【中2理科】気象観測と天気の変化の要点まとめ|湿度の計算と温暖前線・寒冷前線の違い

⏱ 30秒でわかる この単元の要点

  • 圧力〔Pa〕=力〔N〕÷面積〔m²〕。cm²は10000でわってm²に直す。大気圧は空気の重さによる圧力で、海面で約1013hPa、高い所ほど小さい
  • 天気は雲量(0〜1 快晴・2〜8 晴れ・9〜10 くもり)で決める。乾湿計は乾球と湿球の差で湿度表を読み、差が大きいほど湿度は低い
  • 上昇した空気は膨張して温度が下がり、露点まで下がると水蒸気が凝結して雲ができる。飽和水蒸気量は気温が高いほど大きい
  • 湿度=水蒸気の量÷飽和水蒸気量×100。露点に達した空気は湿度100%。水蒸気の量が同じなら、気温が上がると湿度は下がる
  • 風は気圧の高い所から低い所へふく。寒冷前線は強い雨が短い時間で通過後に気温が下がり、温暖前線は弱い雨が長い時間で通過後に気温が上がる。天気は偏西風で西から東へ変わる

つまずき注意:面積はm²に直してから式に入れる。湿度の式の分母は飽和水蒸気量。閉塞前線は、寒冷前線が温暖前線に追いついてできる。

中2理科「気象観測と天気の変化」を、図と例題で1つずつ確かめるページです。前半は「圧力・気象観測・雲のでき方・湿度の計算」、後半は「気圧と風・前線・偏西風」を扱います。どの見出しも「答え → 図 → 理由 → 解き方」の順に書いています。紙に書いて練習したい人は、下の無料プリント2本を使ってください。

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▶ ① 気象観測と雲のでき方 授業用プリント(全23ページ)

説明 1〜14ページ/確認問題 15〜18ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 19・20ページ/答えと解説 21〜23ページ

▶ ② 前線と天気の変化 授業用プリント(全19ページ)

説明 1〜10ページ/確認問題 11〜14ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 15・16ページ/答えと解説 17〜19ページ。この記事の見出しごとに、対応するプリントとページを書いています。

圧力の計算と、大気圧(気圧)とは?

📄 プリント① 2・3ページ

答え:圧力は「面を垂直におす力 ÷ 力がはたらく面積」で求め、単位はパスカル(Pa)です(面積はm²に直して入れます)。地球をとり巻く空気(大気)の重さによる圧力が大気圧(気圧)で、あらゆる向きから面に垂直にはたらきます。

重力(同じ 20 N)重力(同じ 20 N)直方体スポンジ面積が広い→ へこみが小さい面積がせまい→ へこみが大きい
同じ重さでも、面積がせまいほどへこみが大きい

圧力〔Pa〕= 面を垂直におす力〔N〕÷ 力がはたらく面積〔m²〕。1m²あたりの力の大きさで、1Pa=1N/m²です。物体を置いたとき、面をおす力は物体にはたらく重力の大きさです(100gで約1N)。1m²=10000cm²なので、cm²は10000でわって、m²に直します。

例:重さ20Nの箱を、20cm×20cm=400cm²の面を下にして置くと、400÷10000=0.04m²なので、20÷0.04=500Pa。10cm×10cm=100cm²の面を下にすると、100÷10000=0.01m²なので、20÷0.01=2000Paです。面積が4分の1になったので、圧力は4倍です。

地上(大気圧が大きい。約 1013 hPa)山の上上空(大気圧が小さい)あらゆる向きから、面に垂直におす
大気圧は、あらゆる向きから面に垂直にはたらく

理由:空気にも重さがあるので、物をおしています。空き缶に水蒸気を満たしてふたをして冷やすと缶がつぶれるのは、中の水蒸気が水にもどって中からおす力が小さくなり、外の空気におされるからです。大気圧の単位にはヘクトパスカル(hPa)を使うことが多く、1hPa=100Paです。海面と同じ高さの大気圧は約1013hPa(約101300Pa。1気圧)です。大気圧を100000Paとすると、1cm²あたり10Nで、100gが1Nなので、10Nは1000g(1kg)の重さにあたります。

高い所ほど、その上にある空気の量が少ないので、大気圧は小さくなります。空気は、まわりの気圧が小さくなると膨張し、大きくなると縮みます。

まちがえやすい

✕ 面積は cm² のまま式に入れてよい → ◯ Pa を求めるときは、面積を m² に直す(10000cm²=1m²)

✕ 大気圧は、上から下向きにだけはたらく → ◯ あらゆる向きから、面に垂直にはたらく

✕ 高い山の上ほど、大気圧は大きい → ◯ 高い所ほど、上にある空気が少なく、大気圧は小さい

標準重さ30Nの箱があります。30cm×10cmの面を下にして置いたときと、10cm×10cmの面を下にして置いたときの、床におよぼす圧力は、それぞれ何Paですか。

30cm×10cm=300cm²=0.03m² → 30÷0.03=1000(Pa)

10cm×10cm=100cm²=0.01m² → 30÷0.01=3000(Pa)

答え:30cm×10cmの面=1000Pa、10cm×10cmの面=3000Pa

基本気圧が900hPaのとき、これは何Paですか。

1hPa=100Paなので、900×100=90000(Pa)

答え:90000Pa

標準面積1cm²の面に、10Nの力がはたらいています。圧力は何Paですか。

1cm²=0.0001m²(1m²=10000cm²だから)

圧力:10÷0.0001=100000(Pa)

答え:100000Pa

理由高い山の頂上で、大気圧が地上より小さくなるのはなぜですか。

「上にある空気の量」を入れて書きます。

答え:高い所ほど、その上にある空気の量が少なく、空気の重さが小さくなるから。

気象要素の観測と、天気図記号の読み方

📄 プリント① 4・5ページ

答え:天気は雲量で決め、気温は地上約1.5mの、直射日光が当たらない、風通しのよい所ではかります。天気図記号は、丸の中の天気記号で天気、丸から風がふいてくる向きにのびる線で風向、線の先の矢羽根の数で風力を表します。

気象は、大気中で起こる天気・雨・風などの現象です。気象のようすを表すもの(気温・湿度・気圧・風向・風力・雲量・天気など)を気象要素といいます。観測は、毎日決まった時刻に、同じ場所・同じ方法で続けます。気温は百葉箱(白くぬった、よろい戸の箱)の中に温度計を置いてはかれます。

気象要素 観測のしかた
天気 雲量で決める(雨や雪がふっている時は、雲量に関係なく雨・雪)
雲量 空全体を10として、雲がおおう割合を0〜10で表す。0〜1 快晴・2〜8 晴れ・9〜10 くもり
気温 地上約1.5mの高さで、直射日光が当たらない、風通しのよい所ではかる
湿度 乾湿計と湿度表で求める(次の見出し)
気圧 気圧計ではかる(単位 hPa)
風向 風がふいてくる向きを、16方位で表す
風力 風の強さを0〜12の13段階で表す(風力階級)
快晴雲量 0〜1晴れ雲量 2〜8くもり雲量 9〜10(雲量に関係なく)
天気記号:雨と雪は、雲量に関係なく決まる
北北東東南東南南西西北西↑北風向(北東):風がふいてくる向きに線をのばす天気(くもり)矢羽根の数風力(3):
天気図記号の読み方(例:くもり・北東の風・風力3)

天気図記号の読み方:①丸の中の天気記号で、天気を読む ②丸から線がのびる向きで、風向を読む ③線の先の矢羽根の数で、風力を読む。風力が0のときは、矢羽根をかきません。

理由(風向の決まり):風向は、風がふいてくる向きです。北の風は「北からふいてくる風」なので、上が北の地図なら、北の風の線は丸から上へのびます。天気図の上が北とは限らないので、方位は地図の方位記号や経線で読みます。

まちがえやすい

✕ 気温は、日なたの地面の近くではかる → ◯ 地上約1.5mの、直射日光が当たらない、風通しのよい所ではかる

✕ 北の風は、北へ向かってふく風 → ◯ 北の風は、北からふいてくる風。天気図記号の線は北へのびる

基本次のときの天気を答えなさい。(1) 雲量が1 (2) 雲量が5 (3) 雲量が10で、雨がふっている

(1) 0〜1は快晴 (2) 2〜8は晴れ (3) 雨がふっているときは、雲量に関係なく雨

答え:(1) 快晴 (2) 晴れ (3) 雨

標準天気図記号で、丸の中が雨の記号、丸から南東へ線がのび、線の先の矢羽根が2本でした。天気、風向、風力を答えなさい。

丸の中の記号 → 雨。線がのびる向き → 風がふいてくる向きなので、南東。矢羽根の数 → 風力2。

答え:天気は雨、風向は南東(南東からふく風)、風力は2

基本風力は、0から12までの何段階で表しますか。

0から12まで数えると、0を入れて13個です。

答え:13段階

乾湿計と湿度表で、湿度を求める

📄 プリント① 6ページ

答え:乾湿計の乾球と湿球の示す温度の差を求め、湿度表の「乾球の示す温度の行」と「差の列」が交わる所の数が湿度(%)です。差が大きいほど、湿度は低くなります。

101520101520乾球(気温)湿球ガーゼ水水が蒸発する時、熱をうばう
乾湿計:乾球と湿球の2本の温度計

空気のしめりけの度合いを湿度といい、単位は%です。乾球はふつうの温度計(気温を示す)、湿球は球部を水でしめらせたガーゼで包んだ温度計です。

理由:湿球のガーゼの水が蒸発するとき、まわりから熱をうばうので、湿球の示す温度は、ふつう乾球より低くなります。空気が乾いているほど水が蒸発しやすく、2本の示す温度の差が大きくなります。差が0(同じ温度)のときは、水が蒸発しないので湿度100%です。

乾球の示す温度 差 0℃ 差 1℃ 差 2℃ 差 3℃ 差 4℃
16℃ 100 89 79 69 59
17℃ 100 90 80 70 61

例:乾球16℃・湿球13℃なら、差は16−13=3℃。表の16℃の行と差3℃の列が交わる所で、湿度は69%です。

まちがえやすい

✕ 湿度表の列は、湿球の示す温度で見る → ◯ 乾球と湿球の示す温度の「差」で見る

✕ 乾球と湿球の差が大きいほど、湿度は高い → ◯ 差が大きいほど、空気が乾いていて湿度は低い

標準乾球が17℃、湿球が14℃を示しています。上の湿度表を使って、湿度を求めなさい。

差:17−14=3(℃)。17℃の行と差3℃の列が交わる所を読みます。

答え:70%

基本乾球と湿球の差が4℃の日と1℃の日では、湿度が高いのはどちらですか。

差が大きいほど湿度は低いので、差が小さい日のほうが湿度は高くなります。

答え:差が1℃の日

理由湿球の示す温度が、ふつう乾球より低くなるのはなぜですか。

「水が蒸発する」と「熱をうばう」を入れて書きます。

答え:ガーゼの水が蒸発するとき、まわりから熱をうばうから。

晴れの日と雨の日で、気温や湿度はどうちがう?

📄 プリント① 7ページ

答え:晴れの日は気温の変化が大きく、湿度は気温と逆に変わります(気温が上がると湿度は下がる)。くもり・雨の日は、気温の変化が小さく、湿度は高いままです。

051015202530時刻〔時〕気温〔℃〕612182461218240255075100湿度〔%〕1日目(晴れ)2日目(雨)最高気温(午後2時ごろ)気温湿度気温と湿度は逆に変わる気温の変化が小さく、湿度が高い

← 横にずらすと続きが見えます →

1日目(晴れ)と2日目(雨)の気温と湿度
晴れの日 くもり・雨の日
気温の変化 大きい(午後2時ごろに最高) 小さい
湿度 気温と逆に変わる(気温が上がると下がる) 高いまま(雨の日は90%以上のことが多い)
気圧 高いことが多い 低いことが多い

理由(最高気温が午後2時ごろになるわけ):太陽が最も高くなるのは正午ごろですが、太陽の光はまず地面をあたため、地面が空気をあたためます。太陽 → 地面 → 空気の順にあたたまるので、気温が最も高くなるのは、おくれた午後2時ごろです。

グラフの見分け方:先に気温と湿度の線を見分けます。晴れの日の昼に上がる方が気温、下がる方が湿度です。

まちがえやすい

✕ 晴れの日の気温は、太陽が最も高くなる正午に最も高い → ◯ 地面が空気をあたためるのにおくれ、午後2時ごろに最も高い

基本晴れの日の1日の変化を表したグラフで、昼に下がっていく線は、気温と湿度のどちらですか。

晴れの日は、気温と湿度が逆に動きます。昼に気温は上がるので、下がる線は湿度です。

答え:湿度

標準くもりや雨の日の気温と湿度の変化は、晴れの日とくらべてどうなりますか。

気温の変化と、湿度の高さの2つを入れて答えます。

答え:気温の変化は小さく、湿度は高いままになる。

理由晴れの日に、1日の気温が最も高くなるのが正午ではなく午後2時ごろになるのはなぜですか。

「太陽 → 地面 → 空気」の順を入れて書きます。

答え:太陽の光で地面があたたまり、その地面が空気をあたためるので、気温が最高になるのがおくれるから。

霧や湯気は何でできている? 凝結のしくみ

📄 プリント① 8ページ

答え:空気が冷やされると、空気中の水蒸気の一部が小さな水滴に変わります。これを凝結といいます。霧・湯気・雲は、この小さな水滴(や氷の粒)の集まりで、白く見えます。水蒸気は気体で、目に見えません。

やかん水蒸気(見えない)湯気(小さな水滴)まわりの空気が冷やされ、水蒸気が水滴に(凝結)氷水コップ
やかんの口のすぐ上は水蒸気(見えない)、白く見える湯気は小さな水滴
水蒸気 湯気・霧・雲
状態 気体 液体(小さな水滴)や氷の粒の集まり
目に見えるか 見えない 見える(白く見える)

霧は、地面や水面の近くの空気が冷やされ、水蒸気が凝結して小さな水滴になってうかんでいる物です。晴れた夜に地面が冷え、地面の近くの空気が冷やされた朝に出やすくなります。霧と雲は同じ小さな水滴の集まりで、ちがいは、できる所(地面の近く/上空)です。

理由:冬の朝に窓ガラスの内側につく水滴や、冷たい飲み物を入れたコップの表面の水滴は、空気中の水蒸気が冷やされて水に変わったものです。水蒸気が水滴に変わり始める温度は、空気にふくまれる水蒸気の量で決まるため、気温が下がっても、霧が出る日と出ない日があります。

まちがえやすい

✕ やかんから出る白い湯気は、水蒸気である → ◯ 湯気は小さな水滴(液体)。水蒸気は気体で目に見えない

基本空気中の水蒸気が冷やされて、水滴に変わることを何といいますか。

水蒸気(気体)が水滴(液体)に変わる変化です。

答え:凝結

基本やかんの口から少しはなれた所に見える白い湯気は、気体・液体のどちらですか。

湯気は、水蒸気が冷やされてできた小さな水滴です。

答え:液体

標準霧と雲のちがいは何ですか。

どちらも小さな水滴の集まりです。ちがいは「できる所」です。

答え:霧は地面の近くにでき、雲は上空にできる。

雲のでき方:空気が上昇すると、膨張して冷える

📄 プリント① 9・10ページ

答え:空気が上昇すると、まわりの気圧が下がって膨張し、温度が下がります。露点まで下がると、水蒸気が凝結して水滴になり、雲ができます。

雲をつくる実験:丸底フラスコの内側を少量の水でぬらし、線香の煙を少し入れます。ゴム栓をして、大型注射器とデジタル温度計をつなぎ、ピストンをすばやく引きます(なぜ:フラスコの中の気圧を下げて、空気を膨張させるため。上空へ上がった空気と同じです)。内側を水でぬらすのは、中の空気にふくまれる水蒸気の量をふやすため、線香の煙は、小さな粒が芯になって水蒸気が水滴に変わりやすくなるためです。

18.5℃引くデジタル温度計スタンド丸底フラスコ線香の煙内側を水でぬらすゴム栓ゴム管大型注射器ピストン
雲をつくる実験の装置
ピストン 中の空気 温度 フラスコの中
引く 膨張する 下がる 白くくもる
押しこむ 縮む 上がる くもりが消える

理由(雲のでき方):

  • 空気のかたまりが上昇すると、まわりの気圧が下がるので、膨張する(上空ほど気圧が低い)
  • 空気の温度が下がる
  • 露点まで下がると、水蒸気が凝結して水滴になる(さらに下がると氷の粒)
  • 雲ができる。雲は、小さな水滴や氷の粒の集まり
0 m 20℃400 m 16℃800 m 12℃(露点。雲ができ始める)まわりの気圧が下がる→ 膨張 → 温度が下がる上昇気流下降すると縮んで温度が上がり、雲が消える

← 横にずらすと続きが見えます →

上昇する空気は、まわりの気圧が下がって膨張し、温度が下がる

上に向かう空気の流れを上昇気流、下に向かう空気の流れを下降気流といいます。上昇気流は、地面が太陽で強くあたためられた所や、山の斜面にそって空気がのぼる所で起こります。下降する空気は、まわりの気圧が高くなって縮み、温度が上がるので、水滴が水蒸気にもどり、雲ができにくくなります(晴れやすい)。

雲の中の水滴や氷の粒が大きくなり、上昇気流で支えきれなくなると落ちてきます。氷の粒がとけずに落ちると雪、とけると雨です。雨や雪などをまとめて降水といいます。

まちがえやすい

✕ ピストンを引くと、フラスコの中の温度が上がって、くもる → ◯ 空気が膨張して温度が下がり、水蒸気が水滴になってくもる

✕ 空気が上昇すると、まわりの気圧が高くなって縮む → ◯ 上空ほど気圧が低いので、上昇する空気は膨張する

基本雲をつくる実験で、ピストンを引いたとき、フラスコの中の空気の温度と、フラスコの中のようすはどうなりますか。

上の表の「引く」の行を見ます。

答え:温度は下がり、フラスコの中は白くくもる

理由空気が上昇すると、温度が下がるのはなぜですか。

「気圧」と「膨張」を入れて書きます。

答え:上空ほど気圧が低いので、上昇する空気が膨張して、温度が下がるから。

標準下降気流のある所は、雲ができにくく、晴れやすくなります。それはなぜですか。

下降する空気は、まわりの気圧が高くなって縮み、温度が上がります。

答え:下降する空気は縮んで温度が上がり、水滴が水蒸気にもどるから。

飽和水蒸気量:空気がふくめる水蒸気の量には限りがある

📄 プリント① 11ページ

答え:1m³の空気がふくむことのできる最大の水蒸気の量〔g/m³〕を飽和水蒸気量といい、気温が高いほど大きくなります。空気を冷やして飽和水蒸気量が小さくなると、ふくみきれなくなった分が水滴になります。

05101520253048121620242832気温〔℃〕飽和水蒸気量〔g/m³〕9.417.330.4ふくむことができないふくむことができる
気温が高いほど、飽和水蒸気量は大きい
気温〔℃〕 0 5 10 15 20 25 30
飽和水蒸気量〔g/m³〕 4.8 6.8 9.4 12.8 17.3 23.1 30.4

理由(1m³の箱のモデル):20℃の空気1m³には17.3gまで、10℃の空気には9.4gまでしか水蒸気が入りません。17.3gの水蒸気をふくむ20℃の空気を10℃まで冷やすと、入りきらない17.3−9.4=7.9gが水滴になります。

冷やしても水滴が出ない場合もあります。20℃の空気に水蒸気が6.8gしかふくまれていないとき、5℃まで冷やすと、ちょうど飽和します(5℃の飽和水蒸気量が6.8g)。10℃までしか冷やさなければ、9.4gまでふくめるので、水滴は出ません。

まちがえやすい

✕ 飽和水蒸気量は、気温によらず同じ → ◯ 気温が高いほど大きい

標準30℃の空気1m³に、水蒸気が30.4gふくまれています。この空気を15℃まで冷やすと、水滴は何gできますか。上の表を使って求めなさい。

15℃の飽和水蒸気量は12.8g/m³。ふくみきれなくなる分が水滴になります。

30.4−12.8=17.6(g)

答え:17.6g

標準25℃の空気1m³に、水蒸気が9.4gふくまれています。この空気を10℃まで冷やしたとき、水滴はできますか。また、5℃まで冷やしたときは、水滴は何gできますか。

10℃の飽和水蒸気量は9.4g/m³で、9.4gとちょうど同じなので、10℃までは水滴はできません(ちょうど飽和)。

5℃の飽和水蒸気量は6.8g/m³なので、9.4−6.8=2.6(g)が水滴になります。

答え:10℃では水滴はできない。5℃では2.6g

基本気温が20℃の空気と10℃の空気では、1m³にふくむことのできる水蒸気の量が大きいのはどちらですか。

飽和水蒸気量は気温が高いほど大きくなります。表では、20℃は17.3g、10℃は9.4gです。

答え:20℃の空気

露点:水滴ができ始める温度の調べ方

📄 プリント① 12ページ

答え:空気を冷やしていったとき、水蒸気が凝結し始める(水滴ができ始める)温度を露点といいます。露点では、空気にふくまれる水蒸気の量と、その温度の飽和水蒸気量が等しい(飽和している)ので、水蒸気の量が多いほど露点は高くなります。

露点をはかる実験:金属製のコップに、くみ置きの水を入れて水温をはかります。氷水を少しずつ入れ、ガラス棒でよくかき混ぜながら水温をはかり、コップの表面がくもり始めたときの水温を読みます。これが露点です。

金属製のコップくみ置きの水温度計ガラス棒氷水表面がくもり始めた時の水温=露点
露点をはかる実験
  • 金属製のコップを使う理由:金属は熱を伝えやすく、コップの表面にふれている空気の温度が、中の水温とほぼ同じになるため
  • くみ置きの水を使う理由:水温を室温と同じにしておくため(初めにはかって確かめる)
  • 氷水を少しずつ入れ、かき混ぜる理由:水温を全体で同じにし、ゆっくり下げて、くもり始めをのがさないため

理由(数とグラフ):気温25℃の教室で、コップの表面が15℃でくもり始めました。露点は15℃で、教室の空気1m³にふくまれる水蒸気の量は、15℃の飽和水蒸気量と同じ12.8gです。

05101520253048121620242832気温〔℃〕飽和水蒸気量〔g/m³〕P露点 15℃まだふくめる量10.3 g5℃ まで冷やすと水滴になる量6.0 g
今の水蒸気の量から横に進み、曲線に当たった所の温度が露点

25℃の空気1m³は、あと23.1−12.8=10.3gの水蒸気をふくめます。5℃まで冷やすと、12.8−6.8=6.0gの水滴ができます。

まちがえやすい

✕ 露点は、どんな空気でも同じ温度 → ◯ 空気にふくまれる水蒸気が多いほど、露点は高い

標準気温30℃の部屋で、露点が20℃でした。部屋の空気1m³にふくまれる水蒸気の量と、この空気があと何gの水蒸気をふくめるかを、前の見出しの表を使って求めなさい。

露点の飽和水蒸気量が、今の水蒸気の量と等しいので、20℃の17.3g。

30℃の飽和水蒸気量は30.4gなので、あとふくめる量は 30.4−17.3=13.1(g)

答え:水蒸気の量は17.3g、あとふくめる量は13.1g

基本露点が高い空気と低い空気では、水蒸気が多くふくまれているのはどちらですか。

水蒸気の量が多いほど、露点は高くなります。

答え:露点が高い空気

理由露点をはかる実験で、金属製のコップを使うのはなぜですか。

「熱を伝えやすい」と「空気の温度」を入れて書きます。

答え:金属は熱を伝えやすく、コップの表面にふれている空気の温度が、中の水温とほぼ同じになるから。

湿度の式:水蒸気の量 ÷ 飽和水蒸気量 × 100

📄 プリント① 13ページ

答え:湿度〔%〕= 空気1m³にふくまれる水蒸気の量〔g/m³〕÷ その気温での飽和水蒸気量〔g/m³〕× 100。分母は飽和水蒸気量です。露点に達した空気(飽和した空気)は、湿度が100%です。

20℃ の空気 1 m³水蒸気10 ます分=飽和水蒸気量 17.3 g5 ます分=ふくまれている水蒸気 8.65 g湿度 = 5 ÷ 10 × 100 = 50%
湿度は、ふくんでいる水蒸気が、最大の量の何%かを表す

理由:湿度は、その気温でふくむことのできる最大の量の、何%の水蒸気をふくんでいるかを表します。20℃の空気1m³の箱は、飽和水蒸気量17.3gを10ますにしたとき、5ます分の8.65gがふくまれていれば、湿度は50%です。

求める手順:①気温から、その気温の飽和水蒸気量を表やグラフで読む ②今の空気1m³にふくまれる水蒸気の量を確かめる ③水蒸気の量 ÷ 飽和水蒸気量 × 100 を計算し、%で答える。

例:気温25℃・水蒸気12.8gの教室は、25℃の飽和水蒸気量が23.1g/m³なので、湿度=12.8÷23.1×100=55.4…→ 約55%。逆の計算:気温20℃・湿度50%の空気1m³にふくまれる水蒸気の量=17.3×50÷100=8.65gです。

10℃の空気1m³に4.7gの水蒸気(10℃の飽和水蒸気量は9.4g)なら、湿度=4.7÷9.4×100=50%。20℃の空気(8.65g)と同じ50%でも、水蒸気の量は少なくなります。湿度は水蒸気の量そのものではなく、飽和水蒸気量に対する割合です。

まちがえやすい

✕ 湿度=飽和水蒸気量 ÷ 空気にふくまれる水蒸気の量 × 100 → ◯ 分母は飽和水蒸気量(今の水蒸気の量 ÷ 飽和水蒸気量 × 100)

標準気温15℃の空気1m³に、水蒸気が9.6gふくまれています。15℃の飽和水蒸気量は12.8g/m³です。湿度は何%ですか。

湿度=9.6÷12.8×100=75(%)

答え:75%

標準気温30℃で湿度40%の空気1m³には、水蒸気が何gふくまれていますか。30℃の飽和水蒸気量は30.4g/m³です。

水蒸気の量=30.4×40÷100=12.16(g)

答え:約12.2g

基本露点に達した空気の湿度は、何%ですか。

露点では、ふくんでいる水蒸気の量と飽和水蒸気量が等しいので、湿度の式は 同じ量÷同じ量×100 になります。

答え:100%

湿度の計算を使いこなそう:露点・部屋全体・雲ができ始める高さ

📄 プリント① 14ページ

答え:水蒸気の量が同じなら、気温が上がると飽和水蒸気量が大きくなり、湿度は下がります。露点・湿度・部屋の体積の問題は、「気温の飽和水蒸気量を読む → 今の水蒸気の量を求める → 式に入れる」の順に解きます。

気温〔℃〕 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
量〔g/m³〕 9.4 10.0 10.7 11.4 12.1 12.8 13.6 14.5 15.4 16.3 17.3
気温〔℃〕 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
量〔g/m³〕 18.3 19.4 20.6 21.8 23.1 24.4 25.8 27.2 28.8 30.4

今の水蒸気の量の求め方:露点の飽和水蒸気量、または「飽和水蒸気量 × 湿度 ÷ 100」で求めます。答えは、問題の言う位(整数・四捨五入など)で書きます。

理由(気温が上がると湿度が下がる):水蒸気の量が同じなら、気温が上がると分母の飽和水蒸気量が大きくなるので、湿度は下がります。水蒸気9.4gをふくむ空気は、10℃なら湿度100%、20℃なら 9.4÷17.3×100=約54%です。

露点と気温から湿度:露点10℃・気温20℃ → 水蒸気は9.4g、湿度=9.4÷17.3×100=約54%。気温と湿度から露点:気温30℃・湿度50% → 水蒸気30.4×50÷100=15.2g。表で15.2gにいちばん近いのは18℃(15.4g)なので、露点は約18℃です。

部屋全体の水蒸気の量:1m³あたりの量に、部屋の体積をかけます。

雲ができ始める高さ:問題文に「空気は100m上昇するごとに温度が1℃下がる」と書いてあるとき、地上の気温20℃・露点12℃の空気のかたまりが上昇すると、(20−12)×100=800mで露点に達し、雲ができ始めます(中学では、上昇しても露点は変わらないとして考えます)。

まちがえやすい

✕ 気温が上がると、空気中の水蒸気がふえるので、湿度は上がる → ◯ 水蒸気の量が同じなら、気温が上がると飽和水蒸気量が大きくなり、湿度は下がる

標準気温26℃、露点14℃の空気の湿度は約何%ですか(整数で答える)。上の表を使いなさい。

水蒸気の量=露点14℃の飽和水蒸気量=12.1g/m³

26℃の飽和水蒸気量は24.4g/m³なので、湿度=12.1÷24.4×100=49.6…(%)

答え:約50%

標準気温28℃、湿度50%の空気の露点は約何℃ですか。上の表を使いなさい。

水蒸気の量=28℃の飽和水蒸気量×湿度=27.2×50÷100=13.6(g/m³)

表で13.6gになる気温は16℃なので、これが露点です。

答え:16℃

発展気温22℃、湿度40%、体積60m³の部屋の空気全体には、水蒸気が約何gふくまれていますか。上の表を使いなさい。

1m³あたり:19.4×40÷100=7.76(g)

部屋全体:7.76×60=465.6(g)

答え:約466g

標準「空気は100m上昇するごとに温度が1℃下がる」とします。地上の気温が24℃、露点が15℃の空気のかたまりが上昇すると、何mで雲ができ始めますか。

露点に達するまでに下がる温度:24−15=9(℃)

9℃下がるのに:9×100=900(m)

答え:900m

発展水蒸気を9.4gふくむ空気1m³があります。気温が10℃のときと30℃のときの湿度は、それぞれ約何%ですか(整数で答える)。

10℃:飽和水蒸気量が9.4g/m³なので、9.4÷9.4×100=100(%)

30℃:飽和水蒸気量が30.4g/m³なので、9.4÷30.4×100=30.9…(%)

答え:10℃のとき100%、30℃のとき約31%

気圧と風:等圧線の読み方と、高気圧・低気圧のまわりの天気

📄 プリント② 2・3ページ

答え:風は、気圧の高い所から低い所へふき、等圧線の間隔がせまい所ほど強い風がふきます。高気圧のまわりでは、中心から時計回りにふき出し、下降気流で晴れやすく、低気圧のまわりでは、中心へ反時計回りにふきこみ、上昇気流でくもりや雨になりやすくなります。

10241020101610121008高低間隔が広い → 風が弱い間隔がせまい → 風が強い
等圧線:間隔がせまい所ほど、風が強い

等圧線は、天気図で気圧が等しい地点を結んだ、なめらかな曲線です。ふつう4hPaごとに細い線で引き、20hPaごと(1000hPa・1020hPaなど)に太い線にします。等圧線は、とちゅうで交わったり、枝分かれしたりしません。等圧線や前線などをかきこんだ地図が天気図、気圧の分布のようすが気圧配置です。

等圧線から気圧を読む:①太い線(1000・1020など)の数をさがす ②そこから線を1本こえるごとに、4hPaずつ変わると考える(細い線は4hPaごとに引いてあるから)③高気圧の方へ行くと増え、低気圧の方へ行くと減る。例:1020hPaの太い線から低気圧の方へ2本目の線は、1020 → 1016 → 1012で、1012hPaです。

高気圧上から見た図(北半球の地表付近)横から見た図高下降気流雲ができにくい → 晴れ雲ができやすい → くもり・雨
高気圧と低気圧のまわりの風と天気(北半球の地表付近)
高気圧 低気圧
地表の風 中心から時計回りにふき出す 中心へ反時計回りにふきこむ
空気・雲・天気 下降気流 → 雲ができにくい → 晴れ 上昇気流 → 雲ができやすい → くもり・雨

理由(低気圧で雲ができるわけ):ふきこんで集まった空気が上へのぼり(上昇気流)、上空ほど気圧が低いので膨張して温度が下がります。温度が露点に達すると、水蒸気が水滴になり、雲ができます。高気圧の中心付近では、空気が下りてきて温度が上がるので、雲ができにくくなります。高気圧・低気圧は、まわりとくらべて決まります(何hPaより上という決まりはありません)。

まちがえやすい

✕ 間隔が広い所ほど、風が強い → ◯ 間隔がせまい所ほど、気圧の差が大きく、風が強い

✕ 1013hPaより気圧が高い所が、高気圧 → ◯ まわりより気圧が高い所が高気圧(何hPaかでは決まらない)

✕ 北半球の低気圧では、風が時計回りにふき出す → ◯ 反時計回りにふきこむ(時計回りにふき出すのは高気圧)

標準天気図で、1000hPaの太い線から低気圧の方へ2本目の等圧線の気圧は、何hPaですか。

線を1本こえるごとに4hPaずつ、低気圧の方では減ります。

1000 → 996 → 992

答え:992hPa

基本地点Aの気圧が1016hPa、地点Bの気圧が1008hPaのとき、AとBの間では、風はどちら向きにふきますか。

風は気圧の高い所から低い所へふきます。Aのほうが高いです。

答え:AからBへ

標準まわりの気圧が1004hPaで、中心の気圧が1008hPaの所は、高気圧と低気圧のどちらですか。

まわりより気圧が高い所が高気圧です。何hPaかでは決まりません。

答え:高気圧

理由高気圧の中心付近で、雲ができにくく晴れやすいのはなぜですか。

「下降気流」と「温度が上がる」を入れて書きます。

答え:高気圧の中心付近では下降気流があり、空気が下りてきて温度が上がるので、雲ができにくいから。

天気は、どの向きに変わっていく?

📄 プリント② 4ページ

答え:日本付近では、低気圧や高気圧が、およそ西から東へ移動するので、天気もおよそ西から東へ変わることが多くなります。ある地点に低気圧が近づくと気圧は下がり、天気はくずれやすくなります。高気圧が近づくと気圧は上がり、晴れやすくなります。

2日間の天気図のくらべ方:①2枚の天気図で、同じ低気圧(または高気圧)を見つける ②それぞれ、どちらへ動いたかを見る ③東にある方が、あとの日。

理由:西から東へ動くのは、上空の偏西風に流されるからです(このページの最後の見出し)。例:ある地点の気圧が1012 → 1008 → 1004hPaと下がり続けたら、低気圧が近づいているとわかります。西の地方の天気は、そのあと東の地方に移ってくることが多くなります。「夕焼けの次の日は晴れ」も、夕焼けが見えるのは西の空が晴れているからで、その晴れが次の日にやってくるためです。季節に特有の天気では、このとおりにならないこともあります。

まちがえやすい

✕ 日本付近の低気圧や高気圧は、東から西へ動くことが多い → ◯ 西から東へ動くことが多い

基本低気圧が、1日目は山口県付近、2日目は愛知県付近にありました。低気圧はどちらの向きに動きましたか。

山口県は西、愛知県は東にあります。西から東へ動いたことになります。

答え:東の向き(西から東へ)

標準ある地点の気圧が、1018 → 1014 → 1010hPaと下がり続けました。これから天気はどうなりやすいですか。

気圧が下がり続けるのは、低気圧が近づいているときです。

答え:低気圧が近づいているので、天気がくずれやすい

標準広島が雨の日の次に、雨になりやすいのは、ア 福岡 イ 名古屋 のどちらですか。

天気は西から東へ変わることが多いので、東にある地方に移ります。広島の東にあるのは名古屋です。

答え:イ

気団と前線:4つの前線と温帯低気圧

📄 プリント② 5・6ページ

答え:性質のちがう空気(寒気と暖気)がぶつかる境が前線面で、前線面が地表と交わる線が前線です。冷たい空気は下へ、あたたかい空気は上へ行くので、すぐには混じり合いません。前線には、寒冷前線・温暖前線・停滞前線・閉塞前線の4つがあります。

気団は、気温や湿度がほぼ一様な、大きな空気のかたまりです。できた場所の性質をもちます。冷たい気団の空気を寒気、あたたかい気団の空気を暖気といいます。

モデル実験:透明な水そうを仕切り板で2つに分け、一方に冷やした空気と線香の煙を、もう一方にあたためた空気を入れ、仕切り板を静かに引き上げます(煙で空気の動きが見えます)。

仕切り板を引き上げる前冷やした空気(線香の煙)あたたかい空気仕切り板引き上げたあとあたたかい空気冷やした空気
仕切り板を引き上げる前と、引き上げたあと

結果:冷たい空気は、下の方を広がって、あたたかい空気の下にもぐりこみます。あたたかい空気は上へおし上げられます。同じ体積なら、冷たい空気の方が重い(密度が大きい)ので、冷たい空気は下へ、あたたかい空気は上へ行くのです。

暖気前線面前線寒気
前線面と前線

前線の付近では、暖気が寒気の上へ上昇するので、雲ができやすく、天気がくずれやすくなります。前線が通過すると、気温・風向・気圧などが急に変わります。

寒冷前線進む向き温暖前線進む向き停滞前線ほとんど動かない閉塞前線進む向き
4つの前線の記号(三角や半円のついた線)
前線 空気の動き
寒冷前線 寒気が暖気の下にもぐりこみ、おし上げながら進む
温暖前線 暖気が寒気の上にはい上がり、寒気をおしながら進む
停滞前線 寒気と暖気の勢力がほぼ同じで、ほとんど動かない(つゆや秋の長雨のころ)
閉塞前線 寒冷前線が温暖前線に追いついてできる

温帯低気圧は、日本付近(中緯度)で発生し、前線をともなう低気圧です。中心から南西に寒冷前線、南東(東)に温暖前線がのびることが多く、2つの前線にはさまれた南側が暖気、そのまわりが寒気です。できかたは、①寒気と暖気の間に停滞前線がある → ②前線の上に低気圧ができ、前線が波打つ → ③寒冷前線と温暖前線をともなう温帯低気圧になり、偏西風に流されて西から東へ進む → ④寒冷前線は温暖前線より速く進むので、やがて追いつき、閉塞前線ができる、の順です。

まちがえやすい

✕ 寒気と暖気は、ぶつかるとすぐ混じり合う → ◯ すぐには混じり合わず、境に前線面ができる

✕ 閉塞前線は、温暖前線が寒冷前線に追いついてできる → ◯ 寒冷前線が温暖前線に追いついてできる(寒冷前線の方が速い)

✕ 停滞前線は、寒気がとても強いときにできる → ◯ 寒気と暖気の勢力がほぼ同じときにでき、ほとんど動かない

基本4つの前線のうち、ほとんど動かないものはどれですか。

寒気と暖気の勢力がほぼ同じときにできる前線です。

答え:停滞前線

標準寒冷前線と温暖前線では、どちらのほうが速く進みますか。また、その結果、2つの前線が追いついてできる前線を何といいますか。

寒冷前線は温暖前線より速く進むので、やがて追いつきます。

答え:寒冷前線。閉塞前線ができる

理由寒気と暖気がふれ合うと、冷たい空気が下、あたたかい空気が上になるのはなぜですか。

「同じ体積」と「密度」を入れて書きます。

答え:同じ体積なら、冷たい空気のほうが重く、密度が大きいから。

寒冷前線が通ると、天気はどう変わる?

📄 プリント② 7ページ

答え:寒冷前線では、寒気が暖気の下にもぐりこんで急におし上げ、強い上昇気流で積乱雲ができます。前線のすぐ後ろ(西側)のせまい範囲に、強い雨が短い時間ふり、通過後は気温が急に下がり、風向は北寄りに変わります。

西東寒気が進む向き寒気暖気前線面積乱雲せまい範囲に強い雨寒冷前線
寒冷前線:寒気が暖気の下にもぐりこむ

しくみ:寒気が暖気を急におし上げる(前線面の傾きが急)ので、強い上昇気流が起こり、たてに高くのびる積乱雲ができます(夏の入道雲も積乱雲です)。

天気:前線のすぐ後ろ(西側)のせまい範囲に、強い雨(にわか雨)が短い時間ふります。雷や、急に強くふく風(突風)をともなうことがあります。通過後は寒気におおわれ、雨は短い時間でやみ、晴れることが多くなります。

通る前(暖気の中) 通ったあと(寒気の中)
気温 高い 急に下がる
風向 南寄り 北寄りに変わる
気圧 下がってきていた 上がり始める

まちがえやすい

✕ 寒冷前線が通過すると、気温が上がる → ◯ 寒気におおわれ、気温が急に下がる

基本寒冷前線の付近でできる、たてに高くのびた雲を何といいますか。

夏の入道雲と同じ雲です。

答え:積乱雲

標準ある地点で、短い時間に強い雨と雷があり、雨がやんだあと、気温が急に下がって風向が南寄りから北寄りに変わりました。通過したのは、寒冷前線と温暖前線のどちらですか。

強い雨が短い時間、通過後に気温が急に下がる、風向が北寄りに変わる、の3つは寒冷前線の特徴です。

答え:寒冷前線

理由寒冷前線の付近で、強い上昇気流が起こるのはなぜですか。

「寒気」「暖気」「おし上げる」を入れて書きます。

答え:寒気が暖気の下にもぐりこみ、暖気を急におし上げるから。

温暖前線が通ると、天気はどう変わる? 寒冷前線とのちがい

📄 プリント② 8ページ

答え:温暖前線では、暖気が寒気の上をゆるやかにはい上がり、横に広がる乱層雲ができます。前線の前(東側)の広い範囲に、弱い雨が長い時間ふり続き、通過後は気温が上がり、風向は南寄りに変わります。

西東暖気が進む向き暖気寒気前線面乱層雲広い範囲に弱い雨温暖前線
温暖前線:暖気が寒気の上にはい上がる

しくみ:暖気が、寒気の上をゆるやかにはい上がり(前線面の傾きがゆるやか)、前線面にそって広い範囲で空気が上昇して、横に広がる乱層雲(厚い灰色の雲)ができます。

天気:近づくときは、まず空の高い所にうすい雲が出て、だんだん低く厚い雲に変わり、雨がふり出します。通過後は暖気におおわれ、気温が上がり、風向は東寄りから南寄りに変わります。夜に温暖前線が通過すると、夜なのに気温が上がります。

寒冷前線 温暖前線
空気の動き 寒気が暖気をおし上げる 暖気が寒気の上にはい上がる
雲 積乱雲 乱層雲
雨のふる範囲 前線の後ろのせまい範囲 前線の前の広い範囲
雨のふり方 強い雨が短い時間 弱い雨が長い時間
通過後の気温 下がる 上がる
通過後の風向 北寄りに変わる 南寄りに変わる

まちがえやすい

✕ 温暖前線の付近では、積乱雲ができて、強い雨が短い時間ふる → ◯ 乱層雲などが広がり、弱い雨が長い時間ふる(積乱雲と強い雨は寒冷前線)

標準弱い雨が半日ほど続いたあと、気温が上がり、風向が東寄りから南寄りに変わりました。通過したのは、寒冷前線と温暖前線のどちらですか。

弱い雨が長い時間、通過後に気温が上がる、東寄りから南寄りに変わる、の3つは温暖前線の特徴です。

答え:温暖前線

基本寒冷前線と温暖前線のうち、雨がふる範囲が広いのはどちらですか。

上の表の「雨のふる範囲」を見ます。

答え:温暖前線

理由夜に温暖前線が通過したとき、夜なのに気温が上がるのはなぜですか。

「通過後」と「暖気」を入れて書きます。

答え:温暖前線が通過すると、暖気におおわれるから。

観測の記録から、前線の通過を見つけよう

📄 プリント② 9ページ

答え:観測の記録では、気温・風向・天気・気圧を見ます。気温が急に下がり、風向が南寄りから北寄りに変わり、強い雨が短い時間ふったなら寒冷前線、気温が上がり、風向が東寄りから南寄りに変わり、弱い雨が長い時間ふったなら温暖前線が通過したと考えます。

見つける手順:

  • 気温が急に変わった時刻をさがす(下がった=寒冷前線、上がった=温暖前線)。夜など、ふだんの最高気温(午後2時ごろ)とちがう時刻の変化は、前線の通過のしるし
  • 風向を見る(南寄り → 北寄り=寒冷前線、東寄り → 南寄り=温暖前線)
  • 天気を見る(強い雨が短い時間=寒冷前線、弱い雨が長い時間=温暖前線)
  • 気圧を見る(寒冷前線の通過後は上がり始める)

グラフは、目もりが2つ以上あるとき、線の名前で目もりを決めます。

低暖気寒気寒気寒冷前線温暖前線せまい範囲に強い雨広い範囲に弱い雨進む向き(東へ)↑北
温帯低気圧のまわり:場所によって空気と天気がちがう
温帯低気圧のまわり 空気 天気・風向
温暖前線の前(東) 寒気 弱い雨・東寄りの風
2つの前線の間 暖気 気温が高い・南寄りの風・晴れやすい
寒冷前線の後ろ(西) 寒気 強い雨のあと晴れる・北寄りの風

理由:温帯低気圧が通る順は、温暖前線の弱い雨 → 暖気(気温が上がる)→ 寒冷前線の強い雨 → 寒気(気温が下がる)です。

まちがえやすい

✕ 寒冷前線が通過すると、風向は北寄りから南寄りに変わる → ◯ 南寄りから北寄りに変わる(南寄りに変わるのは温暖前線)

標準ある地点の観測記録は、9時が19℃・南の風・くもり、12時が19℃・南の風・くもり、15時が12℃・北西の風・雨、18時が11℃・北西の風・晴れでした。前線が通過したと考えられるのは何時から何時の間ですか。また、通過した前線は何ですか。

気温が急に変わったのは、12時から15時の間(19℃ → 12℃、7℃下がる)。

風向は南から北西(北寄り)に変わり、雨がふったので、寒冷前線です。

答え:12時から15時の間、寒冷前線

標準午前0時は14℃・東寄りの風・弱い雨、午前6時は19℃・南寄りの風・くもりでした。この間に通過した前線は何ですか。また、気温が上がったのは、前線の前と後ろのどちらですか。

気温が上がり、風向が東寄りから南寄りに変わり、弱い雨だったので、温暖前線です。

通過後に暖気におおわれたので、気温が上がったのは前線の後ろです。

答え:温暖前線、前線の後ろ(通過後)

基本夜中の3時に気温が急に変わったとき、これは前線の通過のしるしといえますか。

ふだんの最高気温は午後2時ごろです。夜など、ちがう時刻の急な気温の変化は前線の通過のしるしです。

答え:いえる(前線の通過のしるし)

天気が西から東へ変わるのはなぜ? 偏西風

📄 プリント② 10ページ

答え:日本付近の上空には、西から東へ、地球を1周するように偏西風がふいています。低気圧・高気圧・雲が西から東へ動くのは、この偏西風に流されるからです。

地球は、赤道付近ほど太陽の光を多く受けてあたたかく、北極・南極付近ほど冷たくなっています。この緯度による気温の差によって気圧の差ができ、地球規模で大気が動いています。

冷やす(氷)あたためる(湯)線香の煙の動き
対流のモデル実験:あたためた所の上で煙が上昇し、冷やした所の上で下降する

対流のモデル実験:透明な容器の一方をあたため、もう一方を冷やして、線香の煙の動きを見ます。煙は、あたためた所の上で上昇し、冷やした所の上で下降して、ぐるりと回ります。このような流れを対流といいます。

北緯30°北緯60°北極(冷たい)赤道(あたたかい)西東日本偏西風
日本付近の上空には、西から東へ偏西風がふいている

理由:飛行機は、同じ区間でも、偏西風に向かって西へ飛ぶ便は、東へ飛ぶ便より時間が長くかかることが多くなります。雲ができる・雨がふるなどの天気の変化は、地上からおよそ10kmの高さまでの大気の中で起こります。地球の半径(約6400km)にくらべると、とてもうすい層です。

まちがえやすい

✕ 偏西風は、日本の上空を東から西へふいている → ◯ 西から東へふいている

基本日本付近の上空を、地球を1周するようにふいている風を何といいますか。また、その風は、どちらからどちらへふいていますか。

名前に「西」が入っています。

答え:偏西風、西から東へ

理由日本付近の低気圧が、西から東へ動くことが多いのはなぜですか。

「偏西風」と「流される」を入れて書きます。

答え:上空の偏西風に流されるから。

標準天気の変化(雲ができる・雨がふるなど)は、地上からおよそ何kmの高さまでの大気の中で起こりますか。

地球の半径(約6400km)にくらべると、とてもうすい層です。

答え:およそ10km

✅ 一問一答で総チェック(20問)

問題を読んで、答えを頭の中で言ってからタップしましょう。答えが出ます。

  1. 圧力の単位は?

    答え:パスカル

  2. 1hPaは何Pa?

    答え:100Pa

  3. 地球をとり巻く空気の層を何という?

    答え:大気

  4. 大気の重さによって生じる圧力を何という?

    答え:大気圧

  5. 海面と同じ高さの大気圧は、約何hPa?

    答え:約1013hPa

  6. 雨や雪がふっていないとき、天気は何で決める?

    答え:雲量

  7. 雲量が2〜8のときの天気は?

    答え:晴れ

  8. 天気図記号で、風力は線の先の何の数で表す?

    答え:矢羽根

  9. 湿球の示す温度がふつう乾球より低いのは、ガーゼの水が蒸発するとき、まわりから何をうばうから?

    答え:熱

  10. 空気中の水蒸気が冷やされて、水滴に変わることを何という?

    答え:凝結

  11. 上に向かう空気の流れを何という?

    答え:上昇気流

  12. 空気が上昇すると、まわりの気圧が下がって、空気はどうなる?

    答え:膨張する

  13. 1m³の空気がふくむことのできる最大の水蒸気の量を何という?

    答え:飽和水蒸気量

  14. 空気を冷やしていったとき、水滴ができ始める温度を何という?

    答え:露点

  15. 湿度を求める式で、分母になるのは何?

    答え:飽和水蒸気量

  16. 風は、気圧の高い所と低い所のどちらからどちらへふく?

    答え:高い所から低い所へ

  17. 低気圧のまわりの地表の風は、中心へどちら回りにふきこむ?

    答え:反時計回り

  18. 寒気が暖気の下にもぐりこみ、おし上げながら進む前線を何という?

    答え:寒冷前線

  19. 寒冷前線が温暖前線に追いついてできる前線を何という?

    答え:閉塞前線

  20. 日本付近の上空を、西から東へふいている風を何という?

    答え:偏西風

まとめ

圧力は「力 ÷ 面積(m²)」で、大気圧は空気の重さによる圧力です。天気は雲量で決め、湿度は乾湿計と湿度表、または「水蒸気の量 ÷ 飽和水蒸気量 × 100」で求めます。上昇した空気は膨張して冷え、露点まで下がると雲ができます。風は気圧の高い所から低い所へふき、高気圧は晴れ、低気圧はくもり・雨になりやすくなります。寒冷前線は「せまく・強く・短く、通ると寒くなる」、温暖前線は「広く・弱く・長く、通るとあたたかくなる」です。天気が西から東へ変わるのは、偏西風に流されるからです。プリントの確認問題で、計算と記述を手を動かして練習してみてください。

無料ダウンロード(登録不要)

▶ ① 気象観測と雲のでき方 授業用プリント(全23ページ)

説明 1〜14ページ/確認問題 15〜18ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 19・20ページ/答えと解説 21〜23ページ

▶ ② 前線と天気の変化 授業用プリント(全19ページ)

説明 1〜10ページ/確認問題 11〜14ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 15・16ページ/答えと解説 17〜19ページ

保護者の方へ:この単元は、前半は「湿度=水蒸気の量 ÷ 飽和水蒸気量 × 100」と単位の換算(cm²とm²)、後半は「寒冷前線は短く強く、温暖前線は広く弱く」という対比が土台です。冷たい飲み物を入れたコップの外側に水滴がつくのを見せて「この水滴はどこから来たのかな?」と聞いてみると、空気中の水蒸気と凝結の関係に気づく助けになります。
理科
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