【中3理科】電池のしくみの要点まとめ|イオンへのなりやすさとダニエル電池の役割

中3理科「電池のしくみ」を、図と例題で1つずつ確かめるページです。電池は、化学変化から電気エネルギーをとり出す装置です。金属の「イオンへのなりやすさ」を調べると、ダニエル電池で亜鉛板が−極になるわけを、イオンと電子で説明できます。どの見出しも「答え → 図 → 理由 → 解き方」の順に書いています。紙に書いて練習したい人は、下の無料プリントを使ってください。

⏱ 30秒でわかる この単元の要点

  • 電池は、化学変化を利用して、化学エネルギーを電気エネルギーに変えてとり出す装置である。
  • マグネシウム > 亜鉛 > 鉄 > 銅 > 銀 の順にイオンになりやすく、イオンになりやすい金属が−極になる。
  • ダニエル電池では、亜鉛板が−極で Zn → Zn²⁺ + 2e⁻、銅板が+極で Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu が起こる。
  • 電子は−極から導線を通って+極へ流れ、電流はその逆向きに流れる。セロハンは、水溶液を混ぜずにイオンを通す。
  • 充電できない電池が一次電池、充電できる電池が二次電池。燃料電池は、水素と酸素から水ができる変化で電気をとり出す。

つまずき注意:電流の向きは電子の向きと逆。電流は銅板(+極)から亜鉛板(−極)へ流れる。

電気分解の陰極・陽極(塩化銅水溶液・うすい塩酸)は、中3理科の前半で学ぶので、中3理科「イオンと酸・アルカリ」で解説しています。

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▶ 電池とイオン 授業用プリント(全19ページ)

説明 1〜10ページ/確認問題 11〜14ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 15・16ページ/答えと解説 17〜19ページ。この記事の見出しごとに、対応するページを書いています。

銅線を硝酸銀水溶液に入れると、何が起こる?

📄 プリント1・2ページ

答え:銅線のまわりに銀色の結晶が現れ、水溶液は無色から青色になります。銅原子が電子を失って銅イオンになり、水溶液の銀イオンがその電子を受け取って銀原子になるからです。金属の種類で、陽イオンへのなりやすさがちがい、銀よりも銅のほうがなりやすいのです。

銅線硝酸銀水溶液(無色)はじめしばらくすると銀色の結晶(銀)青色になる
銅線を硝酸銀水溶液に入れる実験
組み合わせ 結果
銅線+硝酸銀水溶液 銅線のまわりに銀色の結晶が現れ、水溶液が無色から青色になる
銀線+硝酸銅水溶液 変化なし

理由(原子・イオン・電子で見る):前半(水溶液とイオン)で、金属の原子は電子を失って陽イオンになると学びました。硝酸銀水溶液には銀イオン Ag+ が入っています。

銅線の表面CuCu²⁺電子Ag⁺Ag⁺AgAgNO₃⁻NO₃⁻銅原子1個が電子を2個失う→ 銀イオン2個が電子を1個ずつ受け取る
銅原子1個が電子2個を失い、銀イオン2個が電子を1個ずつ受け取る
  • 銅原子が電子を2個失って銅イオンになり、とけ出す:Cu → Cu2+ + 2e−
  • 銀イオンが電子を1個受け取って銀原子になり、銅線に付く:Ag+ + e− → Ag
  • 水溶液が青色になったのは、銅イオンができたからです(前半の塩化銅水溶液と同じ色)。
  • 銅原子1個がとけると、銀原子が2個できます。NO3− は変化しません。

まちがえやすい

✕ 銀色の結晶は、銅線の銅が変わったもの → ◯ 水溶液の銀イオンが電子を受け取って銀原子になったもの

基本銅線を硝酸銀水溶液に入れると、水溶液が青色になりました。青色になったのは、何というイオンができたからですか。

銅原子が電子を失って、水溶液中にとけ出したイオンです。

答え:銅イオン(Cu2+)

標準銅線を硝酸銀水溶液に入れ、銅原子が3個とけ出しました。銅原子が失った電子は全部で何個ですか。また、銀イオンがその電子を1個ずつ受け取るとき、できる銀原子は何個ですか。

銅原子1個は電子を2個失う(Cu → Cu2+ + 2e−)ので:2×3=6(個)

銀イオンは電子を1個ずつ受け取って銀原子になるので:6÷1=6(個)

答え:電子6個、銀原子6個

マグネシウム・亜鉛・銅では、どれがイオンになりやすい?

📄 プリント3ページ

答え:マグネシウム > 亜鉛 > 銅の順にイオンになりやすい(2ページとあわせて > 銀)です。結果の表で、金属片に物質が付着した組み合わせでは、入れた金属片のほうがイオンになりやすいと分かります。

硫酸マグネシウムマグネシウム片亜鉛片銅片マイクロプレート
マイクロプレートで、3種類の金属と3種類の水溶液の9通りを一度にくらべる

実験:台紙に表をかき、マイクロプレートの穴に、マグネシウム片・亜鉛片・銅片を1つずつ入れます。金属片がひたる程度に、硫酸マグネシウム水溶液・硫酸亜鉛水溶液・硫酸銅水溶液をそれぞれ加え、金属片の表面のようすを見ます。9通りの組み合わせを一度にくらべられ、使う薬品も少なくてすむからです。物質が付着すれば、水溶液のイオンが原子にもどった印です。

硫酸マグネシウム水溶液 硫酸亜鉛水溶液 硫酸銅水溶液
マグネシウム片 変化なし 付着(亜鉛) 付着(銅)
亜鉛片 変化なし 変化なし 付着(銅)。水溶液の青色がうすくなる
銅片 変化なし 変化なし 変化なし

結果の表から、なりやすさの順を決める手順:

  • 付着した所(3か所)を探す。付着した → 入れた金属片のほうがイオンになりやすい。金属片の原子がイオンになってとけ、水溶液のイオンが原子になって付着したからです。
  • 変化なし → 入れた金属片のほうがイオンになりにくい(同じ金属どうしの3か所は、くらべない)。
  • 2つずつの結果をつなぐ。マグネシウム > 亜鉛、亜鉛 > 銅 → マグネシウム > 亜鉛 > 銅

まちがえやすい

✕ 亜鉛片に銅が付いたので、銅のほうがなりやすい → ◯ 亜鉛のほうがなりやすい(亜鉛がとけ、銅イオンが銅原子になって付いた)

基本硫酸亜鉛水溶液に銅片を入れると、銅片に変化は起こりますか。また、そこからどんなことが分かりますか。

表の「銅片と硫酸亜鉛水溶液」は変化なしです。変化なし → 入れた金属片のほうがイオンになりにくい。

答え:変化は起こらない。銅は亜鉛よりイオンになりにくい

標準3種類の金属A・B・Cがあります。Aの金属片をBのイオンの水溶液に入れるとBが付着し、Cの金属片をAのイオンの水溶液に入れるとAが付着しました。A・B・Cを、イオンになりやすい順に書きなさい。

Aの金属片にBが付着 → AのほうがBよりなりやすい(A > B)

Cの金属片にAが付着 → CのほうがAよりなりやすい(C > A)

答え:C > A > B

金属片を水溶液に入れると、原子とイオンの間で何が起こる?

📄 プリント4ページ

答え:電子は、なりやすい金属の原子から、なりにくい金属のイオンへわたります。「付着した」3か所では、金属片の原子が電子を失って陽イオンになり、水溶液の陽イオンが電子を受け取って原子になっています。

表面① マグネシウム片と硫酸亜鉛水溶液MgMg²⁺電子Zn²⁺ZnSO₄²⁻付着する(Mg > Zn)表面付着する(Zn > Cu)
付着する2か所と、変化なしの1か所のモデル
組み合わせ 金属片の原子は 水溶液のイオンは 付着する物
亜鉛片+硫酸銅水溶液 Zn → Zn2+ + 2e− Cu2+ + 2e− → Cu 銅
マグネシウム片+硫酸亜鉛水溶液 Mg → Mg2+ + 2e− Zn2+ + 2e− → Zn 亜鉛
マグネシウム片+硫酸銅水溶液 Mg → Mg2+ + 2e− Cu2+ + 2e− → Cu 銅

電子の数と、水溶液の変化:亜鉛原子1個は電子を2個失い、その電子2個を銅イオン1個が受け取ります。水溶液の青色がうすくなるのは、銅イオンが減るからです。SO42− は変化せず、数も変わりません。

鉄はどこに入る?

入れた物 結果 分かること
硫酸銅水溶液に鉄片 赤い物質(銅)が付着 鉄は銅よりなりやすい
硫酸亜鉛水溶液に鉄片 変化なし 鉄は亜鉛よりなりにくい

鉄の結果から 亜鉛 > 鉄 > 銅 と分かるので、全体では マグネシウム > 亜鉛 > 鉄 > 銅 > 銀 の順になります。

まちがえやすい

✕ 亜鉛が付くとき、亜鉛イオンは電子を失う → ◯ 亜鉛イオンは電子を受け取って亜鉛原子になる(電子を失うのはマグネシウム原子)

基本マグネシウム原子4個が、マグネシウムイオンになりました。失った電子は全部で何個ですか。

Mg → Mg2+ + 2e− なので、原子1個が電子を2個失います。

2×4=8(個)

答え:8個

標準硫酸銅水溶液に亜鉛片を入れたところ、亜鉛原子が6個とけて、銅原子が付着しました。付着した銅原子は何個ですか。

亜鉛原子が失った電子:2×6=12(個)

銅イオン1個は電子を2個受け取って銅原子になる(Cu2+ + 2e− → Cu)ので:12÷2=6(個)

答え:6個

化学変化から電流をとり出す:電池の条件と−極の決め方

📄 プリント5ページ

答え:化学変化を利用して、物質のもつ化学エネルギーを電気エネルギーに変えてとり出す装置を化学電池(電池)といいます。電解質の水溶液に、2種類の金属を入れて導線でつなぐと電流が流れ、イオンになりやすい金属が−極になります。

ZnZn²⁺Cu²⁺電子亜鉛片硫酸銅水溶液(青色)電子が導線を通らない → 電流はとり出せない直接わたる(4ページ)硫酸亜鉛水溶液電子が導線を通る → 電流がとり出せる
電子が直接わたる(電流はとり出せない)と、導線を通る(電池)

理由:導線の中を電子が流れると電流になる(中2)ので、4ページの電子を導線に通せば、電流をとり出せます。電気分解とは、エネルギーの向きが逆です。

電流が流れる条件:電解質の水溶液に、2種類の金属を入れて導線でつなぎます。電流が流れたかは、電子オルゴールが鳴るか、モーターが回るかで見ます。

水溶液 金属板 電流
うすい塩酸 亜鉛板と銅板 ○
うすい塩酸 銅板と銅板 ✕
食塩水 亜鉛板と銅板 ○
砂糖水 亜鉛板と銅板 ✕

食塩水は中性ですが電解質です。砂糖水・エタノール水溶液は非電解質です(前半)。うすい塩酸の電池では、銅板の表面から気体(水素)が出ます。

−極の決め方:3・4ページの順(マグネシウム > 亜鉛 > 鉄 > 銅 > 銀)で、イオンになりやすい金属を探します。その金属が、電子を金属板に残して陽イオンになり、とけ出します。残った電子が導線を通ってもう一方の金属板へ流れ、電子が出ていく側が−極です(電子は−極から+極へ流れる。中2)。例:亜鉛と銅 → 亜鉛が−極 / マグネシウムと銅 → マグネシウムが−極

まちがえやすい

✕ 同じ金属を2枚入れても電池になる → ◯ 同じ金属どうしでは電流は流れない(イオンへのなりやすさに差がない)

✕ 砂糖水でも電池になる → ◯ 砂糖水は非電解質の水溶液なので、電流は流れない

基本食塩水にマグネシウム板と鉄板を入れ、導線で電子オルゴールにつなぎました。−極になるのはどちらですか。

順は マグネシウム > 亜鉛 > 鉄 > 銅 > 銀 です。イオンになりやすいほうが−極です。

答え:マグネシウム板

標準砂糖水に亜鉛板と銅板を入れて導線でつなぎましたが、電子オルゴールは鳴りませんでした。そのわけを書きなさい。

「砂糖水は非電解質」を入れて書きます。

答え:砂糖水は非電解質の水溶液で、電流が流れないから。

ダニエル電池では、何が起こる?

📄 プリント6ページ

答え:ダニエル電池では、亜鉛板が−極、銅板が+極になります。亜鉛板の亜鉛がとけ出し、銅板に銅が付き、モーターが回ります。亜鉛のほうがイオンになりやすいので、5ページの決まりどおりです。

Mプロペラつきモーター−極+極亜鉛板銅板電子の向き電流の向き硫酸亜鉛水溶液セロハン硫酸銅水溶液(青色)
ダニエル電池:亜鉛板が−極、銅板が+極

つくり方:容器をセロハンで仕切り、一方に硫酸亜鉛水溶液、もう一方に硫酸銅水溶液を入れます(亜鉛板と銅イオンが直接ふれないようにするため)。硫酸亜鉛水溶液に亜鉛板、硫酸銅水溶液に銅板をさしこみ、導線でプロペラつきモーターにつなぎます(光電池用のモーターは、小さな電流でも回るため)。セロハンをとりつけた容器をビーカーに入れる形や、素焼きの板で仕切る形もあります。

調べた物 結果
モーター 回る
亜鉛板 表面がざらざらになり、うすくなる(質量が減る)
銅板 表面に赤い物質(銅)が付着する(質量がふえる)
硫酸銅水溶液 青色がうすくなる

エネルギーの移り変わり:化学エネルギー → 電気エネルギー → (モーターで)運動のエネルギー

まちがえやすい

✕ 銅板の銅がとけて、亜鉛板に付く → ◯ 亜鉛板の亜鉛がとけ出し、銅板に銅が付く

基本ダニエル電池を使っている間、質量が減る金属板と、質量がふえる金属板は、それぞれ何板ですか。

亜鉛板の亜鉛がとけ出し、銅板に銅が付きます。

答え:減るのは亜鉛板、ふえるのは銅板

標準ダニエル電池にモーターをつなぎ、モーターが回っているときのエネルギーの移り変わりを、「化学」「電気」「運動」を使って表しなさい。

電池は化学変化から電気エネルギーをとり出し、モーターが電気エネルギーを運動のエネルギーに変えます。

答え:化学エネルギー → 電気エネルギー → 運動のエネルギー

ダニエル電池の中で、電子とイオンはどう動く? 極の式

📄 プリント7ページ

答え:−極(亜鉛板)では Zn → Zn2+ + 2e−、+極(銅板)では Cu2+ + 2e− → Cu が起こります。電子は亜鉛板 → 導線 → 銅板へ流れ、電流はその逆で、銅板(+極)から亜鉛板(−極)へ流れます。

M−極+極電子ZnZn²⁺SO₄²⁻Zn²⁺SO₄²⁻Cu²⁺CuSO₄²⁻モーター亜鉛板硫酸亜鉛水溶液セロハン硫酸銅水溶液(青色)銅板Zn → Zn²⁺ + 2e⁻Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu

← 横にずらすと続きが見えます →

−極では亜鉛がとけ出し、+極では銅が付く

極の式の書き方:

  • その極で、原子かイオンかを決める。−極では金属の原子がとけ、+極では水溶液のイオンが付くからです。
  • 電子の数を、イオンの右上の数にそろえる。
  • e− は、−極では矢印の右に、+極では左に書く。−極では電子が出ていき、+極では電子を受け取るからです。
  • 電子の向き:亜鉛板 → 導線 → 銅板。電流の向きはその逆で、銅板(+極)→ 亜鉛板(−極)(中2)。
  • 亜鉛原子1個がとけると、電子2個が導線を流れ、銅イオン1個が銅原子1個になる。例:亜鉛原子3個 → 電子6個 → 銅原子3個。
イオン 数の変化 わけ
Zn2+ ふえる 亜鉛板の亜鉛がとけ出す → 硫酸亜鉛水溶液の濃度は高くなる
Cu2+ 減る 銅原子になって銅板に付く → 硫酸銅水溶液の濃度は低くなる
SO42− 全体では変わらない 電子のやりとりに関係しないため

まちがえやすい

✕ 電流は亜鉛板から銅板へ流れる → ◯ それは電子の向き。電流は銅板(+極)から亜鉛板(−極)へ

基本ダニエル電池の+極(銅板)で起こる変化を、イオンの化学式と e− を使って式で書きなさい。

+極では、水溶液の銅イオンが電子を受け取って銅原子になります。e− は矢印の左に書きます。

答え:Cu2+ + 2e− → Cu

標準ダニエル電池で、亜鉛原子が5個とけました。導線を流れた電子は全部で何個ですか。また、銅板に付いた銅原子は何個ですか。

亜鉛原子1個から電子が2個出るので:2×5=10(個)

銅イオン1個は電子を2個受け取るので:10÷2=5(個)

答え:電子10個、銅原子5個

セロハンは、何のためにある?

📄 プリント8ページ

答え:セロハンには2つの役割があります。①2つの水溶液がすぐに混ざらないようにする。②小さな穴をイオンが通りぬけられるので、電気のかたよりをなくして、電流が流れ続けるようにする。

役割1(混ざらないようにする):混ざると、銅イオンが亜鉛板の表面で、亜鉛原子から直接電子を受け取り、亜鉛板に銅が付きます(4ページと同じ変化)。電子が導線を通らないので、電流がとり出せなくなります。

役割2(イオンを通す):電流が流れると、亜鉛側は Zn2+ がふえて+の電気が多くなり、銅側は Cu2+ が減って SO42− があまり、−の電気が多くなります。かたよったままだと、電流が流れ続けません。そこで Zn2+ が硫酸銅水溶液側へ、SO42− が硫酸亜鉛水溶液側へセロハンを通って移動し、かたよりをなくします。

セロハン亜鉛板の側銅板の側Zn²⁺SO₄²⁻+がふえる−があまるイオンが通る → 電流が流れ続けるZn²⁺+が多いままイオンが通れない → 電流がすぐ流れなくなる
セロハンはイオンが通る。ガラス板は通れない
仕切り イオンは通る? 電流は
セロハン 小さな穴を通りぬける 流れ続ける
ガラス板 通れない すぐ流れなくなる

濃度だけがちがう2つのダニエル電池:硫酸銅水溶液の濃度だけがちがう2つのダニエル電池に同じモーターをつなぐと、濃度がうすいほうが先に止まります。硫酸銅水溶液がうすいと、銅板に付く銅イオンが先になくなってしまうからです。

まちがえやすい

✕ セロハンは何も通さない仕切り → ◯ 水溶液はすぐには混ざらないが、イオンは小さな穴を通りぬける

基本ダニエル電池で、2つの水溶液をセロハンで仕切る理由を、「直接」の語を使って書きなさい。

水溶液が混ざると、亜鉛板の表面で銅イオンが亜鉛原子から電子を受け取ってしまいます。

答え:水溶液が混ざると、銅イオンが亜鉛板から直接電子を受け取り、電子が導線を通らず電流がとり出せなくなるから。

標準ダニエル電池を使い続けると、硫酸銅水溶液の青色がしだいにうすくなるのはなぜですか。「銅イオン」という語を使って書きなさい。

+極(銅板)で、銅イオンがどうなるかを考えます。

答え:水溶液の銅イオンが、銅板で電子を受け取って銅原子になり、銅板に付くので、水溶液中の銅イオンが減るから。

身のまわりの電池:一次電池と二次電池

📄 プリント9ページ

答え:電池は、充電できるかどうかで2つに分けられます。使うと電圧が下がり、もとにもどせない電池が一次電池、外部から電流を流すと、もとの状態にもどせる(充電できる)電池が二次電池です。

身のまわりの電池も、化学変化を利用して電気エネルギーをとり出しています。たとえばマンガン乾電池も、−極の亜鉛がイオンになってとけ出す化学変化を利用しています。

種類 例
一次電池 マンガン乾電池・アルカリ乾電池・リチウム電池(コイン形。腕時計など)
二次電池 リチウムイオン電池(スマートフォン・ノートパソコン)・鉛蓄電池(自動車のバッテリー)・ニッケル水素電池(くり返し使える乾電池の形の物)

名前の似た2つ:名前は似ていますが、リチウム電池は一次電池(使い切り)、リチウムイオン電池は二次電池(充電できる)です。名前で決めず、充電できるかで分けます(ニッケル水素電池も二次電池)。

充電とは:外部から電流を流して、電池を使ったときと逆向きの化学変化を起こし、もとの状態にもどすことです。

はたらき エネルギーの向き
電池を使う(放電) 化学エネルギー → 電気エネルギー
充電 電気エネルギー → 化学エネルギー

まちがえやすい

✕ 二次電池は2回だけ使える → ◯ 充電すれば、くり返し使える

基本腕時計に使われるコイン形のリチウム電池は、一次電池と二次電池のどちらですか。また、スマートフォンに使われるリチウムイオン電池はどちらですか。

名前が似ていても、充電できるかどうかで分けます。リチウム電池は使い切り、リチウムイオン電池は充電できます。

答え:リチウム電池=一次電池、リチウムイオン電池=二次電池

標準二次電池を充電するとき、エネルギーは何エネルギーから何エネルギーに変わりますか。

充電は、外部から電流を流して、電池を使ったときと逆向きの化学変化を起こすことです。

答え:電気エネルギーから化学エネルギーへ

燃料電池は、何から電気をとり出す?

📄 プリント10ページ

答え:燃料電池は、水素と酸素が結びついて水ができる化学変化(2H2 + O2 → 2H2O)から、電気エネルギーを直接とり出す電池です。中2で学んだ水の電気分解の逆の変化です。

燃料電池−極+極水素H₂酸素O₂水 H₂OM電子電子モーター
燃料電池:水素と酸素から水ができ、電気がとり出される

中のしくみ:−極で、水素分子が電子を失って水素イオンになります。電子は導線を通って+極へ流れます。+極で、酸素と水素イオンと電子が結びついて水ができます。

水の電気分解 燃料電池
何から何ができるか 水 → 水素と酸素 水素と酸素 → 水
エネルギーの向き 電気エネルギー → 化学エネルギー 化学エネルギー → 電気エネルギー

水素と酸素の体積の比:水素と酸素は、体積の比 2:1 で反応します(中2の水の電気分解と同じ)。2:1 より多すぎるほうの気体があまります。例:水素 4mL と酸素 3mL → 水素 4mL と反応する酸素は 2mL なので、酸素 1mL が残る(酸素 3mL と反応するには水素 6mL が要り、水素は足りない)。反応が続いている間は電子オルゴールが鳴り、反応が起こらなくなると鳴らなくなります。

特徴と利用:発電のときに出る物質は水だけで、二酸化炭素などを出さないので、環境への影響が小さいと考えられています(地球温暖化の対策になると期待されている)。利用:燃料電池自動車・家庭用の発電装置・水素燃料電池船。

まちがえやすい

✕ 燃料電池は、水を分解して電気をつくる → ◯ 水素と酸素を結びつけて、電気をとり出す(水を分解するのは電気分解で、逆の変化)

基本燃料電池で発電するときに、出る物質は何ですか。また、水素と酸素は体積の比がいくつで反応しますか。

水素と酸素が結びついて水ができる変化なので、出る物質は水です。反応する体積の比は 水素:酸素 です。

答え:水、水素:酸素=2:1

発展燃料電池に、水素 6mL と酸素 2mL を入れて反応させました。反応が終わったとき、どちらの気体が何mL残りますか。

水素と酸素は体積の比 2:1 で反応します。酸素 2mL が全部反応するには、水素が 2×2=4(mL)要ります。

水素は 6mL あるので、残りは 6−4=2(mL)。

答え:水素が2mL残る

✅ 一問一答で総チェック(20問)

問題を読んで、答えを頭の中で言ってからタップしましょう。答えが出ます。

  1. 化学変化を利用して、化学エネルギーを電気エネルギーに変えてとり出す装置を何といいますか。

    答え:化学電池

  2. 銅線を硝酸銀水溶液に入れると、水溶液が青色になります。青色になるのは、何というイオンができたからですか。

    答え:銅イオン

  3. 亜鉛・鉄・銅・銀よりも、イオンになりやすい金属は何ですか。

    答え:マグネシウム

  4. 電池で、電子が出ていく側の極は、何極ですか。

    答え:−極

  5. 砂糖水のように、水にとかしても電流が流れない物質を何といいますか。

    答え:非電解質

  6. 食塩水のように、水にとかすと電流が流れる物質を何といいますか。

    答え:電解質

  7. 亜鉛板と銅板を使い、2つの水溶液をセロハンで仕切った電池を何といいますか。

    答え:ダニエル電池

  8. ダニエル電池で、質量が減る金属板は、亜鉛と銅のどちらでできていますか。

    答え:亜鉛板

  9. ダニエル電池で、表面に赤い物質が付着して質量がふえる金属板は、亜鉛と銅のどちらでできていますか。

    答え:銅板

  10. ダニエル電池の−極で起こる変化を、電子 e⁻ を使った式で書きなさい。

    答え:Zn → Zn²⁺ + 2e⁻

  11. ダニエル電池の+極で起こる変化を、電子 e⁻ を使った式で書きなさい。

    答え:Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu

  12. ダニエル電池で、導線の中を電子が流れる向きは、亜鉛板から銅板と、銅板から亜鉛板のどちらですか。

    答え:亜鉛板 → 導線 → 銅板

  13. ダニエル電池で、モーターが回るときのエネルギーの移り変わりを書きなさい。

    答え:化学エネルギー → 電気エネルギー → (モーターで)運動のエネルギー

  14. ダニエル電池で、2つの水溶液を仕切っている、小さな穴のあいた膜の名前は何ですか。

    答え:セロハン

  15. 使うと電圧が下がり、もとにもどせない電池を何といいますか。

    答え:一次電池

  16. 外部から電流を流すと、もとの状態にもどせる電池を何といいますか。

    答え:二次電池

  17. 外部から電流を流して、電池を使ったときと逆向きの化学変化を起こし、もとの状態にもどすことを何といいますか。

    答え:充電

  18. 水素と酸素が結びついて水ができる化学変化から、電気エネルギーを直接とり出す電池を何といいますか。

    答え:燃料電池

  19. 燃料電池で、水素と酸素が反応するときの体積の比を、水素:酸素の順に書きなさい。

    答え:2:1

  20. 燃料電池で発電するとき、出る物質は何だけですか。

    答え:水

まとめ

電池は、化学変化を利用して化学エネルギーを電気エネルギーに変えてとり出す装置です。金属には、マグネシウム > 亜鉛 > 鉄 > 銅 > 銀 の順にイオンになりやすい性質のちがいがあり、電解質の水溶液に2種類の金属を入れると、イオンになりやすいほうが−極になります。ダニエル電池では、亜鉛板(−極)で Zn → Zn2+ + 2e−、銅板(+極)で Cu2+ + 2e− → Cu が起こり、電子は導線を通って−極から+極へ流れます。セロハンは、水溶液を混ぜずにイオンを通します。充電できない一次電池、充電できる二次電池、水素と酸素から電気をとり出す燃料電池も、化学変化を利用しています。プリントの確認問題で、極の式と電子の数の計算を、手を動かして練習してみてください。

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説明 1〜10ページ/確認問題 11〜14ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 15・16ページ/答えと解説 17〜19ページ

保護者の方へ:この単元は、「金属には、イオンになりやすい順がある」と「電子は−極から+極へ流れ、電流は逆向き」の2つが土台です。身近な電池(リモコンの乾電池やスマートフォンの電池)を見ながら、「これは使い切りかな、充電できるかな」と一緒に確かめてみると、一次電池と二次電池の区別が身につきやすくなります。
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