む
酸化カルシウムに水を加える 温度が上がる。加熱式の弁当(ひもを引くと温まる弁当)に使われる

まちがえやすい

✕ 温度が上がる化学変化は、炎を出して燃えるものだけ → ◯ 化学かいろの鉄粉のように、炎を出さずに熱を出す発熱反応もある

基本ひもを引くと温まる加熱式の弁当には、酸化カルシウムに水を加えて熱を出すしくみが使われています。この反応は、発熱反応と吸熱反応のどちらですか。

酸化カルシウムに水を加えると温度が上がります。化学変化で熱を出し、まわりの温度が上がるのは発熱反応です。

答え:発熱反応

標準鉄粉と活性炭に食塩水を加えて混ぜると、温度が上がりました。食塩水を加えるのは、何のためですか。

この実験で温度が上がるのは、鉄が空気中の酸素と結びつく(酸化)ときに熱が出るからです。食塩水は、その変化の速さに関係します。

答え:鉄が酸素と結びつく変化を速めるため

温度が下がる化学変化は? 吸熱反応

📄 プリント8ページ

答え:化学変化が起こるときにまわりから熱をうばい(吸収し)、まわりの温度が下がる反応を吸熱反応といいます。

化学変化で熱が出る例を見ましたが、反対にまわりが冷える化学変化もあります。

アンモニアガラス棒温度計水でぬらしたろ紙ビーカー塩化アンモニウムと水酸化バリウム温度が下がる
塩化アンモニウムと水酸化バリウムを混ぜる実験:温度が下がり、アンモニアが発生する

実験:

  • ビーカーに塩化アンモニウムと水酸化バリウムを入れる。
  • 水でぬらしたろ紙をかぶせる(出てくるアンモニアは水に非常にとけやすいので、ろ紙の水にとかして、においが広がるのを防ぐため)。
  • ガラス棒でかき混ぜ、温度計で温度の変わり方を見る。

結果:温度が下がり、刺激臭のある気体(アンモニア)が発生します。

身近な吸熱反応:炭酸水素ナトリウムとクエン酸を水に入れると、二酸化炭素の泡が出て、温度が下がります。泡の出る入浴剤の多くには炭酸水素ナトリウムとクエン酸などが入っていて、湯の中で反応して二酸化炭素の泡が出ます。

まわりの温度 熱の動き 例
発熱反応 上がる 熱を出す 燃焼・化学かいろ・酸化カルシウムと水
吸熱反応 下がる まわりから熱をうばう 塩化アンモニウムと水酸化バリウム・炭酸水素ナトリウムとクエン酸

化学変化には、熱の出入りがともないます。出せば発熱反応、うばえば吸熱反応で、温度計で見分けます。

まちがえやすい

✕ 化学変化が起こると、いつも熱が出る → ◯ まわりから熱をうばい、温度が下がる吸熱反応もある

基本次のア〜ウのうち、混ぜると温度が下がる組み合わせを選びなさい。ア 鉄粉と活性炭に食塩水を加える イ 塩化アンモニウムと水酸化バリウムを混ぜる ウ 酸化カルシウムに水を加える

アは化学かいろ、ウは加熱式の弁当に使われる反応で、どちらも温度が上がる発熱反応です。イは温度が下がる吸熱反応です。

答え:イ

標準発熱反応と吸熱反応のちがいを、まわりの温度と熱の動きに注目して説明しなさい。

表の「まわりの温度」と「熱の動き」の2つの欄を入れて書きます。

答え:発熱反応は熱を出してまわりの温度が上がる反応、吸熱反応はまわりから熱をうばってまわりの温度が下がる反応

化学変化の前と後で、全体の質量は変わる? 質量保存の法則

📄 プリント9ページ

答え:変わりません。化学変化の前後で、その化学変化に関係している物質全体の質量は変わらない、という決まりを質量保存の法則といいます。

木炭は燃やすと軽くなり、スチールウールは重くなりました。化学変化で、全体の質量は変わるのでしょうか。中1では、状態変化で質量は変わらないと学びました。

混ぜる前105.20 gうすい硫酸うすい塩化バリウム水溶液電子てんびん混ぜた後105.20 g白い沈殿空のビーカー
沈殿ができる反応:混ぜる前も後も 105.20 g

沈殿ができる反応:うすい硫酸とうすい塩化バリウム水溶液を別々のビーカーに入れ、2つのビーカーごと電子てんびんで質量をはかります。混ぜると、白い沈殿(硫酸バリウム。水にとけにくい白い物質)ができます。混ぜた後に2つのビーカーごとはかると、混ぜる前と同じ 105.20 g のままでした。

気体が出る反応:

① 反応前82.40 gプラスチックの容器うすい塩酸電子てんびんふた炭酸水素ナトリウム② 傾けて反応させた後82.40 gふたは閉めたまま③ ふたをゆるめた後82.18 g気体が出ていく
ふたを閉めたままなら質量は同じ。ふたをゆるめると、気体が出て軽くなる
  • 容器にうすい塩酸と、炭酸水素ナトリウムを入れた小さな試験管を入れ、ふたを閉めてはかる。
  • 容器を傾けて混ぜ、ふたを閉めたままはかる(出た気体を容器の外に逃がさないため)。
  • ふたをゆるめてから、もう一度はかる。

結果は 82.40 g → 82.40 g → 82.18 g です。0.22 g 軽くなったのは、出ていった二酸化炭素の分です。

まちがえやすい

✕ 気体が出る化学変化では、質量保存の法則は成り立たない → ◯ ふたをして気体を逃がさなければ、全体の質量は変わらない(軽くなるのは、気体が外に出ていったから)

基本うすい硫酸とうすい塩化バリウム水溶液を別々のビーカーに入れて、2つのビーカーごとはかると 98.60 g でした。2つを混ぜて白い沈殿ができた後、2つのビーカーごとはかると、何gになりますか。

沈殿ができても、2つのビーカーごとはかっているので、関係している物質全体の質量です。質量保存の法則から、変わりません。

答え:98.60 g

標準うすい塩酸と炭酸水素ナトリウムの入った容器の全体の質量は、ふたを閉めたまま反応させても 90.00 g でした。ふたをゆるめてもう一度はかると 89.56 g でした。出ていった二酸化炭素は何gですか。

軽くなった分が、出ていった気体の質量です。

90.00 − 89.56 = 0.44(g)

答え:0.44 g

なぜ、化学変化の前後で全体の質量は変わらない?

📄 プリント10ページ

答え:化学変化では原子の組み合わせが変わるだけで、原子の種類と数は変わらないからです。

理由:化学変化では、原子の組み合わせが変わるので、物質や分子の種類は変わります。しかし、原子の種類と数は変わりません。だから全体の質量は変わらないのです。2H₂ + O₂ → 2H₂O でも、左右とも H4・O2 です。

HHHHOOHHOHHOふたをした容器の中H:4 → 4O:2 → 2質量は同じ結びついた酸素の分だけ増える
原子の種類と数は変わらない。銅を加熱すると、結びついた酸素の分だけ増える

質量が増える・減るのも、法則どおり:銅を加熱して重くなるのは、銅が空気中の酸素と結びつくからです。皿の上の質量は、結びついた酸素の分だけ増えます(皿の上の銅 + 空気中の酸素 = できた酸化銅)。木炭が軽くなるのは、二酸化炭素が空気中に出ていくからです(反応した炭素 + 酸素 = 出ていった二酸化炭素)。どちらも、まわりの空気も合わせて考えれば、全体の質量は変わりません。

出ていった気体の質量の求め方:うすい塩酸の入ったビーカー全体 60.00 g と石灰石 2.00 g を用意しました(合計 62.00 g)。石灰石を入れて気体が出なくなってからはかると、61.12 g でした。

60.00+2.00=62.00(g) 反応前の全体の質量
62.00−61.12=0.88(g) 反応前の全体−反応後の全体
答え:出ていった二酸化炭素 0.88 g

まちがえやすい

✕ 銅を加熱すると重くなるので、質量保存の法則は成り立たない → ◯ 結びついた空気中の酸素の分だけ重くなる。酸素も合わせれば全体の質量は変わらない

基本化学変化の前後で、変わらない物を、ア〜ウから1つ選びなさい。ア 分子の種類 イ 物質の種類 ウ 原子の種類と数

化学変化では、原子の組み合わせが変わるので、分子や物質の種類は変わります。変わらないのは、原子の種類と数です。

答え:ウ

標準うすい塩酸の入ったビーカー全体 70.00 g と石灰石 3.00 g を用意しました。石灰石を入れて気体が出なくなってからはかると、71.90 g でした。出ていった二酸化炭素は何gですか。

反応前の全体:70.00 + 3.00 = 73.00(g)

出ていった気体:73.00 − 71.90 = 1.10(g)

答え:1.10 g

発展木炭を燃やしたところ、反応した炭素が 3.0 g、結びついた酸素が 8.0 g でした。出ていった二酸化炭素は何gですか。

「反応した炭素 + 酸素 = 出ていった二酸化炭素」です。

3.0 + 8.0 = 11.0(g)

答え:11.0 g

✅ 一問一答で総チェック(20問)

問題を読んで、答えを頭の中で言ってからタップしましょう。答えが出ます。

  1. 物質が酸素と結びつく化学変化を何という?

    答え:酸化

  2. 酸化によってできた物質を何という?

    答え:酸化物

  3. 銅の粉末を加熱すると、銅色から変わってできる黒色の物質は?

    答え:酸化銅

  4. 木炭(炭素)が燃えるときにできる気体は?

    答え:二酸化炭素

  5. 二酸化炭素を集めた集気びんに石灰水を入れてふると、石灰水はどうなる?

    答え:白くにごる

  6. スチールウールを燃やすと、質量はどうなる?

    答え:重くなる

  7. スチールウールを燃やしてできる、鉄と酸素が結びついた物質は?

    答え:酸化鉄

  8. 熱や光を出しながら激しく酸化される変化を何という?

    答え:燃焼

  9. マグネシウムリボンが燃えたあとにできる白色の物質は?

    答え:酸化マグネシウム

  10. マグネシウムが酸素と結びつく化学反応式は?

    答え:2Mg + O₂ → 2MgO

  11. 酸化銅と炭素の混合物を加熱し終えるとき、火を消す前に石灰水から出しておく物は?

    答え:ガラス管

  12. 酸化物から酸素がとり除かれる化学変化を何という?

    答え:還元

  13. 還元が起こるとき、同時に起こる、酸素と結びつく変化は?

    答え:酸化

  14. 鉄鉱石から鉄を取り出すとき、いっしょに高い温度にする、ほとんどが炭素の燃料は?

    答え:コークス

  15. 化学変化のときに熱を出し、まわりの温度が上がる反応を何という?

    答え:発熱反応

  16. 化学変化のときにまわりから熱をうばい、温度が下がる反応を何という?

    答え:吸熱反応

  17. 塩化アンモニウムと水酸化バリウムを混ぜたときに発生する、刺激臭のある気体は?

    答え:アンモニア

  18. 化学変化の前後で、関係している物質全体の質量が変わらないという決まりを何という?

    答え:質量保存の法則

  19. 化学変化の前後で、変わらないものは何?

    答え:原子の種類と数

  20. うすい塩酸と炭酸水素ナトリウムの反応で、ふたをゆるめると質量が軽くなるのはなぜ?

    答え:気体が容器の外に出ていったから

まとめ

酸化は物質が酸素と結びつく変化、還元は酸化物から酸素がとり除かれる変化で、還元が起こるときは酸化も同時に起こります。熱や光を出して激しく進む酸化が燃焼で、スチールウールは酸素が結びついた分だけ重くなり、木炭は二酸化炭素が出ていって軽くなります。化学変化で温度が上がる反応を発熱反応、下がる反応を吸熱反応といいます。化学変化の前後で、原子の種類と数は変わらないので、関係している物質全体の質量は変わりません(質量保存の法則)。プリントの確認問題で、実験の手順と質量の計算を手を動かして練習してみてください。

同じプリントの残りのページ(質量保存の法則のくわしい話と、質量の比を使った計算)は、「【中2理科】化学変化と化学反応式の要点まとめ|質量保存の法則と質量比の計算」で解説しています。

無料ダウンロード(登録不要)

▶ 酸化と還元・化学変化と質量の規則性 授業用プリント(全25ページ)

この記事の内容は、説明 1〜10ページ・確認問題 15〜18ページ/覚えることの一覧 21・22ページ/答えと解説 23〜25ページ

保護者の方へ:この単元は、「酸素と結びつけば酸化、酸素をうばわれれば還元」という1つの見方で、燃える・さびる・金属を取り出すを整理します。「スチールウールが重くなるのはどこから来た重さ?」「木炭が軽くなるのはどこへ行った?」と一緒に考えてみると、質量保存の法則(全体では変わらない)に気づく助けになります。
理科
スポンサーリンク
かてきょノート管理人をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました