⏱ 30秒でわかる この単元の要点
- 食物連鎖の矢印は、食べられる生物 → 食べる生物の向きにかく
- 生産者は光合成で無機物から有機物をつくり、消費者はほかの生物を食べる。数量は、ふつう植物 > 草食動物 > 肉食動物
- 数量が変わったら「ふえたら、上はふえて、下は減る」の順に考えると、やがてもとのつり合いにもどる
- 分解者は有機物を無機物に分解し、炭素は二酸化炭素と有機物にすがたを変えてめぐる
- 3Rは、リデュース → リユース → リサイクルの順に取り組む
つまずき注意:分解者は消費者の一部で、別のなかまではない。また、酵母菌は細菌類ではなく菌類。
中3理科「自然界のつながりと科学技術」を、図と例題で1つずつ確かめるページです。生物どうしの「食べる・食べられる」の関係、数量が変わっても元のつり合いに戻る順序、分解者のはたらきと炭素の循環、そしてプラスチックなどの科学技術と、人間の活動が自然にあたえる影響を書いています。どの見出しも「答え → 図 → 理由 → 解き方」の順に書いています。紙に書いて練習したい人は、下の無料プリントを使ってください。
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説明 1〜14ページ/確認問題 15〜18ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 19・20ページ/答えと解説 21〜23ページ。この記事の見出しごとに、対応するページを書いています。
生態系と食物連鎖・食物網:矢印はどちら向き?
📄 プリント1・2ページ
答え:生態系は、ある地域に生活するすべての生物と、それをとり巻く環境(水・空気・土・光など)を、1つのまとまりとしてとらえたものです。「食べる・食べられる」の、くさりのようなつながりが食物連鎖で、矢印は食べられる生物 → 食べる生物の向きにかきます。
この単元は、自然界のつり合い(2〜7ページ)→ 物質と科学技術(8〜10ページ)→ 人間と環境(11〜13ページ)→ 持続可能な社会(14ページ)の順に学びます。
理由:実際は、1種類の生物が何種類もの生物を食べ、何種類もの生物に食べられます。このように、食物連鎖が網の目のようにからみ合ったものを食物網といいます。
食物連鎖の順に並べるには:
- 植物を左はしに置く(何も食べずに育つため)
- それを食べる生物を、右へ並べる(食べる側は、食べられる側の次)
- 矢印は、食べる生物へ向ける(有機物が移る向き)
例:ヘビ・草・カエル・バッタの4つなら、草 → バッタ → カエル → ヘビ の順です。土の中にも、落ち葉から始まる食物連鎖があります(下の「分解者」)。
まちがえやすい
✕ 食物連鎖の矢印は、食べる生物から食べられる生物へかく → ◯ 食べられる生物から食べる生物へかく(有機物が移る向き)
標準池にすむ、サギ・植物プランクトン・メダカ・ミジンコ(動物プランクトン)を、食べられる生物から食べる生物の順に、左から並べなさい。
植物プランクトンを左はしに置きます。それを食べるのがミジンコ、ミジンコを食べるのがメダカ、メダカを食べるのがサギです。
答え:植物プランクトン → ミジンコ → メダカ → サギ
理由食物連鎖を並べるとき、植物を左はしに置くのはなぜですか。
植物は、ほかの生物を食べずに育ちます。
答え:植物は何も食べずに育つので、連鎖のはじまりになるから。
生産者・消費者と、数量のピラミッド・生物濃縮
📄 プリント3ページ
答え:光合成で無機物から有機物をつくり出す生物が生産者、ほかの生物を食べて有機物をとり入れる生物が消費者です。数量は、ふつう植物 > 草食動物 > 肉食動物で、上に行くほど少なくなります。
| 役割 | はたらき | 例 |
|---|---|---|
| 生産者 | 光合成で、無機物から有機物をつくり出す | 陸上=草、水中=植物プランクトン・海藻 |
| 消費者 | ほかの生物を食べて有機物をとり入れる | 草食動物(バッタ・ミジンコなど)、肉食動物(カエル・メダカなど) |
理由(植物は何も食べないのに育つわけ):中2の光合成は、無機物(二酸化炭素と水)から有機物をつくるはたらきです。どの消費者も、生産者がつくった有機物に、直接または間接にたよっています。
食べられる生物ほど、数量は多くなります。数量は数や、からだの重さの合計で、からだの大きさではありません。1ぴきの肉食動物が生きるには、たくさんの草食動物が要るからです。
生物濃縮:分解されにくく、からだの外に出にくい物質が、上位の消費者ほど高い濃度でたまることです(例:農薬のDDT・水銀の化合物)。
まちがえやすい
✕ 肉食動物は体が大きいので、数量も多い → ◯ 数量(数や重さの合計)は、ふつう 植物 > 草食動物 > 肉食動物
基本ミジンコ・メダカ・植物プランクトンを、生産者と消費者に分けなさい。
光合成で有機物をつくるのは植物プランクトンです。ミジンコは草食動物、メダカは肉食動物で、どちらも消費者です。
答え:生産者=植物プランクトン、消費者=ミジンコ・メダカ
標準草・バッタ・ヘビを、数量が多い順に並べなさい。
数量は、ふつう 植物 > 草食動物 > 肉食動物 です。草が生産者、バッタが草食動物、ヘビが肉食動物です。
答え:草 > バッタ > ヘビ
標準池の食物連鎖(植物プランクトン → ミジンコ → メダカ → サギ)で、分解されにくい物質が最も高い濃度でたまるのは、どの生物ですか。
生物濃縮では、上位の消費者ほど高い濃度でたまります。連鎖のいちばん上は、サギです。
答え:サギ
数量が元のつり合いに戻る順序(ふえたら、上はふえて、下は減る)
📄 プリント4ページ
答え:生物の数量は、ふつうほぼ一定に保たれています(つり合い)。一時的にふえたり減ったりしても、食べる・食べられるの関係によって、やがてもとにもどります。考えるときの合言葉は「ふえたら、上はふえて、下は減る」です。
考える順:
- 変わった生物を食べる生物(1つ上)は、ふえたなら食べ物がふえて、ふえる(食べ物が多いほど、多くの数が生きられる)
- 変わった生物に食べられる生物(1つ下)は、ふえたなら多く食べられて、減る(食べられる量がふえる)
- その2つの変化から、変わった生物がどうなるかを考える(食べ物の量と食べられる量で、数量が決まる)
減ったときは、上の2つのふえる・減るを全部逆にします。
例:草食動物が一時的にふえたとき:① つり合っている → ② 草食動物がふえる → ③ 植物が減り、肉食動物がふえる → ④ 草食動物が減る → ⑤ もとのつり合いにもどる。
カンジキウサギとオオヤマネコ(北アメリカ)の数量は、約10年ごとにふえ減りをくり返します。ウサギがふえると、少しおくれてヤマネコがふえます。
理由(もとにもどらないことがある):人間の活動(森林の伐採・開発)、外来生物(下の「身近な自然環境」)、大きな自然災害のような大きな変化では、もとにもどらないことがあります。
まちがえやすい
✕ つり合いがくずれると、どの生物の数量も二度ともとにもどらない → ◯ 一時的な変化なら、ふつうはもとのつり合いにもどる
発展「植物 → 草食動物 → 肉食動物」の連鎖で、肉食動物が一時的にふえました。もとにもどるまでの変化を、起こる順に書きなさい。
変わった生物は肉食動物(ふえた)です。1つ下の草食動物は、多く食べられて減ります。
草食動物が減ると、肉食動物は食べ物が減って減ります。また、草食動物に食べられる植物は、食べられる量が減ってふえます。
植物がふえて食べ物が多くなり、肉食動物に食べられる量も減るので、草食動物がふえて、もとにもどります。
答え:肉食動物がふえる → 草食動物が減る → 植物がふえ、肉食動物が減る → 草食動物がふえる → もとのつり合いにもどる
基本ある生物がふえたとき、その生物を食べる生物(1つ上)と、その生物に食べられる生物(1つ下)は、それぞれふえますか、減りますか。
合言葉は「ふえたら、上はふえて、下は減る」です。
答え:1つ上はふえ、1つ下は減る
理由草食動物が一時的にふえたあと、草食動物がまた減るのはなぜですか。
「植物が減る」と「肉食動物がふえる」の2つを入れて書きます。
答え:植物が減って食べ物が少なくなり、肉食動物がふえて多く食べられるから。
分解者のはたらきと、微生物が分解することを調べる実験
📄 プリント5・6ページ
答え:分解者は、消費者のうち、遺骸やふん・落ち葉などの有機物をとり入れ、無機物に分解する生物です。落ち葉などを食べる土の中の小動物(ミミズ・ダンゴムシなど)と、菌類・細菌類がいます。分解者がいないと、遺骸や落ち葉がたまり続けます。
地面の上は形の残った落ち葉ですが、下ほど細かくくだけ、黒っぽい土(腐葉土)になります。落ち葉を食べるミミズ・ダンゴムシなどの小動物(落ち葉 → ダンゴムシ → ムカデ、落ち葉 → ミミズ → モグラ)がはたらいています。
ツルグレン装置は、光・熱・乾燥をきらう小動物を下へ集めます。
| 菌類 | 細菌類 | |
|---|---|---|
| 例 | カビ(アオカビ・クロカビ)・キノコ(シイタケ・マツタケ)・酵母菌 | 大腸菌・乳酸菌・納豆菌 |
| 特徴 | 菌糸でできたものが多く、胞子でふえる | 1つの細胞でできていて、分裂してふえる |
理由:菌類・細菌類は光合成をせず、呼吸で有機物を分解して無機物にします。分解者がいないと、遺骸や落ち葉がたまり続け、植物が光合成や成長に使う無機物ができません。
実験(ヨウ素液で、デンプンが残るかを見る):
- 林の落ち葉の下の土を水に入れてかき混ぜ、上ずみ液をとる(微生物を水に移す)
- Aは上ずみ液、Bは上ずみ液を沸騰させて冷ましたものに、デンプン溶液を加える(沸騰で微生物が死ぬので、BはAと比べるため。対照実験)
- アルミニウムはくでふたをして数日置き、ヨウ素液を加える(空気中の微生物が入らないように)
結果:Aは変化なし(デンプンがなくなった)、Bは青紫色(デンプンが残った)。AとBのちがいは、微生物が生きているかどうかだけなので、微生物が分解したと分かります。水(蒸留水)だけにデンプン溶液を加えた試験管も用意すると、水だけではデンプンが変化しないことも確かめられます。
さらに確かめる方法:寒天では、デンプン寒天に土をのせ、数日後に土を除いてヨウ素液を加えます。生きた微生物のいる土をのせた所とそのまわりだけ、色が変わりません(分解された)。加熱した土は、全体が青紫色です(微生物が死んでいる)。二酸化炭素では、土とデンプン溶液を密閉して数日置くと、容器の二酸化炭素の割合がふえます(微生物の呼吸。呼吸では二酸化炭素と水ができます〈中2〉)。
まちがえやすい
✕ 分解者は、生産者とも消費者ともちがう、別のなかま → ◯ 分解者は消費者の一部
✕ 酵母菌は細菌類 → ◯ 酵母菌は菌類(カビ・キノコのなかま)
✕ ヨウ素液の色が変わらなかった試験管には、デンプンが残っている → ◯ 色が変わらない=デンプンが無くなった(分解された)
基本次のうち、菌類をすべて選びなさい。ア 大腸菌 イ シイタケ ウ 乳酸菌 エ アオカビ
大腸菌と乳酸菌は細菌類です。シイタケはキノコ、アオカビはカビで、どちらも菌類です。
答え:イ・エ
標準寒天の実験で、十分に加熱した土をのせた皿は、ヨウ素液を加えると全体が青紫色になりました。これは、なぜですか。
青紫色は、デンプンが残っているしるしです。加熱した土では、微生物が死んでいます。
答え:微生物が死んでいて、デンプンが分解されなかったから。
基本菌糸でできたものが多く、胞子でふえるのは、菌類と細菌類のどちらですか。
細菌類は、1つの細胞でできていて、分裂してふえます。
答え:菌類
炭素の循環:循環の図の矢印の読み方
📄 プリント7ページ
答え:炭素は、大気中では二酸化炭素として、生物のからだの中では有機物(デンプン・タンパク質・脂肪など)として、すがたを変えながら自然界をめぐります。これを炭素の循環といいます。
中2で学んだ光合成と呼吸、前の見出しの分解は、炭素をふくむ物質が形を変えるはたらきです。
← 横にずらすと続きが見えます →
循環の図の矢印の読み方:
- すべての生物から大気に向かう矢印は、二酸化炭素(呼吸)。すべての生物が呼吸で二酸化炭素を出すから(植物も呼吸する)
- 大気から生産者にだけ向かう矢印は、二酸化炭素(光合成)。光合成をするのは生産者だけだから
- 生物から生物に向かう矢印は、有機物(食べる・食べられる、遺骸・ふん・落ち葉)。炭素は有機物の形で移るから
理由:酸素は、生産者が光合成で出し、すべての生物が呼吸でとり入れます。化石燃料(大昔の生物の遺骸からできた有機物)を燃やすと、二酸化炭素が出ます。水中で植物プランクトンを食べる小さな動物や水生昆虫の幼虫も、草食動物(消費者)です。
まちがえやすい
✕ 植物は光合成をするので、呼吸はしない → ◯ 植物も1日中呼吸して、二酸化炭素を出している
基本循環の図で、大気から生産者にだけ向かう矢印は、何のはたらきを表していますか。
光合成をするのは生産者だけで、このとき二酸化炭素をとり入れます。
答え:光合成
標準循環の図で、草食動物から肉食動物に向かう矢印が運ぶ炭素は、どんな形ですか。また、化石燃料を燃やしたとき、大気に出る物質は何ですか。
生物から生物に向かう矢印は、有機物です。化石燃料は、大昔の生物の遺骸からできた有機物です。
答え:有機物。化石燃料を燃やすと二酸化炭素が出る
天然の物質と人工の物質:繊維とプラスチックの性質
📄 プリント8ページ
答え:自然の中の物(植物・動物など)を原料にした物が天然の物質、石油などから人工的につくり出した物質が人工の物質です。繊維では、天然繊維(綿・麻・絹・羊毛)と合成繊維(ポリエステル・ナイロン・アクリル)があります。
| 繊維 | 特徴 | 燃やしたとき |
|---|---|---|
| 綿 | 水(汗)をよく吸う。肌ざわりがよい | 紙のにおい、灰が残る |
| 麻 | 水をよく吸い、乾きやすい | |
| 絹 | つやがあり、なめらか | 毛がこげるにおい |
| 羊毛 | あたたかい | |
| ポリエステル | じょうぶで、しわになりにくい。乾きやすい | とけながら燃え、かたまりが残る |
| ナイロン | じょうぶで、のびる(ストッキング) | |
| アクリル | 羊毛ににて、あたたかい(セーター) |
理由:綿のシャツとポリエステルの運動着で手ざわりがちがうのは、原料がちがうからです。例:表がポリエステル、裏が綿のシャツは、裏の綿が汗を吸い、表は乾きやすくじょうぶです。
プラスチックは、石油などから人工的につくられた物質(有機物)です。多くのプラスチックに共通の性質は、軽い・さびない・電気を通しにくい・くさりにくい(微生物にほとんど分解されない)・加熱するとやわらかくなり、形を変えやすいことです。
まちがえやすい
✕ ポリエステルは植物からとれる繊維 → ◯ 石油などを原料にした合成繊維
基本綿・絹・ナイロン・羊毛のうち、合成繊維はどれですか。
綿は植物、絹と羊毛は動物からとれる天然繊維です。ナイロンは石油などから人工的につくった繊維です。
答え:ナイロン
標準燃やすと、とけながら燃えて、かたまりが残る繊維はどれですか。ア 綿 イ 絹 ウ ポリエステル
綿は紙のにおいがして灰が残り、絹は毛がこげるにおいがします。
答え:ウ
標準次のうち、多くのプラスチックに共通の性質をすべて選びなさい。ア さびない イ 電気を通しやすい ウ 軽い エ 微生物にすぐ分解される
プラスチックは、電気を通しにくく、微生物にほとんど分解されません。
答え:ア・ウ
プラスチックの種類と、どう付き合えばよい?
📄 プリント9ページ
答え:プラスチックは、高分子化合物の有機物で、もともと自然界に無く、菌類・細菌類がほとんど分解できないので、長く残ります。自然界に流出しないよう、分別して回収し、リサイクルします。
| 種類(使われ方) | 水に |
|---|---|
| ポリエチレン(ポリ袋) | 浮く |
| ポリプロピレン(ふた) | 浮く |
| ポリスチレン(CDのケース) | 沈む |
| 発泡ポリスチレン(トレー。空気をふくむ) | 浮く |
| ポリ塩化ビニル(水道管) | 沈む |
| PET(ペットボトルの本体) | 沈む |
ペットボトルの分け方:くだく → 水に入れる → 浮いたふた・リングと、沈んだ本体を分けます。水より密度が小さい物は浮き、大きい物は沈むからです(中1)。
理由:高分子化合物は、小さな分子がたくさんつながった、とても大きな分子の物質です。プラスチックは高分子化合物の有機物で、もともと自然界に無く、菌類・細菌類がほとんど分解できないので、長く残ります。海のプラスチックごみは、生物がからまったり、飲みこまれたりします。くだけて5mm以下になった物をマイクロプラスチックといい、魚などの体内にも入ります。
| 生分解性プラスチック | 微生物のはたらきで、最後は二酸化炭素と水に分解される |
|---|---|
| バイオマスプラスチック | 植物(トウモロコシなど)が原料。分解されるとはかぎらない |
まちがえやすい
✕ プラスチックは、土の中の微生物がすぐに分解する → ◯ ほとんど分解されず、長い間残る(分解されるのは生分解性プラスチック)
✕ バイオマスプラスチックは、どれも微生物に分解される → ◯ 原料が植物などというだけで、分解されるとはかぎらない
基本ポリエチレンのポリ袋と、ポリ塩化ビニルの水道管を、細かくくだいて水に入れました。水に浮くのはどちらですか。
表で、ポリエチレンは浮く、ポリ塩化ビニルは沈むと分かります。
答え:ポリエチレンのポリ袋
標準生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックのうち、微生物のはたらきで最後は二酸化炭素と水に分解されるのは、どちらですか。
バイオマスプラスチックは、原料が植物などというだけで、分解されるとはかぎりません。
答え:生分解性プラスチック
科学技術は、くらしをどう変えてきた?
📄 プリント10ページ
答え:科学技術の発展で、昔の歩く・馬・帆船から、より速く、遠くまで運べるようになりました。工業の発展で生活は便利になりましたが、問題も起こり、その解決にも科学技術が役立っています。良い面と問題の面の両方を考えて使うことが大切です。
← 横にずらすと続きが見えます →
石炭や石油を燃やした熱で動く蒸気機関やエンジンから、電気のモーターへ変わってきました(蒸気機関やエンジンは、化学エネルギー → 熱 → 運動)。
| 問題 | 解決に役立つ科学技術 |
|---|---|
| 大気汚染(工場のけむり・自動車の排出ガス) | 排出ガスをきれいにする装置・電気自動車 |
| 水質汚濁(工場や家庭の排水) | 下水処理場 |
理由:電気自動車と燃料電池自動車は、走るときに二酸化炭素を出さないので、大気汚染や地球温暖化の対策に役立ちます。
情報・通信:AI(人工知能)は、人間のように学習したり判断したりするしくみです。VRは仮想現実です。例:顔や指紋による認証・自動運転・自動翻訳。軽くてじょうぶな炭素繊維も、新しい素材の例です。
まちがえやすい
✕ 科学技術が発展すれば、環境の問題は起こらない → ◯ 大気汚染などの問題も起こした。良い面と問題の面の両方を考えて使う
基本下水処理場は、どんな問題の解決に役立ちますか。
下水処理場は、工場や家庭の排水をきれいにします。
答え:水質汚濁
理由電気自動車が、大気汚染や地球温暖化の対策に役立つのはなぜですか。
「走るとき」と「二酸化炭素を出さない」の2つを入れて書きます。
答え:走るときに二酸化炭素を出さないから。
身近な自然は、人間の活動でどう変わっている? 川の水質と外来生物
📄 プリント11ページ
答え:川にすんでいる生物は水のよごれ方で決まるので、生物から水質が分かります(指標生物)。人間の活動で、もともといなかった地域に持ちこまれ、すみついた生物を外来生物といいます。
| 水質階級 | 生物の例 |
|---|---|
| Ⅰ きれいな水 | サワガニ・ナガレトビケラ類・ヒラタカゲロウ類 |
| Ⅱ ややきれいな水 | カワニナ類・コオニヤンマ・ヒラタドロムシ類・ゲンジボタル |
| Ⅲ きたない水 | タニシ類・シマイシビル・ミズムシ |
| Ⅳ とてもきたない水 | チョウバエ類・アメリカザリガニ・サカマキガイ |
サワガニやカゲロウの幼虫は節足動物です(中1)。
水質の判定のしかた:
- 見つけた生物を、水質階級に分ける(階級ごとに点を数えるため)
- 数が多い上位2種を2点(●)、ほかを1点(○)として、階級ごとに合計する
- いちばん合計点が高い階級を、その場所の水質とする(全体で決めるため)
例:サワガニ●・ヒラタカゲロウ類○・カワニナ類●・コオニヤンマ○・ヒラタドロムシ類○ → Ⅰ 2+1=3点、Ⅱ 2+1+1=4点 → Ⅱ ややきれいな水(きれいな水の生物がいても、合計で決まる)。
外来生物:国内のほかの地域から持ちこまれた生物もふくみます。もとからいた生物は在来生物です。例:アライグマ・オオクチバス・ブルーギル・ウシガエル・マングース。在来生物を食べたり、食べ物やすみかをうばったりして、つり合いがくずれます。
まちがえやすい
✕ 外来生物は、外国から来た生物だけ → ◯ 国内でも、もともといなかった地域に人間が持ちこんだ生物は外来生物
標準川で見つけた生物を、数が多い順に、タニシ類・シマイシビル・ミズムシ・サワガニ・ヒラタカゲロウ類の5種としました。上位2種を2点、ほかを1点として、この場所の水質階級を答えなさい。
タニシ類(Ⅲ)が2点、シマイシビル(Ⅲ)が2点、ミズムシ(Ⅲ)が1点 → Ⅲ 2+2+1=5点
サワガニ(Ⅰ)が1点、ヒラタカゲロウ類(Ⅰ)が1点 → Ⅰ 1+1=2点
答え:Ⅲ きたない水(Ⅲが5点で、Ⅰの2点より高い)
標準次のうち、外来生物をすべて選びなさい。ア ナガレトビケラ類 イ アライグマ ウ カントウタンポポ エ ブルーギル
ナガレトビケラ類は川の指標生物、カントウタンポポは在来のタンポポです。
答え:イ・エ
日本の自然がもたらす恵みと災害、防災と減災
📄 プリント12ページ
答え:同じ自然が、恵みにも災害にもなります。災害を防ぐ備えが防災、被害をできるだけ小さくすることが減災です。被害が予想される場所・避難場所・避難の道すじなどを示した地図がハザードマップです。
| 恵み | 災害 | |
|---|---|---|
| 火山 | 温泉・地熱発電・美しい景観 | 火砕流・溶岩流・火山灰・噴石 |
| 地震 | 平野や盆地などの土地・わき水 | 建物の倒壊・津波・液状化 |
| 気象 | 雨や雪が水資源に | 大雨・台風(高潮)・大雪・猛暑 |
防災と減災:防災は災害を防ぐ備え(堤防・砂防ダム)、減災は被害をできるだけ小さくすること(避難訓練・非常持ち出し品・緊急地震速報〈中1〉)です。
理由:地域の地形・気候と、昔の災害の記録を調べると、起こりやすい災害が分かります。前もって、避難所と道すじを確かめておきます。
ハザードマップの使い方:
- 自分の家や学校の場所を探す(その場所で予想される災害を知るため)
- 予想される災害(浸水・土砂災害など)の種類を確かめる(災害によって、逃げる場所と向きがちがうため)
- 避難所と、避難の道すじを決めておく(災害のときに、あわてず動くため)
まちがえやすい
✕ ハザードマップで色がぬられていない場所は、絶対に安全 → ◯ 予想をこえる災害もあるので、安全とはかぎらない
基本次のうち、気象の災害にあたるものをすべて選びなさい。ア 大雨 イ 温泉 ウ 台風(高潮) エ 地熱発電
温泉と地熱発電は、火山の恵みです。
答え:ア・ウ
標準避難訓練や非常持ち出し品の準備は、防災と減災のどちらにあたりますか。
災害そのものを防ぐのではなく、被害をできるだけ小さくする備えです。
答え:減災
地球全体の環境問題:温室効果・地球温暖化・オゾン層・酸性雨
📄 プリント13ページ
答え:地面から出る熱(赤外線)の一部を、大気中の二酸化炭素・水蒸気・メタンなど(温室効果ガス)が吸収し、再び地面に向けて出すので、地表があたたかく保たれるはたらきが温室効果です。二酸化炭素などがふえて温室効果が強まり、平均気温が上がることが地球温暖化と考えられています。
化石燃料を燃やすと二酸化炭素が出ることを、炭素の循環で学びました。これが、地球全体の問題につながります。
地球温暖化:平均気温が上がることです。化石燃料の大量消費や森林の減少で二酸化炭素などがふえ、温室効果が強まったことが原因と考えられています。影響は、海面の上昇・異常気象・生物のすむ場所の変化です。
理由(夏に二酸化炭素が減る):大気中の二酸化炭素の濃度は、北半球では夏に減ります。植物の光合成がさかんで、多く吸収されるためです。対策は、脱炭素社会(排出を実質ゼロにする)です。
| 問題 | 原因 | 何が起こる |
|---|---|---|
| オゾン層の破壊 | 冷蔵庫・エアコンに使われたフロン | 有害な紫外線がふえ、皮膚がんなどのおそれ(地球温暖化とは別) |
| 酸性雨 | 化石燃料を燃やして出る硫黄酸化物・窒素酸化物 | pH 5.6 以下の雨。森林が枯れる・建物がとける |
まちがえやすい
✕ 温室効果は、地球にとって悪いことだけ → ◯ 温室効果のおかげで地表はあたたかい。強まりすぎることが問題
✕ オゾン層がこわれると、地球温暖化が進む → ◯ 有害な紫外線がふえる問題で、地球温暖化とは別
基本酸性雨の原因になる物質を、次から選びなさい。ア 酸素 イ 硫黄酸化物や窒素酸化物 ウ フロン
フロンは、オゾン層の破壊の原因になった物質です。酸性雨は、化石燃料を燃やして出る物質が原因です。
答え:イ
理由温室効果があるおかげで、地表があたたかく保たれるのはなぜですか。「吸収」という語を使って書きなさい。
地面から出る熱が、大気中の二酸化炭素などにどうあつかわれるかを書きます。
答え:地面から出る熱の一部を、大気中の二酸化炭素などが吸収し、再び地面に向けて出すから。
将来も豊かにくらすために:循環型社会・3R・SDGs
📄 プリント14ページ
答え:限りある資源をくり返し使い、ごみ(廃棄物)をできるだけ出さない社会が循環型社会です。そのために、リデュース → リユース → リサイクル(3R)の順に取り組みます。
資源には限りがあり、ごみや環境の問題もあります。持続可能な社会は、将来の世代も、必要な物を得て豊かにくらせる社会です。そのために、限りある資源の使い方を見直します。
| 3R | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| リデュース | ごみを出さない・減らす | つめかえ用を買う・マイバッグ・食べ残しをしない |
| リユース | くり返し使う | リターナブルびん・フリーマーケット・おさがり |
| リサイクル | 資源にもどして再び使う | ペットボトル → 衣服の繊維・卵のパック、アルミ缶 → アルミ缶、古紙 → 再生紙 |
理由(取り組む順):取り組む順は、リデュース → リユース → リサイクルです。ごみを出さないことが、いちばん資源とエネルギーを使わないためです。
SDGs:2015年に国連で決められた「持続可能な開発目標」で、2030年までの17の目標があります。
正解が1つでない問題の考え方:環境の問題は、正解が1つでないことも多くあります。たとえば、レジ袋をやめても、紙袋にも木材とエネルギーが要ります。根拠をもとに、多くの面から考えて判断します。
まちがえやすい
✕ いちばん大切なのはリサイクルなので、まずリサイクルを考える → ◯ まず減らす(リデュース)、次にくり返し使う(リユース)、最後にリサイクル
基本お店で、つめかえ用のシャンプーを買いました。3Rのどれにあたりますか。
容器を新しく買わずにすむので、ごみが減ります。
答え:リデュース
標準リターナブルびんを回収して洗い、もう一度中身を入れて使います。リデュース・リユース・リサイクルのどれにあたりますか。
同じびんを、そのままくり返し使っています。資源にもどしているわけではありません。
答え:リユース
理由3Rで、リデュースをいちばん先に考えるのはなぜですか。
「ごみを出さない」と「資源とエネルギーを使わない」の2つを入れて書きます。
答え:ごみを出さないことが、いちばん資源とエネルギーを使わないから。
✅ 一問一答で総チェック(20問)
問題を読んで、答えを頭の中で言ってからタップしましょう。答えが出ます。
-
生物どうしの「食べる・食べられる」の、くさりのようなつながりを、何といいますか。
答え:食物連鎖
-
食物連鎖が網の目のようにからみ合ったものを、何といいますか。
答え:食物網
-
食物連鎖の矢印は、食べられる生物から、どの生物へ向けてかきますか。
答え:食べる生物
-
光合成で、無機物から有機物をつくり出す生物を、何といいますか。
答え:生産者
-
ほかの生物を食べて、有機物をとり入れる生物を、何といいますか。
答え:消費者
-
数量は、ふつう「植物 > ( ) > 肉食動物」の順です。( )に入る語は何ですか。
答え:草食動物
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分解されにくい物質が、上位の消費者ほど高い濃度でたまることを、何といいますか。
答え:生物濃縮
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ある生物がふえたとき、その生物を食べる生物(1つ上)は、どうなりますか。
答え:ふえる
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ある生物がふえたとき、その生物に食べられる生物(1つ下)は、どうなりますか。
答え:減る
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草食動物が一時的にふえると、植物が減り、同時にふえるのはどの生物ですか。
答え:肉食動物
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森林の伐採・開発のような大きな変化があると、生物の数量はどうなることがありますか。
答え:もとにもどらない
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遺骸やふん・落ち葉などの有機物を、無機物に分解する生物を、何といいますか。
答え:分解者
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カビ・キノコ・酵母菌をまとめて、何といいますか。
答え:菌類
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炭素が、大気中では二酸化炭素、生物のからだの中では有機物として、すがたを変えながらめぐることを、何といいますか。
答え:炭素の循環
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石油などから人工的につくった繊維を、何といいますか。
答え:合成繊維
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小さな分子がたくさんつながった、とても大きな分子の物質を、何といいますか。
答え:高分子化合物
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くだけて大きさが5mm以下になったプラスチックを、何といいますか。
答え:マイクロプラスチック
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被害が予想される場所・避難場所・避難の道すじなどを示した地図を、何といいますか。
答え:ハザードマップ
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地面から出る熱の一部を、大気中の二酸化炭素などが吸収して、地表があたたかく保たれるはたらきを、何といいますか。
答え:温室効果
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ごみの問題に取り組む3Rを、取り組む順に答えなさい。
答え:リデュース → リユース → リサイクル
まとめ
生態系の生物は、食べる・食べられるの食物連鎖(矢印は食べられる生物 → 食べる生物)と、光合成をする生産者・食べる消費者・分解する分解者でつながっています。数量は 植物 > 草食動物 > 肉食動物 で、一時的に変わっても「ふえたら、上はふえて、下は減る」の順にもとのつり合いにもどります。炭素は二酸化炭素と有機物にすがたを変えてめぐります。プラスチックのような人工の物質は長く残るので、分けて集めて使います。人間の活動は、外来生物や地球温暖化などの影響をあたえるため、リデュース → リユース → リサイクルの順に、多くの面から考えて取り組みます。プリントの確認問題で、図の読み取りと記述を手を動かして練習してみてください。
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▶ 自然界のつながりと科学技術 授業用プリント(全23ページ)
説明 1〜14ページ/確認問題 15〜18ページ/覚えることの一覧・まちがえやすいこと 19・20ページ/答えと解説 21〜23ページ

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